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新人SES(エンジニア側)心得:心得1

まず「SES」とはシステムエンジニアリングサービスのことでエンジニアを派遣することを指します。「IT企業に入った!」と思っている異業種から転職された方はまず自分の企業がSES企業かどうかを確認することをおすすめします。(本来事前調査する話ではありますが)
では、内容に入ります。

なんでこの魔境に入ってしまったか分からないがSESとして名古屋で8年やってきた自分が、新人が例外なくメンタルがヘラっているのを見てSES企業にエンジニアとして異業種から未経験で入ってきた人に向けて心得を書きたいと思います。
この記事の目的は新人SESエンジニアのメンタルを回復することです。
よろしくお願いします。
なおこの記事は投げ銭性を採用しており有料ですが最後まで読めます。「メンタルが救われた」や良いと思ったら購入してくださると今後の執筆の動機となりますのでよろしくお願いします。

自己紹介

自分はSES企業は2社経験しておりどちらもSES企業がシステム部を持っておりそこに属しているエンジニアです。いわゆる「社内SE」というとまた意味が異なると思います。いわゆる社内SEは自社開発システムの開発メンテナンスを行うイメージですが、私は営業部から常駐派遣されるまたは社内で請負案件を行うタイプのエンジニアです。
SES営業側から表現すると「良質な(※)弾」です。
(※SES営業は基本はパートナー企業のエンジニアをどこかに飛ばして差益をとる俗に言う転売ヤーの業態ですので買う客側から見たら「自社のエンジニア」というブランドは比較的安心できると言う意味です)

SESは準委任契約である

SES企業が案件を行うときのやり方は「準委任契約」と「請負契約」に分かれると思います。準委任契約とは現場に飛ばされる感じです。これが一番多いと思います。契約は時間いくらという感じです。
また請負契約とは納品物を作ることに責任が伴います。納品物いくらという感じです。なので1人月掛かりますと言って1人で1日で作って残り19日ソリティアをやっていても最悪良い訳です。
ただしその場合見積もりがおかしいんじゃないの?と不信感を持たれるなど別のリスクがあると思いますが。

本題に入りますが両者の契約の中で新人エンジニアのメンタルケアに役立つ違いは「完成責任があるかどうか」ということです。完成責任とは読んで字の如く納品物を完成させる義務があるかどうかということですが準委任契約では時間にお金が掛かっているため法律上では完成責任はないということです。
しかし、現実そううまくはありません。(このことに限らず、この世界は理想と現実の塩梅をとってある程度を逸脱するとこれはおかしいよねという判断基準で回っていると思います)
実際は、「善完義務を怠らない範疇で完成責任がない」ということらしいです。善完義務とは「プロとしての仕事」という意味です。だから準委任契約を締結したからといって毎日鼻ほじりながら客先のPCでマインスイーパをやり続けていたらこれはSES側が悪いよね。という話になります。そのエンジニアはプロとしての実力を発揮していない訳ですから。
しかし、(善完義務があるとは言え)準委任契約で飛ばされたエンジニアは請負契約のように完成責任があるわけではないので死ぬ気で納品物を作成する必要はない」ということです。

新人エンジニアの傾向

新人エンジニアが陥りがちな勘違いで「自分がどうにかしなければ」というバイトリーダー思考になる人が多いです。これは客先からも自社からもそういう圧があるためです。それで洗脳されがちです。
そもそもの勘違いとしてプロジェクトは複数人で構築されることが多く役割分担しており「ノーキガーノーキガー」という人間はプロジェクトリーダー(以降PL)だけのはずです。プログラマは手足なので。
(基本情報処理技術者試験を勉強していればわかりますが)PLの仕事はプロジェクトマネジメントです。そのためにプロジェクトマネジメント手法が色々あります。
基本情報で紹介されているものでいくとファンクションポイント法であったり、アーンドバリューマネジメントがあります。また残業するというのはクラッシングというプロジェクトマネジメント手法に当たります。
だから例えばプロジェクトメンバが空気を読んで勝手に残業するということは厳密に言うとプロジェクトメンバーが勝手にプロジェクトマネジメントを行っていることになり、本来毎日定時で帰るべきなのです(勝手に残業すると残業代がかかることもありコストマネジメント的にも悪影響を及ぼしかねませんし)

だから新人エンジニアが取るスタンスとしては進捗報告で、
「今日はここまで出来ました。このまま行くと納期に間に合わなさそうですね(笑)。ではお疲れ様です」と言って帰るサイコパスムーブが本来的なあり方となります。
ここがこの業界が腐っているところで、日本人でそんなことを言える人はそうそうおらず周りが残業してるから空気を読んで自分も残業しちゃうという傾向を利用したビジネスモデルとなっております。(クソ)
というか、あくまでリーダーは納品物を完成させたいと思っていますのでそもそも完成責任がないという契約は無理があるようにも考えられます。
(ちなみに進捗報告を行うことはマストです。進捗報告をしないと何か起こったときエンジニア側が悪いよね。となりかねないからです。)

「私はマジで未経験で何の役にも立っていない」という方

ここで心配される方がいると思います。「私はそんなに実力がないからマジで貢献できていない」と言う人です。こう言う人も正直自分から言わせてみれば「営業が悪い」と思います(※あくまで営業が後述で説明するパターンです。営業の方もむやみに怒らないでくださいね)。
なぜかというと実力に見合っていないところに強引に押し込んでいるからです。(会社予算を使い社内教育を経てから現場に送り込む方法もあったはずです)そもそもなぜ営業がそう言う売り方をするのかというと、ここもこの業界の腐っているところですがSESは時間売りですから採用を決めてしまえば当面の売上が立つからです。
営業側からのリスクを考えると「ガチな新人を炎上プロジェクトに押し込んだあまり客から文句を言われる」と言うリスクがありますが、ここには新人の現場での頑張り分が数値化されていません。実際のところ営業はかなり無理な現場に新人を放り投げていると私の経験ではそう感じます。(「できる人と一緒に飛ばす」というセット販売を体にして(会社側は対策手法を取ってはいますがそれの有効性に関して再考されませんし、そもそも新人エンジニアのメンタル面までケアされません(「セット販売」、「抱き合わせ販売」は新人を派遣するときの常套手段で免罪符としても使われていると言うことです)))

ビジネスモデルを考えると
・会社は会社で新人教育の一環で現場に送り込むという体をとっている
・新人は新人で「別業界から来ており成長もさせていただいているのだから頑張らなくては」と思っている
・営業は「新人が現場でやらかすリスク」と「送り込む人間の新人具合」を天秤にかけている
となりますが、実際ここで現場負担が大きいのではないかと私は考えています。
まとめると全員持ちつ持たれつなのでそんな気を負う話ではないと言うことです。メンタル崩壊すると一生治りませんからね。

内容は以上です。ありがとうございました。

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