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外資系経験約20年の私が選ぶ、ビジネスでよく使われる英単語

こんにちは!アレンです。2025年も始まり、皆様はいかがお過ごしでしょうか。今年も早くも三週目に入り、一日一日がとても速く過ぎていくように感じますが、素晴らしい1年になることを願っています。今回の投稿では、外資系企業で約20年間働いてきた私が選ぶ、頻出するビジネス英単語を5つご紹介したいと思います。外資系企業で働いていると、日常的に英語のビジネス用語を耳にする機会が多いです。業界や職種によって多少異なる場合もありますが、どの業界でも共通して使用される単語を、私の経験に基づいてピックアップしました。

自己紹介が遅れましたが、私は外資系企業で約20年間働いており、現在はAPACのプロジェクトマネージャーを務めています。キャリアのスタートはUSのソフトウェア会社で、フランスの消費財会社、USの通信会社、UKのコンサルティング会社、そしてEUの医療機器会社などで経験を積んできました。また、私が起業した会社では、業務委託を通じて、海外に展開したい企業や海外の会社と連携したい日本の中小企業を支援しています。

日々、多くのグローバルチームや企業とコミュニケーションを取る中で得た知見をもとに、ビジネス英単語の使い方やニュアンスについてお伝えしていきたいと思います。現在外資系で働いている方や、これから海外ビジネスに挑戦したいと考えている方の参考になれば幸いです。

1.Challenge(チャレンジ)

最初にご紹介するのは、高頻度で耳にする「Challenge(チャレンジ)」というワードです。日本では「~に挑戦する」というポジティブなイメージで使われることが多いですが、海外のビジネスシーンでは「逆境」や「困難」というニュアンスで使われることが多い単語です。

例えば、After the impact from COVID, our company was able to overcome this challenge.(COVIDの影響を受けましたが、私達はこの困難を乗り越えることができました。)や英語の面接では、What are your biggest challenges?(あなたが直面した最大の課題は何ですか?)などの問いが投げかけられます。過去に経験した逆境や困難がどのようなもので、それにどのように対応したかを確認するものです。

「Challenge」という単語はシンプルで幅広く使えるため、どの業界や職種でも頻繁に使用されます。エグゼクティブによる業績報告などでは、Our company faced many challenges this year.(今年当社は多くの課題に直面しました。)というフレーズを耳にすることが多いです。私もマネージャーとして、今年の振り返りやチームの努力をアピールするときに、このワードを頻繁に使っています。どの企業にもさまざまな逆境がありますが、グローバル企業では、企業文化の違い、国ごとの法規制や商習慣、サプライチェーンの複雑さが加わり、グローバルレベルのチャレンジの連続です。

ちなみに「逆境」を表す単語としては adversity、「困難」を表す単語としては difficulties があります。その他にも、setbacks(後退)obstacles(障害)roadblocks(障害物) などの表現も使用されます。しかし、最もシンプルで使いやすいのはやはり「challenge」です。ぜひ、このワードを積極的に使うことで、英語のビジネスシーンでの表現力を高めてみてください。

2.Opportunity(機会)

「Opportunity」もビジネスでよく使われるワードのひとつです。外資系で働いていると、普通に仕事をしていた同僚が突然辞め、farewell message(退職メッセージ)が送られてくることがよくあります。例えば、I decided to take on a new opportunity outside of this company.(この会社の外で新しい機会に挑戦することを決めました)と典型的な「退職あるある」のフレーズがあります。私自身も退職する際に、上司にこのように伝えたことがあります。笑

「Opportunity」という単語は非常に前向きな印象を与えるワードです。たとえ退職の理由にネガティブな側面があったとしても、「新しいことに挑戦するための決断」というポジティブな意味合いを込めることができます。ただし、その挑戦が本当に前向きな理由によるものか、それとも単に会社が嫌で辞めるのかは、本人のみぞ知るところです。

また、「Opportunity」はビジネス戦略を考える上でも頻出するワードです。有名なフレームワークである SWOT分析 に「Opportunity」が入っており、企業戦略の策定や新規事業の立ち上げにおいても何の機会を見出したのか、重要な要素として活用されます。さらに、「Opportunity」はキャリアアップや事業のポジティブな未来を示唆する、非常に前向きな表現として広く使われます。外資系企業では転職やジョブローテーションが一般的で、同じポジションに長期間留まることは少なく、「自分のキャリアは自分で築く」という考え方が暗黙の了解として存在します。そのため、外資系で働く人々は常に新しい機会を探し、自ら行動する姿勢が求められます。これは外資系企業に限らず、現代の不確実な時代において、すべてのビジネスパーソンに求められる考え方だと私は思います。仕事をしながらスキルを磨き、常に新しい「Opportunity」を探し続けることが重要です。

ちなみに、外資系企業では、昨日まで一緒に働いていた人が突然引き継ぎもなく辞めることも珍しくありません。以前勤めていたアメリカの会社では、退職が決まるとその日のうちにオフィスを去るのが一般的でした。席に戻ることもなく、そのまま退職となるわけです。こうしたやり方は、辞める本人にとってはスムーズですが、残された人たちは引き継ぎがないまま急にその穴を埋めなければならず、大変な思いをすることもあります。

3.Feedback(フィードバック)

Feedback は外資系企業で頻繁に使われるワードのひとつです。特に人事関連でよく耳にし、上司や部下、同僚、他部署の人まで評価される 360 degree feedback や、マーケティングやカスタマーサーベイで用いられる customer feedback などがあります。また、リーダーシッププログラムに参加した際に、「Traits of great leaders(良いリーダーの条件)」の一つとして Open for feedback(フィードバックを受け入れる姿勢)が挙げられていたことを思い出します。Feedback は、自分自身や事業、組織の現状を客観的に把握し、理想の姿に向けてどう改善すべきかを知るための非常に重要な確認プロセスだと感じます。

Feedback には大きく、Positive feedback(ポジティブなフィードバック)Constructive feedback(建設的なフィードバック) があります。Positive feedback は、相手を褒める内容のフィードバックです。これは上司から部下へのものだけでなく、同僚同士でも積極的に活用できます。例えば、「〇〇さんのおかげでうまくいったよ」「〇〇のプレゼンテーション、良かったね」といった形で、私はビジネス、プライベートに関わらず日頃から Positive feedback を積極的に使用しています。ポジティブなフィードバックを適切に用いることで recognition(認知・称賛) を生み出し、組織やチーム内の心理的安全性やモチベーションを高めることができます。

一方、Constructive feedback は、低迷しているパフォーマンスの向上のために具体的な改善策や提案を伝える建設的な意見です。私自身、約12年間マネジメントを経験していますが、Constructive feedback は毎回難しいと感じます。当然、チーム内の全員が同じようなパフォーマンスを出せるわけではありません。期待される内容と現実の間にギャップが生じている場合、管理職としてそのギャップを埋めるために具体的な改善策を提示したり、一緒に解決策を模索する必要があります。

ただし、日本と海外では Constructive feedback の認識が異なる場合があります。私の経験では、日本のスタッフの中には Constructive feedback を「怒られている」や「批判されている」と感じる人もいました。海外はどちらかというと Straight forward(直接的) なので、改善が必要なところは Sugar coat(オブラートに包まず) 率直にフィードバックをすることが必要です。

私はすべてポジティブな視点で見るようにしているので、Constructive feedbackをいう場合は、「サンドウィッチアプローチ」を用いるようにしています。まず良いところを褒め、その後に「こうした方がより良くなるよ」と具体的な改善策を伝え、最後に「一緒に考えていこう」とステップごとに改善を促す形です。

4.Discussion(ディスカッション)

Discussion もビジネスで頻繁に使われるワードのひとつです。特にコンサルティング時代、クライアントワークやプロジェクト管理の場で、プロジェクトの方向性や意思決定を議論する際に頻繁に使いました。例えば、同僚と次のプロジェクトについて話す場合は、Do you have time to discuss the upcoming project?(今後のプロジェクトについて話し合う時間はありますか?)のように使います。ただし、discussion は少し堅い印象があります。もう少しカジュアルなセッティングでは Let’s talk about ~(~について話しましょう)や Let’s chat about ~(~についておしゃべりしましょう)が使われます。カジュアルさの粒度を変えて使い分けることで、状況に合わせたコミュニケーションが取れます。どの会社も結局は「人とのつながり」で成り立っているため、協議やコミュニケーションを通じて方向性やアクションステップを決めることはとても必要なことです。

ただし、忙しいエグゼクティブや同僚の場合、まとまった時間を確保するのが難しいこともあります。その場合は、Do you have time for a quick chat?(ちょっと話す時間はありますか?)と、クイックな会話を促すこともします。また、ちょっとした雑談を持ちかけることも、組織の中では重要だと思います。以前勤めていたアメリカの会社では、社員がパントリーでコーヒーを飲みながら quick chat をするのが日常的な光景でした。

今APACのプロジェクトマネージャーをやっている、EUの会社もこのような気軽なコミュニケーションが頻繁に行われます。世間話を通じて社員同士のつながりが深まるだけでなく、リラックスした雰囲気での会話からイノベーティブなアイデアが生まれることもあります。このように、discussion はフォーマルな場面だけでなく、カジュアルなquick chatや雑談を含めて幅広く活用できる重要な要素です。状況に応じた使い方を意識してみてください。

5.Alignment(アラインメント)

最後に紹介するのは Alignment です。この言葉は、一般的な日常会話ではあまり使われないかもしれませんが、リーダーシップチームやプロジェクトの中で頻繁に耳にする重要なワードです。Alignment は「方向性を揃える」「共通認識を持つ」という意味で、例えば Let’s make an alignment among the team.(チームで共通認識を持ちましょう。)などで使用されます。
また、よりカジュアルな表現では on the same page(同じページにいる) というフレーズを使うことが多いです。これは「同じページを見ましょう」というニュアンスで、Let’s make sure we are on the same page.(全員が同じ認識を持っているようにしましょう)などでも使用できます。

Alignment に近い意味を持つ言葉として consensus(コンセンサス) があります。Consensus は「合意」「意見の一致」を意味し、チームや関係者間で具体的な合意を得る場合に使用されます。一方で、Alignment は合意をとるだけでなく、ビジョンや方向性、戦略などについて共通の理解を持つことに焦点を当てています。例えば、プロジェクトの初期段階では、ビジョンや方向性についてチーム全体で Alignment を図り、その後に具体的な行動計画を通じて Consensus を形成する、という流れが考えられます。
私の経験では、リーダーシップチームやプロジェクト管理の場で、方向性や目標を確認しながら進める際に Alignment が頻出します。外資系企業では、異なるバックグラウンドやクロスファンクショナルなチームが集まるため、プロジェクトや戦略がぶれないように定期的に Alignment を取ることが非常に重要です。例えば、プロジェクトキックオフ時や四半期ごとの振り返りミーティングで、We need to align on the next steps.(次のステップについて方向性を揃える必要があります。)、Let’s align our priorities for this quarter.(この四半期の優先事項を一致させましょう。)などで使用できます。Alignment をしっかり行うことで、誤解や行き違いを防ぎ、新規事業やプロジェクトの効率化を高めることができます。

最後に

今回取り上げた5つの単語は、私が20年間の外資系企業経験を通じて、頻繁に耳にし、実際に使ってきたものばかりです。個人的には、ビジネス英語を習得する際には、自分の得意なワードやパターンをいくつか持ち、それを使い回すのが効率的だと感じています。使い慣れた表現を徐々に増やしていくことで、より自然に英語を使えるようになると思います。
ぜひ、皆さんがよく仕事で使う英語単語やフレーズも教えてください!次回は、また別の単語やフレーズについて取り上げたいと思います。

【私の自己紹介】
Aki Allen Kaneko 1979年、カナダ・トロント生まれ。日本に帰国後、学校に馴染めず高校中退。その後、大検に合格し、26歳の時に青山学院大学に進学。37歳でカナダのマギル大学でMBAを取得。

フランスの消費財会社、米国の通信会社、英国のコンサルティング会社を経て、EUの医療機器メーカーでアジアのプロジェクトマネージャーを務めている。2020年にサイファーホールディングス株式会社を創業し、海外展開コンサルティングやリーダーシップコーチング事業を展開している。

自身の20年間にわたる外資系企業での経験とマネジメントスキルを基盤に、グローバルな視点でキャリアアップやリーダーシップの考え方やトレーニング手法を推進している。また、グローバルリーダーの育成を目指したコーチングセッションの提供に加え、企業の成長や挑戦を支援するため、ミッションやビジョンに基づく戦略の策定からマネジメントの実践まで、幅広い知見を発信している。ビジョンは周りに良い影響を与えること。

趣味はブレイクダンス、ブラジリアン柔術、読書で、最近は生成AIとプロジェクトマネジメントの勉強に熱中している。


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