求人票の条件(特に給料面)は正直に書いたほうがいいよというお話
皆様、こんにちは、こんばんは。
2019年に転職で埼玉から〇〇に引っ越してきたTomiと申します。
長くなりますが、今回のお題について書きたいと思いますので参考にしていただけたら幸いです。※サクッと見たいのであれば「転職の理由@3社目」から閲覧されるといいかと思います。
今まで自分が数々の場所で働いてきて感じたことをそのままお伝えしますので、特に経営者の方、採用人事の方はお力になれるかと思います。
1、私の経歴について
就活サイトからで申し訳ございませんが、私のプロフィールについては下記をご覧ください。
経歴としては、10社以上を転職しています。
20代では主にパートやアルバイトを、30代に差し掛かってからは身を固めたいと思い正社員採用で三回ほど転職してきました。
勘のよい方でしたら私の転職回数について疑問を持たれるかと思います。
そう、転職せざるを得ない理由があったのです。
2、転職の理由(20代まで)
20代の頃は一転集中で長く続けるよりも、仕事だけでなく趣味においても様々な世界観を取り入れたいという観点から、パートやアルバイトで生計を立てていました。※正社員採用の会社もありました。
アルバイトとはいっても一人暮らしで、生計はすべて私一人で立てていました。生活は厳しかったですが、見返りとなる経験値はそれなりの質を得られたと今でも思っています。
一転集中で最初から正社員で雇用され働き続ければ、(まともに働いていれば)たしかに給料は年々上がっていくので安定はします。
働き方は人それぞれですので、自分で導き出したベストな方法で生きるべきだと自分は考えます。
それで後悔しても、それは自分が望んで実行した結果なのですから。それも経験値です。
ちなみに私は高校卒業後、新宿の専門学校に通いながら新聞配達(新聞奨学生)で3年間暮らしていた過去があります。
3、転職の理由(30代から@1社目)
とはいっても、30代に差し掛かると今後の事を考えながらある程度計画的に生きねばなりません。
なのでハローワークに通って自分に合っていそうな仕事を探し、秋葉原のとある会社で働くことになりました。
ここでの求人内容は以下の通りでした。
:公共水道事業請負、水質調査事業
実際に入社して行った業務内容は以下の通りです。
:「東京都の行っている水道に関するPR活動」を各水道契約者に行い、必要であれば水質検査する。
一見、求人票と実際の仕事内容に矛盾はないように感じます。
ですが、ここには大きな落とし穴がありました。
場所によりますが、東京都で水道を契約している方というのは、ほぼ十中八九ビルかマンション、その他集合住宅に住んでいます。
契約者が法人の場合、その法人さんに対してこの水道PRをするということでもあります。
つまり、「水道契約者に対してこのPR活動を行う場合、敷地内立ち入り許可の申請及び告知」として、マンションならマンションの管理人及び管理会社、法人なら法人の代表者に予めアポを取っておかなければなりません。
持ち家を持っている方ならこれが何を意味するか分かると思います。
つまり、そのPRに協力しても特に利益も出ないのに、場合によっては水質の劣化、漏水、その他の問題が東京都及び居住者にバレて何かしらの問題に対処せざるを得なくなる可能性があるのです。
問題を大ごとになる前に対処できるという意味では確かに利益があるかもしれませんが、普通に考えれば問題が発覚した場合に居住者から改善工事を求められるという、面倒事に巻き込まれるほうが嫌だと管理者は考えるでしょう。
なのでこの東京都の水道PR事業は、とにかく難航しました。
管理会社に普通に説明してもまず門前払い、協力的な方は恐らく3割も無かったのではないか?と思います。(※担当エリアによるでしょう、一軒家であれば比較的楽です。)
そして一番重要な点なのですが、この事前アポ取りという作業が、私にとって非常に苦手分野である【営業】と全く同じということです。
つまり、本当の仕事内容は「水道事業を行う上で必須となる事前営業活動、及び水道調査」だったのです。
というか営業メインです。それ取れないと仕事できないので。
この事実が発覚してからも、私は出来る限り仕事に向き合いましたが、自分に向いてない仕事はどう頑張っても長くは続きません。
結局、ストレスで辞めることにしました。
社長や先輩から「君は対応がとても丁寧で営業に向いている」と言われましたが、対応できると仕事が出来るは違います。
私が電話やメール対応に丁寧な理由は、とにかくクレーム等面倒事に巻き込まれたくないからです。それで神経すり減らしてまで営業しようとは思いません。
4、転職の理由(30代から@2社目)
次の仕事もハローワークから探しました。
今度は地元のとあるメッキ工場に勤務することになりました。
ここでは3年間ほどお世話になりましたが、ここを転職する理由となる最大の原因がパワハラです。それも上司と社長からの。
仕事自体はそつなくこなしていましたが、当時私は私生活でもある問題を抱えており(近隣住民(生活保護&精神障害の方)からの迷惑行為)、転居を考えていました。
そして社長に「今住んでいる所に非常に問題があり、転居を考えている。近場で良いところがなければ遠方に引っ越すことになる。その場合は退職させていただく」旨をお伝えしたところ、以降態度が豹変。
私としてはあくまで近場でいい物件が無ければ遠方へ引っ越すという考えだったのですが、元々そんなに条件のいい会社という訳でもなかったし退職しても痛くもかゆくもなかったので、もし物件が見つからなければついでに転職しようという考えで素直にお伝えしたのですが、どうやら元々上司と社長は私の事が気に入らなかったようで、それ以降私に一切仕事を指示してこなくなりました。
当然挨拶もなし、目も合わせません。
私としては何とも思わなかったので、それ幸いとばかりに窓際社員的な仕事をそつなくこなしながら転職活動を行い、退職しました。
待遇や条件があまり良くなくても、会社との関係が良好であるなら私は働き続ける気ではいました。一応会社に恩はありますから。これはどこに勤めていても共通している信念です。
会社がその人間を雇い続けたいのであれば、会社は積極的に「あなたは必要な人材だ」とアピールすべきです。この件ではお互いが不要に感じた結果なのでしょう。
あと、ここでの教訓は「家賃と住民の民度は比例する」ですね。現在はとても快適です。※引っ越しますが。
5、転職の理由(30代から@3社目)
いよいよここから本題に入ります。長くてすみません。
まずは以下の資料をご覧ください。
これは私がこの会社に応募するきっかけとなった求人票です。
暴露して迷惑かけるつもりはないので社名、勤務内容、労働条件その他は白塗りしてあります。
私は応募条件にマッチしていたのでこの求人票に応募し、面接の上で採用になりました。
ここでポイントとなるのは以下の記述です。
年収 380万円~500万円
転入される場合の補助金あり
では、私の雇用条件を挙げましょう。
×12してもらえば12ヶ月ぶん、それに+@で賞与年収が割り出せます。
まあ、入社一年目で賞与など普通出ませんが。
※一応申し上げておくと、賞与は一年目で9万円弱、二年目で25万円ほどでした。※手取り
さて、まず求人票に記載してある年収面と、実際の給料とがまるで一致していません。
単純計算でも控除前で年間約128万円違います。※各手当含む
しかも賞与は会社の実績と個人の実績とで計算される部分であるので、「年収」部分には反映しないのが一般的です。支払いが確約されているものではありませんからね。
そして次に記載のある「転入補助金」ですが、私には一切支払われませんでした。
この二件について、会社の言い分は以下の通りです。
この求人票の条件にTomiは該当しない。※補足:現経営責任者が私の入社後に責任者経験のある人員を新たに雇い入れました。
転居費用の補助は県に補助金を申請したが、通らなかったのでお支払いはしない。
何故、私が入社した後に新たに即戦力採用を行ったのかについては色々会社の事情があるのですが、これを書くと特定になるので控えさせていただきます。
まあ、会社の言い分としては頑張って立てているのでしょうが、つまるところこれは「労働条件の不利益変更」に該当し、求人票に虚偽または誇張の記載を行い求人活動した件についても法律に抵触する部分があります。
そもそも私はこの雇用契約の条件であればわざわざ〇〇県にまで引っ越しして就職していた可能性はまず間違いなく考えられない上に、これは一度雇用条件を面接で確認したうえで、後に勝手に自動で雇用契約を変更されて締結されていたので、言ってしまえば無効でもあります。
ちなみに責任者は最初にこの契約書を出してきた際に、最初の求人票とこの雇用契約書の条件の差異については私に明確に明示していません。
6、そして何が起こったか?
そうはいっても当時の私はまだ完全に問題を把握しているわけではなく、そのうち上がるのだろうと楽観的に考えていました。
これでも年季の入った社畜属性なので、ある程度の労働条件の差異は許容できちゃう精神状態でいたのです。(今考えれば相当バカですが…。)
ところが、この責任者と私は仕事的に合わない部分が多く(他の社員、同僚、パートさん方々とは良いお付き合いをさせていただいていました。)、ある時から日常業務の面で衝突が相次いだので、2021年中期にはまた転職かーとそろそろ次を考える段階まで来ていました。
そんな時に、会社である事件が起きました。
それは私にとって見過ごすことのできない事件でした。
この事件をきっかけに私は退職届を出すことにしました。
そして今まで会社が行ってきた不法行為、その他の不正行為を然るべき通報機関に告発することにしたのです。
7、告発のゆくえ
まず、この会社は残業代が一切ありません。なので労基に過去二ヵ年の残業代申請を行いました。同時に労基には求人票について個別労働紛争→あっせんと申請しています。
次に、その他の問題をそれぞれの機関の告発窓口に通報しました。
報復が目的でないので詳細は書きません。
残業代については告発後に会社から二年分の額を支払われましたので、その点は解決しました。
以降は支払っていくスタイルになるそうです。
ですが、一番重要な「求人票の条件の差異」が話がこじれていて、今後労働裁判となる可能性があります。※これが現在。
8、求人票の条件は正直に書いたほうがいい理由
会社が求人を行う理由は、つまるところ人材が欲しいからです。
これに尽きるでしょう。
では、採用した人員は長く続けてほしいですか?
人員育成はある意味投資と同じです。
簡単なものから習得させて何でもできるSupermanになるまで、費用対効果の薄い期間はそれだけ未来への先行投資、途中で辞められるリスクも考えると、まんま投資ビジネスと同じなように感じます
求人票に虚偽または誇張して人を集めたところで、入社してそれを知った人が長く続けると思いますか?
実際に入社して条件が違うことを知れば、それはモチベーションの低下に直結し、結果的にストレートに退職の理由となります。
上司が仕事を依頼しても「まあ求人票と条件違うしな」と消極的になるでしょう。業務に消極的であれば、水面下で転職活動を行っていつでも辞められる体制を作られるのは想像に難くないです。
ただでさえ終身雇用の崩壊が始まって久しい現代、今ではフリーランスの傍ら自分で投資ビジネスで資産運用したり、ベンチャー企業に腕を売って個人事業主として提携という形で稼ぐ人もいたり、働き方は様々です。
FIREという概念も広まってますしね。
その中で従来の日本社会のスタイル、「求人票」で人材を募集して雇用を狙うのであれば、最低限ウソは書かないようにするべきです。
特に収入面では入社開始時でいただける最低賃金の部分はごまかさないように、誤解を生まないように書きましょう。
(※資格も何もない本当の初心者と、ある程度経験値のある人間が同じ給料でスタートなわけがないでしょう?常識のある企業はそこらへんもきちんと分けて書いています。)
ここを盛れば、確かに魅力はアップして応募は増えます。
ですがその増えた部分は全部、その求人票を信じて来ている人たちであるので、その人たちを採用したところで長くは続かないと思いますよ。
特に今回の会社でもそうでしたが「採用後に体制を立てて社員全体の給料を上げる予定だった」とかの理由で不確定の未来の労働条件を書くのは、絶対にやめましょう。※今回の会社の未払い残業代でその理由を述べていました。
また、求人票と実際の雇用条件が著しく違えば、労働者に告発されるリスクがあるということも念頭に入れておいてください。
やる人間はやりますからね。
結局、長く働いてほしいのであれば「人件費を安く抑えよう」とか安易に考えないことです。
どの会社でも人件費が一番経費や予算を圧迫します。ですが、良い人材を雇い入れ良い人材に長く働いてもらうのと、すぐ辞める人材をしょっちゅう入れ替えるのとでは、5年後10年後の業務の安定度と掛かる費用が変わってきます。
どうせ費用が掛かるのであれば最初から計上すべきです。これは先行投資ですから。
離職率の低い会社になれば社員の実力が年々上がっていき、いづれは違う事業を立ち上げて年商が上がるかもしれません。
ですが、社員がすぐ辞める会社であれば、その可能性はありません。
9,社畜を雇うには?(人件費を抑えたいがどうすればよいか?)
それでも社員の給料が低いにも関わらず、社員が辞めない会社というのは確かに存在します。
今まで転職してきて感じた部分だと、社員の給料が低いにも関わらず社員が辞めない、優良社畜の多い会社というのは総じて「社内満足度」が格段に高い会社が多いです。
「うちはこれだけしか給料が出せない、でもみんなを大事に思っているから辞めてほしくない。だから私はこういうことをする。こういう待遇をする。」
と、上司や経営者がとにかく社員を大事にしているところが多かったように思います。
悪く言えば、良い人材を特別扱いすることです。
そうすれば、特別扱いでない人間は居づらくなり辞めるか、特別になるために仕事を頑張るでしょう。
後に残るのは特別な社員たちだけです。そうなれば社員が辞めないのは、ごく自然なことですよね?
とにかく、正当に評価しましょう。辞めてほしくないのであれば実際に声に出しましょう。
どんな人間でも実はある程度社畜属性というのは持っていると私は考えています。
私は残業代が出ない、賞与が出ない会社に勤めていたことはしょっちゅうだったし、有給なんてまず取れていたところのほうが少ないです。
それでも、普通内部告発まで行うなんてことは今までなかったし、退職時にそれを責めることもしませんでした。
つまるところ、私は「自分が働きやすければ残業代が出ないとか給料が低かったことや拘束が長いことなどどうでもよかった」のです。
そういう人間も間違いなくいるので、上手くそういう人間を見つけることと、あとは上手く社員を扱えるように色々考えてみることですね。
社員の為に何かを考えるというだけで、使われる人間は案外うれしいものです。
賞与や昇給等で結構マヒしがちなのですが、「評価」というのは上司→部下への一方通行なのではなく、「部下」→「上司」へも普通に存在するものなのです。
雇用契約というのは、「雇用主」と「労働者」がお互い納得したうえで成立する契約であって、労働者を使役するための一方的な契約ではないのです。
10、今回の件を受けて(求職者にアドバイス)
まず、入社して雇用契約を結ぶ前に条件はよく確認しましょう。
絶対に言いづらいですが、もし差異があればそこで質問しまくって徹底的に潰すことを激しくお勧めします。会社とお互いの為にも。
雇用契約の時点であれば、まだ人生のやり直しがききます。自分にメリットのある、充実した社会を生きるためにも、そこは妥協すべきでないです。
自分も次からはそうします。(遅い)
11、最後に、いい会社ありませんか?
ここまでお読みいただいた寛大な読者の皆様、誠にありがとうございました。
私は今回の会社の件を受けて今後どうなるのか、まだ先は見えません。
労働裁判になるのか、転職はどうなるのか。
不安は尽きませんが、就職というのも人の縁ですから、流れに身を任せて確実に転職活動を進めていこうと思います。
こんな扱いづらそうな人間を雇ってみたい経営者の方、お誘いいただける読者の方、面白そうだから裁判費用を援助いただける支援者の方がいらっしゃればご連絡、コメントください。
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
Tomi
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