
シネマ・イン・ブルー
今日も街はスクリーンの中
君と並んで見つめるシーン
キャメラ越しに映る影は
少しだけフィクションみたいだね
駅前の風景、誰も気づかない
ネオンが滲む、まるでタイトルロール
「次の場面はどこだろう?」なんて
君の声に答えはない
シネマ・イン・ブルー
終わらないモンタージュの中
僕らはただ彷徨うエキストラ
音楽に身を預けて
カフェの窓際、流れる時間
読みかけの本に挟むしおり
君が指で描いたラインが
地図になる気がしていたんだ
スピーカーからボサノバの風
サテンの夜がふたりを包む
「エンドロールはいらないさ」って
笑った君が眩しかった
シネマ・イン・ブルー
終わらないラブストーリーの中
答えも筋書きもなくたって
この瞬間があるから
プロジェクターの光みたいに
君の言葉が夜を裂いて
誰も見たことのない世界を
ふたりだけで映し出す
スクリーンの外に出た僕ら
フィクションも現実も越えて
青いフィルムに焼き付けた
君と僕の記憶のライン
シネマ・イン・ブルー
永遠に続くダイアログ
夜明けが来ても終わらない
ふたりだけの物語
CO₂production 千葉音羽