日々是雑感2022/07/18
夏草や 兵どもが 夢の跡
松尾芭蕉の句が突然脳裏に浮かんだ。どういうわけかいかに人間が非力なのかを思い知らされる。7月に入って以降の理解に苦しむ梅雨の戻りなのか、梅雨がずれているのか、本当に定かではないが、災害が常識になりつつある今の日本に、今の光景は本当に夢の跡なのかも知れない。
自分の中では、自分がいない地域で災害がよく起こっているな、と感じることが多い。昨今の地震や豪雨といった話は、本当に日本で起きているのか、と絶句すること数知れず、唖然とすることも多かった。
自分自身や家族がそういった被害は受けたはいないものの、2019年秋口の武蔵小杉での仕事へ向かう際は本当にこれが現実なのかと疑ったこともあった。その時の写真がたまたま残っていたからここにも載せておこうと思う。
あの時はすでに名古屋帰郷が決まっていて、失意の中の勤務だったのを覚えているが、横浜の自宅の川は幸運なことに溢れることはなかった。しかし自分のスマホの中に入れていた防災アプリは一晩中なりっぱなし、朝にはニュースアプリも今まで見たことがない東京圏の写真に少し驚いた。
確かあの時は武蔵小杉駅の改札が水没で使用不能となり、また駅周辺の泥だらけとマンション地下の水没で電気系統全滅など凄惨な被害だったことを記憶している。
その時たまたま物件に用事があって武蔵小杉に向かったのだが、いかんせんコインパーキングが全滅していた。そう、地面に設置してある機械類が浸水被害に加えて泥のおまけがついて動かなかったのだ。車を止める箇所が限られていたことと、荷物が重かったこともあり、駐車場は争奪戦の様相を呈していたのを覚えている。本当に他車のドライバーの顔は死に物狂いだった。
ひょっとして僕らは今の時代、夢にうつつを抜かすマリオネットなのだろうか。
夢の跡。夢の後とも書いても違和感はない。
現実は後にやってくるものと心したい。
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