おしえないお菓子教室|はじめましてnote
はじめまして
おしえないお菓子教室
主宰の児島沙彩です。
突然ですが、
"おしえない"お菓子教室と聞いた時、
どんな印象持たれますか?
ちょっと変わった名前の教室だな。
何を教えないの?
お菓子はどうやって作るの?
「教えない」と聞くと、
それで何が学べるんだ?と懸念を抱くかもしれません。
それもそのはず、
私たちの住む日本では、真逆の価値観や教育方針であるため、
体験したことのない人にとって不安要素があるかと思います。
私も数年前まで、
教育とは「教わる」ことでしか得られないと思っていました。
のちに、デンマークで教えないスタイルの教育に触れるまでは。。。
『おしえない』との出会い
パティスリーに勤めて4年経った頃、
身も心もぼろぼろになっていました。
自分で選んだ道だからと、驚くほどに理不尽なことにも我慢出来てしまう自分。
幼い頃、夢見ていたパティシエの世界は、
ケーキのように甘い世界ではありませんでした。
次第に、目に映る景色がモノクロに、、、
このままではまずい
本能でそう感じるようになりました。
そんな矢先、
たまたま入ったLUSHというお店で一枚の風呂敷に目を惹かれました。
作品は彼らの内面にある世界が溢れだしたもの。
鮮やかな色彩に、一眼で心を奪われました。
作品が作られたアトリエを調べると、ダウン症の人たちによって作られたものだと分かりました。
彼の作品に心底救われた私は、
お礼を伝えたくて三重のアトリエにもおじゃましたほど熱烈なファンになりました。
この世界をもっと知りたい…!
そう思うようになり、
パティシエを辞める決心をしました。
そして、デンマークの
Egmont Højskolenという学校に留学を決め、
言葉も分からぬ土地に、勢いで飛び込みました。
この学校では、教えられる事はほとんどありません。
まずは自分で考える。
そして答え合わせをしない。
なので、自分が作り上げたものが正解なのか、
不正解なのか判断材料がありません。
教えてもらうことに慣れていた私にとって、
その教育スタイルにかなり戸惑いました。
なんで教えてくれないの?
教えてもらった方が効率いいじゃん
なんで?Why?…
理解に苦しみつつ、同時に、
自分は教えてもらわないと自発的に何かを生み出すことが苦手
だということに気づきました。
このままでいいのか?わたしは、、、
自分なりの答えが見つからぬまま、
コロナ禍の真っ只中に日本へ帰国しました。
 ̄
帰国してからも、考え続けました。
そもそも世界で最も幸福度の高いデンマーク人の幸せの秘訣はなんだろう?
ここ数年、世界幸福度ランキングの
上位全て、北欧がランクインしています。
その理由をネットで調べてみると
・社会保障の充実
・貧困格差が少ない
・個人の自由度や政府に対する信頼度が高い
などが主な理由でした。
どこを切り取っても
北欧の情報は良いことばかり書いてある。
自分の目で確かめたくなり、
(なぜか1位のフィンランドを差し置いて)
直感でデンマークを選びました。
実際にデンマーク人と生活してみた。
通っていた学校では
ほぼ毎朝、朝の会が行われる。
300人のデンマーク人が集まる中、
その半数の人が、朝の会の最中に編み物をしていた。
隠すそぶりもなく堂々と。
いかつい顔したあの人も
可愛らしい帽子を編んでいた。
何かをしながら話を聞くと、
ちゃんと話を聞きなさい!と怒られる
日本の常識がチラつくが、
デンマークでは日常のようでした。
とある日、サウナを作る授業が行われた。
大きな丸太とシートを配られ、
「1つのサウナに、6人入れるサウナを作ろう。
みんなで話し合って作ってね」
みたいなことを先生が言った。
(実際のところデンマーク語なので何を言っているのか、ちんぷんかんぷんだった。笑)
気づけば6人組が10グループ集まって、
10通りのサウナが完成していました。
もちろん作り方を教えてもらっていないので、
10室全て、見た目も内装も違う。
正解がないから自分達で考えるしかない
話し合って、作り進めていく。
ただ、
どんな結果になっても否定されることはない。
結果よりも、プロセスを大切にしているような教育スタイルでした。
デンマークの人達は、
自分で考えて生み出すことへ躊躇いがないのかな?
デンマーク人全員がそうとは限りませんが、
少なくとも私が出逢った人々は
そんな風に見えたのです。
 ̄ ̄
おしえない
↓
自分で考える力が養われる
↓
自分のことを理解出来る
↓
自分にとっての幸せの基準を持てる
….
あぁ、そうか!
だからおしえないのか!!!
この人たちは
自分で幸せを決めている
それでいい、それがいいんだ
ぽろっ
目から鱗が落ちる音がした。
そうして
目からこぼれ落ちた鱗を拾い集めて
始めたのがおしえないお菓子教室でした。
おしえないお菓子教室
(主にInstagramで発信しています。)
対象年齢は0歳から100歳まで
障害の有無も国籍も不問
生きとし生けるもの
すべての人と学び合える仲間でいたい。
教わるだけが学びではないのだから。
そんな思いで教室を始めました。
教室を始めて2年経った今、
教えない教室に対する想いはどんどん膨らみ
大きな可能性を感じています。
(自分で言うのもアレですが)
こんな教室が世界中にあって、
誰でも体験できたらいいなとさえ思っています。
その夢や想いを、尊敬する友人に話した時、
「心に留めているだけでは何も伝わらないよ。伝えなきゃ」と、背中を押してくれました。
ここはどんな教室なんだ?と疑問に思う方へ
そして既に想いを受けとり、出逢ってくださった みなさまへ
より深く想いを伝えたいと思い
noteを始めます!
気づけば初回から勢い余って、2400字も書いてしまいました。笑
ここまで読んでくださり
本当にありがとうございます!
これからもどうぞよろしくお願いします。
児島沙彩
最後に、さら〜っと自己紹介をさせていただきます。
児島 沙彩(こじまさあや)
高校生の頃、製菓衛生師の国家資格を取得。
パティスリーに4年勤務。
障がいを持つ作家の作品との出会いから、障害者福祉に転職。障がい者と健常者を分けない統合教育に興味を持ち、デンマークのEgmont Højskolenに留学。現在は、おしえないお菓子教室と、『Lille Lys』という屋号でキャンドルの制作を行なっています。