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narukuni
あいつ、ストーカーじゃない?(ましゅ編)
ここ最近知らん人がついてきてるのは気づいてたけど、まさか下駄箱に手紙入れてくるとは思わなかった。内容は僕達が仲良くしてるのをもっと近くで見たいというもの。危な。
おるばくんに危険が及ぶといけないので、僕が一人でいる時にボコボコにするのがいいと思う。今朝通り道に金属バットを隠してきたので、帰る時にわざと1人になって後をつけてかたところを……。いい作戦だ。
いつものように2人で帰っているところで、わざとらしく
「寄り道して帰るんだった!」
とあいつにも聞こえるように言った。これでおるばくんじゃなくて、僕の方に来てくれればいいけど。
おるばくんと分かれてからも足音が聞こえてくる。よし、ストーカーを釣れたぞ。
隠しておいたバットは……、あった。
靴紐を結び直すように自然な感じで屈み、バットを拾って、両手に力を込めた。
その時、後ろからごふっというわめき声が聞こえた。慌てて振り返るとおるばくんがあいつに馬乗りになっていた。今にも殴りかかりそうな勢い、いや1発殴った。
僕は持っていたバットを再び隠し、静かに警察を呼んだ。
おるばくん…かっこいい。でもおるばくんの手を煩わせたのが申し訳ないし、不可抗力とはいえおるばくんが不審者に触らなきゃいけなかったのが僕は許せないので、このバットはまだ捨てられないや。