西粟倉村は、常に誰か動いている。
村に住みながら研修していた時のお話を書いていますが、今回は、企業以外で経験したイベントをいくつか。
西粟倉村では、役場兼図書館で村民の方を講師として招く企画をしていたり、読み聞かせや森を歩くなど、とにかく、村のどこかで必ず何かイベントがあるといっても過言ではないと思うくらい、日常的に企画が行われている気がします。
図書館にあるやってみん掲示板、という掲示板では、
「これやりたいです、仲間募集してます!」
「これ欲しいんですけど、いらない人譲ってください!」といった呼びかけ等が共有してあります。村にきたインターン生が、「ヒアリングしたいので連絡ください。」なんて書き込むことも。
Nest
一般社団法人Nestという団体があります。学校の公教育ではなかなかできない社会教育・体験を通して、やりたいことをやってみる、学ぶ、ということをしてらっしゃいます。
この村では他にも動物介在教育という活動(Social Animal Bond)や、モンテッソーリ教育をされている方もいらっしゃいます。
隣の智頭町では、サドベリーというフリースクールや森のようちえんがあるなど、教育の選択肢がわりと豊富なように思います。ご兄弟がそれぞれ違う場所に通われている、というご家族もしばしば伺います。
さて、Nestさんに話は戻りますが、学校の公教育ではなかなかできない社会教育・体験を通して、やりたいことをやる、学ぶ。公教育と対立する形ではなく、学校内でも授業をされることがあったりします。
私が村に来て3日目にサポートで入った、「子どもたちが、竹を取るところから釣りざおを作って釣りをする」というNestさん主催企画。
また、カフェをやってみたい!という希望から恒例化している「やってみんカフェ」。企画から実行まで子供たちがやっていて(大人も見守る中ではありますが)、イベント当日や企画段階にもお邪魔しました。
予算というものが設けられているようで、その予算の中でまず子供たちはやりたいことの企画書を書きます。(誰と、何をやるか。どんなものが必要なのか、など書き出します。)
価格はいくらか、いくつ必要か、作り方などを調べ、友達と一緒にやる場合は、予算を合算で考えてOK。
しかし、お金が足りないなぁ…となる場合は、どんなことがやりたくて、何が必要で、調べたらこれだけ足りないので、もう少し予算を増やしてください、と大人に談判しに行きます。
恒例化している企画だけあって、次に生かすことも考えられていました。どんな部分がどんな風に進化していくのか、楽しみになりますね。
そういえば、私がやってみんカフェの存在を知ったのは、図書館である少女に突然聞かれたからです。
「お姉さん、何円だったらコーヒー買いますか?」と。
私の答えがお値段に反映されたのかはわかりません(笑)。
地区のイベントたち
西粟倉村、と一口に言っても、地区によってもその個性は様々です。特に地区のお祭りやイベントには、色があります。
私の住んでいた地区では、獅子舞が継承されていて、お祭りで披露されていました。お祭りの時期には出会っていなかったのに、後から知り合った方が獅子舞の中の方だった、と発覚したりしました。獅子舞は、中腰で舞い続けるため、とてもハードだそうです。
獅子舞は男性が代々やられるようですが、浦安の舞、という慣習は10代前後の女の子が継承するようで、お化粧をし正装で舞う姿は、とても緊張して見えましたが素敵でした。
他地区の、お正月飾り、しめ縄を作るイベントにも参加したのですが、おじいちゃんおばあちゃんたちの手さばきがはやすぎて、私の写真はぶれぶれでした…(笑)
手のひらで二本の藁束をそれぞれよりながら、その二本をねじりより縄にして、その後さらに装飾をしていきます。何度も見本を見せていただいたのですが、気が付いたら縄になっている、という状況でした…。
ごはん会
色んな人たちと色んな話をしながら、たくさんご飯を食べました。話す人のお仕事や年代、考えていることは様々で、興味深く面白い話をたくさん聞けましたし、また、私の話にも耳を傾けてくださいました。
それぞれのご出身の得意料理があったり、畑でとれたものを調理して持ってきてくださったり。誰かと、ゆっくり美味しいご飯を食べるって、豊かだなぁと心から素直に思います。
自分で決断したとはいえ、知らない土地に急に三ヶ月住み、研修させていただく不安は大きかったです。単純に「働いてみること」の大変さも痛感しました。
三ヶ月いたから分かったこと、出来たこと、繋がれたご縁があったのだと、今更ながらに感じます。
村で仲良くなり、村の外で会うことも、最近ではしばしば。村外でのイベントを知らせていただけたり、京都行くから会おう!とお声がけいただいたり。本当に嬉しいです。これからも、ご縁は切らさずに。