
ピンクのサイクリングロード
曇り空のパークウェイを抜けて
ぼくらは午後をリピートしてる
ミントグリーンのカフェの片隅
ラテの泡に沈むメロディ
「どこへ行こう?」なんて
誰も決めないルールの中
ミラー越しに映るパレードは
昨日の続きのフラッシュバック
ピンクのサイクリングロード
風とポップソングにまかせて
ハートビートをスローモーションで
夜の手前まで漕いでいこう
レコードショップの奥の方で
誰かの知らない名盤を発見
ジャケットの青に染まる指先
きっとそれもストーリーの一部
「雨が降るかもね」って
君がぼんやり呟いた
でも僕らには傘なんていらない
ドロップスみたいな空の下
ピンクのサイクリングロード
ネオンの影を追い越して
フィルムカメラのフレームの中
ぼくらだけのスチルを焼き付けて
信号が刃になる前に
未来のことは忘れよう
ぼくは笑う、その瞬間だけ
永遠になればいいから
夜明け前のトワイライト・シーン
サドルの上、風が踊る
「また明日も同じ時間に」
約束じゃない、ただの合図
ピンクのサイクリングロード
終わらないストリングスのように
この夜が夢に変わる前に
ぼくらでどこまででも行けるさ
CO₂production 小野寺千尋