【ひとくち考察/楽曲紹介】宇宙は永遠の象徴か?【暁Records/UNI_VERSE】
宇宙は永遠か?
ぼくが愛してやまない東方アレンジサークル「暁Records」に、『UNI_VERSE』という曲がある。
『UNI_VERSE』
この曲のテーマは「永遠」。
”ふたり”(別に蓮メリというわけではなく、匿名の誰か。そこに誰を投影するかはお前次第。ぼくは蓮メリがいい)にとって永遠なんて知る由もないが、「宇宙は君の形をしていた」と歌う、恋の歌である。
では、「宇宙は君の形をしていた」とはどういうことだろうか。
結論から言う。「宇宙は永遠の象徴である」からだ。
宇宙の終焉については、熱的死だとか、ビッグクランチだとか、いろいろな説があるが、昔は宇宙に終焉は無いと信じられていた。(情報源がウィキペディアなのが何とも言えないが・・・)
それを幻想郷的価値観に照らし合わせれば、今は宇宙に終焉があるというのが主流ならば、「宇宙に終焉はない」という前時代的な意見は忘れられることになり、博麗大結界の中では逆に「宇宙は永遠である」と言えるようになるのだ。(秘封倶楽部の場合、科学世紀において宇宙が永遠であるかどうかは明言されていない・・・はずなので、「宇宙は永遠であるという理論が復活した」「彼女らはまだ宇宙が永遠であると信じている」という可能性世界として考えることにする)
そして、宇宙は永遠である・・・すなわち、宇宙が君の形をしていたということは、君は永遠であり、仮に私が永遠であるなら、ふたりは永遠を知る、というロジックになる。(コレは妄想だが、1番と2番で私と君の視点が入れ替わってるとしたら、ふたりとも永遠だし、相思相愛になるので、とてもよい)
もし、私が永遠でないとしても、最後の歌詞につながり、星が君を示して、ずっと存在する、すなわち君は永遠となる。片方が去っていくパターンだ。(蓮メリ?咲レミ?けねもこ?)
永遠とは、美しく、残酷なものである・・・。
ところで、暁Recordsには、宇宙と永遠が関連して出てくる曲が多数あるのはご存知だろうか?
このnoteの本題はそれらの楽曲紹介である。長々と講釈をたれられて、うんざりしている人も、これを機会に宇宙と永遠について聴いて、そのどうしようもない大きさに触れてみてほしい。こっから急に内容薄くなるしパッパと読めるし
今回はそこまで深くない。テンションもそんなに高くない。というわけで、行ってみよう。オラオラオラァ。
※この 考察 楽曲紹介noteは歌詞べースで構成されています。「音楽レビュー」的なバランスの良いものとは違い、筆者の妄想が少しだけ含まれています。(構わないの)
宇宙と永遠 その1:曼荼羅
『Barragedancer』という曲がある。
『Barragedancer』と永久
注目してほしいのは、ここの歌詞だ。
永久と曼荼羅。永久は「とわ」と読むので、永遠である。また、曼荼羅とは、伝統的に宇宙または様々な天の世界を表す幾何学的デザインまたはパターンだ。ここに、宇宙と永遠の関係が生まれている。(引用:https://www.adobe.com/jp/creativecloud/design/discover/mandala-art.html#:~:text=曼荼羅とは何か,というのが目的です。」)(何でadobe?)
七色の幻覚・・・永遠とは常に狂気が隣り合わせであるが故、景色もサイケデリックになるのだろう。
また、「曼荼羅」というフレーズは『Bon☆Dance』や『少女救世論』にもでてくる。
『Bon☆Dance』と巡り
お盆の時期は先祖が戻ってくる。うれしい。踊り明かす。夜明けまで・・・
「曼荼羅は星の跡」。宇宙を示しているのがよりいっそうわかりやすい。また、お盆の期間は数日しかなく、すぐ終わってしまうものだが、季節が巡ればまたやってくる。それ故の「それまでのさようなら」なのだ。人の営みが続く限り、それは繰り返される。一種の永遠だ。この思考が、「輪廻」をテーマとした『LOOP』にもつながるのだが、それはまた別の話。
『少女救世論』と永遠の巫女
暁Recordsの霊夢は、使命と責任の重さにより、空を飛べる程度とは言えないほど不自由だ。本人はそれを運命として受け入れている様子なのがまた良いのだが・・・これ以上は本題から外れる。
博麗霊夢は「永遠の巫女」である。『浮珠形ノ運命線 ~ White Spirit, Ultra Red』でも歌われているように、少女に永遠は託されているのである。そんな霊夢の曲に、「曼荼羅」というワードが使われているのは、とても良い。
また、アルバムのジャケ絵が、八雲家曲のアレンジシングル『アンチワンネス』と似ているのもポイントだ。八雲紫は、『アンチワンネス』『ENDLESS FANTASY』『永遠輪廻』がそうであるように、”終わらない”存在なので、この構図にも意味がある・・・のかもしれない。
宇宙と永遠 その2:蓬莱人
東方Projectで永遠といえば、蓬莱山輝夜や藤原妹紅、八意永琳らの蓬莱人を思い浮かべるだろう。Stack兄妹のアイコンにもなっている彼女らの楽曲にも、宇宙と永遠が登場する。
『刹那75』と今と「宇宙」
永遠をバックにして、「今の他に私はない」と言いきる心の強さよ。東方永夜抄エンディングの名言が発祥元のこのアレンジ、注目してほしいのはその最後だ。
宇宙は永遠である。永遠を罪として共にする蓬莱人。死ぬことも老いることもないなら、彼女らにとって現実とは「永夜の夢」なのかもしれない。
また、逆に”宇宙の終焉”について歌った楽曲として『Supernova』が存在する。
『Supernova』と宇宙の終わり、そして──
聴けばわかる。宇宙の死である。
なぜ、今回の主題と反するこの楽曲を紹介するのか?それは、このアレンジの発想元、ALISON先生の「宇宙の死を見た不老不死~終焉編~」にある。なぜなら、この物語の結末は───────
宇宙と永遠 その3:秘封倶楽部
最初に挙げた『UNI_VERSE』は秘封倶楽部的解釈ができる。それだけにもとどまらず、暁Recordsの秘封アレンジには宇宙と永遠が関わってくるものが多い。だが、蓮子とメリーは人間であるのに、なぜそのような歌詞が多いのか?
それは、秘封倶楽部には終わりが来るからだ。
その証拠はたくさんの秘封アレンジの歌詞から調達できるのだが、ここは本家本元のツイートを引用させてもらう。
終わりがくるからこそ、きっと今がある。今を走っていく秘封倶楽部と対比して、「永遠」はあるのだろう。なんと儚く、危うく、美しいのか。
『Faster Mind Hallucination』『Bon voyage!』と一瞬の永遠
瞬間を永遠と捉える考え方があっても良い。自己の認識が自己の現実となるマエリベリー・ハーンにとっては、一秒も永久になりうるのだ。その相棒である宇佐見蓮子も同様だ。そして、時を引き延ばした結果として辿り着くのが「宇宙」とは、「引力」を感じるだろう?君は「引力」を信じるか?
それに関連しての、『Bon voyage!』だ。これは宇宙と関係ないが、どうしてもサジェストしたい。
終わりを見据えて今を生きる。それが暁Recordsの秘封倶楽部だ。そして、どこまでも二人で。
”まるで”永遠。一秒の永久に通ずる、ひとの認識の為せる技だ。
『私たちのあやまち』は永遠か?
ここまでの紹介を巡って、最後に紹介するのがこの曲だ。
これから提示するフレーズは、永遠かどうか、どうか実際に聴いてあなたに判断していただきたい。
いかがだっただろうか?宇宙、今、罪・・・ここまで記事を読んでくれたあなた方にはもうおわかりだと思うが、無粋なので明言は避けておこう。楽曲がフェードアウトで終わることも付け加えておく。
ちなみに、「人を超えた神の世界」と、ラストの歌詞の形がピラミッドになっていて、ピラミッドは一般的通念として「墓」を示すことを結びつけると、「神々の墓場」というワードが思い浮かぶ。なにかあるのだろうか?
おわりに
最後に、「宇宙は永遠である」という発想元であるマーベルコミックの一節を引用して終わりとします。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。5/7の博麗神社例大祭でまた会いましょう。世界は変わらずにLoop・・・
EXCELSIOR!(向上せよ!)