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GEMSCOMPANYとわたし①―前史―
2024年11月27日、その報せは突然届いた。
わたしが長年応援していたアイドルグループ、GEMSCOMPANYが2024年12月7日のオンラインライブをもって「現体制での活動に区切りを付ける」とのことだった。
ライブが終わって数日が経ったが、まだあまり実感は湧かない。ただ、毎日のようにあったメンバー達のXのポストやYouTubeの配信がぱったりと途絶えたことが、わたしの胸裏に一抹の淋しさを感じずにはいられずにいる。彼女たちが目の前からいなくなって初めて、わたしの人生にとってとても貴重で大切な存在であったことを実感している。
これまであまり、GEMSCOMPANYを知ったいきさつについて語ったことはなかったが、わたしも「区切り」として、つたない文章ではあるが、GEMSCOMPANYの記憶について書き残すことにした。あくまで完全にわたしの回顧録的なものであり、筆の赴くままに記しているので、もしかすると独りよがりだったり、事実誤認等があったりすることをご理解の上、お読みいただきたい。
わたしがGEMSCOMPANYと出会うに至った経緯を話す前に、そのきっかけとなったNieRというゲームとの出会いについて語る必要がある。
2010年4月、PlayStation3ソフトとして「NieR Replicant」というゲームが発売された。発売元はかのスクウェアエニックスである。
わたしは若い頃からゲームが好きで、RPGはとりわけ好きだった。このゲームについてどこで知ったのか、昔のことすぎてあまり覚えていないが、恐らくゲーム情報誌でその絵柄等を見て興味を持ったのではないか。
実際にゲームをプレイしてみて、まず惹かれたのが独特の世界観と音楽だった。とりわけその楽曲はどれも素晴らしく、ゲームのサントラCDを購入して、プレイ後もかなりの間聞いていたのを覚えている。
その後、時は流れ、そのゲームの記憶が無くなりかけていた2017年2月、その続編である「NieR:Automata」が発売された。
その発売の前年、2016年9月の東京ゲームショーでのこと、スペシャルステージで行われたニーアイベントをYou Tubeで視聴していた。覚えている方もいるかもしれないが、例のヨコオタロウさんの被っていたエミールヘッドが、マネキンごと倒れて破損した事件のあった放送である。
その放送でスクウェアエニックスの齊藤陽介プロデューサーを初めて見て、その司会進行ぶりやゲームの宣伝の仕方等が印象に残り、またヨコオさんやプラチナゲームズの田浦さん等、個性的な制作陣の方々に興味を持ち、それ以降、ニーアの配信は欠かさず見るようになった。(ちなみに蛇足ではあるが、齊藤Pが手がけていたドラクエXも初期(2.0あたり)の頃少しプレイしていたことがある)
もちろんゲームも購入し、クリアもしたが、やはり印象に強く残ったのはそのストーリーと音楽だった。とりわけ世界観にマッチした音楽はすばらしく、しばらくの間サントラや、ピアノやオーケストラのアレンジバージョンも毎日のように繰り返し聞いた。そしてその作曲者はレプリカントと同じく、MONACAの岡部啓一さんだった。
発売から1年が過ぎても、わたしは変わらずニーアの配信や音楽を繰り返し聴いて楽しんでいたが、あの日、ひょんなことからGEMSCOMPANYのことを知ることとなった。
2018年8月18日、18:00から「NieR Orchestral Arrangement Album」の完成記念配信があり、わたしもニコ生で視聴していた。
すると、その放送中、齊藤さんと岡部さんが、別の番組があるからと言って、ヨコオさんを残して退場していった。わたしはそれが何か分からなかったが、その日の20:00から配信された「齊藤Pのゲームではないナニカをお披露目する放送。」を視聴することにした。その番組で発表されたのがスクウェアエニックスプロデュースの11人組アイドルグループ「GEMSCOMPANY」であった。(続く)