長谷川良信記念千葉市長杯

今回は2名で観戦。
ここのnoteは写真もない地味な内容で、本当にただただ自分たちが感じたことをまとめるだけなのですが、初回多くの方にお読みいただいたようでとてもうれしく、ビックリしました。

今回は正直、書かないつもりでしたがやはり書くことにしました。

この大会の位置づけ

もともとこの大会は、5月のGWに天皇杯が行われていたことからその手前に前哨戦となる試合を、として当時スタートしたもので、天皇杯の時期が変わった今、とても難しい位置づけとなっていて、各チームともそれぞれのコンセプトで動いておられる様子で、毎年なんともどう観戦してよいか難しい状況があります。

今回も2日間同じメンバーが揃っているチームは少なく(伊丹さんだけ?)、普段出場機会の少ない選手を中心に展開するチームがほとんどでした。

よって、バスケットボールの内容という意味では。。。。。
書くのが難しいな‥というか書けないな‥、と思うことばかりでしたので、今回はそれ以外のことを書いてみます。

車いすバスケにはシーズンがない

車いすバスケには現在、「いわゆる公式リーグ」はなく(今大会にも出場していた5チームのWBSLや、各ブロックでリーグと呼ぶものは存在しますが)、また、「シーズン」が存在しません。
まだまだ大会や試合が少なかったころに、それぞれにいろいろな場所で作られた大会が今もたくさんありますが、それらが年間でばらけて存在しています。
また、「全国障害者スポーツ大会」という都道府県別に出場する大会があるのですが、以前は出場メンバーにいろいろな制約があり、トップの選手だけが出るというわけではありませんでした。これが、最近ではトップの選手たちが出ることが増えてきました。

このような状態では選手のコンディショニングに影響が出てしまいます。

シーズンがあれば、区切りがあり、オフシーズンで休むことができます。
そして、長いリーグをどう戦っていくか、ということを計画することができます。
それができないからこそ自分たちの中でオフのようなものを勝手に作るしかなかったり。
でもなかなかそれって外に出しにくい情報でもありますから、どうにも変な感じの試合・大会ができてしまうというのはとても残念だなぁ、と1ファンとして常々思っていました。

天皇杯の後は、多くのチームがお休みをしていますし、今回きちんと練習を積んでいない状態で臨むことになっていたのは仕方のないこと。
今回は通常ベンチを温めることの多かった選手が多く起用されていたわけですが、オフ期であることでフルメンバーでなくなれば、持ち点の関係で逆に出場時間が増えてしまう選手が増えることがあります。
しかも出場機会のない選手と練習量の足りない中での試合は、どうしても負担が大きかっただろうという試合が見受けられました。

つまり、フルメンバーではないから、とか、ベンチメンバーだから、ということではなく、シンプルにコメントにしにくい試合が多かったのは悩ましいと思いながらの観戦でした。

大山選手の存在感

そんな中で書きたかったことの一つです。
埼玉ライオンズはクラス4の選手は二人のみのため、大山伸明選手と北風大雅選手は交替できずながら、それ以外のメンバーを若手中心にしていました。
植田紘公選手や久我太一選手など若い選手がガッツあふれるプレイをしていたのは印象的でしたが、止まらずに突っ込んでしまうスタイルが多く、例えばNO EXCUSE戦では後半ファウルを取られる場面が続きました。
NO EXCUSEが香西選手などを下げている間に埼玉が18点もリードをしたのにもかかわらず、後半香西選手が戻ると、ファウルトラブルを含め一気に4点差まで追い上げられました。
そこで気を吐いたのが大山選手。
これ以上はもう許さんぞと3ポイントを決めて7点差に広げると、そこからはエースとして自らが得点を取りに行き、NO EXCUSEを下しました。

大山選手のように障害のない選手が車いすバスケを続けていくのは並大抵の努力ではありません。
トップチームにいる障害のある選手の多くは、所属企業からなにがしかの支援を受けていることも多いのですが、障害のない選手はそのようなわけにもいかず、仕事の調整や金銭的な工面を含め様々な努力と犠牲があることは間違いありません。
なんていういろいろなことは横においても、とにもかくにも、若い選手たちの挑戦をドン!とまとめた大山選手の存在感は素晴らしかったです。

(余談ですが埼玉とNOEXの3決、その後の千葉と神奈川の決勝戦は審判のジャッジ等で荒れ気味になってしまったのは残念でした。。。また、スピードで突っ込んでいくスタイルは適切にストップする技術がないということで、これがアリになるのはダメなので‥審判の皆さんも大変だよなと思いつつ…スピードがあってもきちんと止まるスキル、適切なポジションが取れることへのリスペクトを感じたのでした‥)

応援のすばらしさ

今大会のポジティブな感想は、応援のすばらしさです。
特にNO EXCUSEの応援席は、落ちない。
シュートが落ちても一つ一つ反応せずに次のディフェンスのチャントに切り替えている、きっとバスケファンの方も多いのではないかと思いました。
コートだけでなく応援席のトランジションが早い、チームと一体化してますね!

そして特筆すべきは千葉ホークスの応援。
地元千葉開催ということもあってか、過去一の応援だったのではないでしょうか。
ハリセンの音も応援の声も響き渡っていました。
こういうのすごくいいなと思いました!地元のチームに一番の応援が来る、当たり前のことですが車いすバスケではなかなか当たり前ではないので。

埼玉ライオンズのマスク・ド・グリーンさんはいわずもがな。
鳴り物有の会場かどうかをしっかり調べて鳴り物を準備する当たり、応援のために生まれてきましたよね?!というさすがの存在感でした!
この方がいることで応援の楽しさは倍増ですね!!

まとめ

ということで今回は、
どのチームもオフっている状態での試合で、内容にはどうしても混乱がありバスケについては書けないので、じゃ、書く必要ないかなとも思いました。
ただ、見ている方々に、この大会のこの試合たちを見て何かを判断していただきたくないなと思いまして、少しだけ書くことにしました。
このため、建設的であることはコンセプトとして意識しつつも苦しい部分があったかもしれません‥
今後も基本的には建設的に、皆さんが楽しく車いすバスケを観戦していただけるようなものを書けたらと思っています。

それにしてもこのところのインバウンドの影響からのホテル代の高さから今回は観戦を躊躇したのですが、遠方からお越しの皆さんも多くおられたようで本当に素晴らしいことだな、と改めて思いました。

また、毎回いろいろなことを改善し、工夫し、より良い運営にとがんばられている淑徳大学の皆さまは、天皇杯の日程が変わったことでいろいろご苦労もおありだろう中、今回は一日1試合になるように工夫をされていて感動しました。
本当にお疲れさまでした。

なんだか中途半端な内容ですが、またどこかで、バスケのことを書かせていただきます。

車いすバスケを「バスケットボール」として好きな方が増えますように、という願いを込めて。

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