月夜の二人
今日はましゅが俺の家の猫を見に来た。ついでだからお店の手伝いもしてもらって、一緒に夕飯食べて駄弁ってた。ましゅは料理苦手なんじゃなくて、単に面倒くさがってるだけなんだな。
「コロッケって、あんなに手間暇かかってたんだね」
腹も膨れてごろごろしてるましゅが、俺の方に向き直った。
「僕の分のご飯作ってくるの、大変じゃない?」
「俺の分もまとめて作ってるから、全然大丈夫だぞ!俺が好きでやってることだしな」
良かったと微笑んで、またごろごろし始めたので、俺も一緒に寝転んだ。ふと外を見ると、大きな白い円が目に留まる。
「今日は満月か、綺麗だな」
ましゅは少し黙った後、ちゃんと意味分かってるのかな、と呟いた。
それからましゅを途中まで送って、学校の事とかいろいろ話したんだけど、あんまり内容は覚えてない。通りには誰もいなくて、月明りが俺たちを照らすスポットライトみたいだった。
「いつもより月が大きくて明るいね」
空を見上げているましゅの横顔を見ながら、綺麗だなと返した。