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FP1級実技試験2024年6月8日 面接体験記(PartⅠ)

■前段

後半はPartⅠです。
PartⅡが難問扱いなのかそうでないのかわからなかったので、今回が難問であることも覚悟のうえで、設例に臨みました。

自分の番になって、設例を渡されると、明らかに見覚えのある問題でした。
※この時はいつのまでかはわかりませんでしたが、2023年9月24日そっくりの問題でした
確かな自信を持って、面接に臨みます。

■面接

面接官は、PartⅡとは打って変わって、優しそうなおじいさんでした。
PartⅡが圧迫気味、Ⅰが優しい面接だったようです。
以下、私(はんなり)=「は」、面接官=「面」で記載します。
※記憶に基づくため、内容は必ずしも正確ではありません
※文中に記載の回答が正解とは限りませんので、ご了承ください

面)それでは、設例の顧客の相談内容および問題点として、考えられることをできるだけ多く教えてください。

は)相談内容が2点、問題点が4点考えられます。
まず相談内容として、
1点目が、X社株式の承継について。
2点目が、二男Dさんへの資産承継についてです。
問題点として、
1点目が、相続税額の引下。
2点目が、納税資金の確保。
3点目が、円滑な遺産分割に向けた対応。
4点目が、妻Bさんの二次相続の準備です。

面)はい、ありがとうございます。
それでは、まずX社株式の承継については、どのような対策が考えられますか?

は)選択肢としては、事業承継税制の活用や金庫株が考えられます。

面)事業承継税制は、相続の場合でも使えますか?

は)はい、使えます。

面)必要な手続きについて教えてください。

は)特例の場合、2026年12月31日までに、特例承継計画の提出が必要となります。

面)最終の期限は合っているのですが、今回はもう相続が発生していますよね。この場合は提出期限がいつまででしょうか?

は)すみません、すぐに出てこず。。。
※事業承継税制は散々勉強しましたが、相続の場合の特例承継計画期限は漏らしていたかもしれません。。。

面)相続税の申告期限より前と後、どちらだと思いますか?

は)前だと思います。。。

面)ですよね。でないと申告できないですしね。申告期限はいつまでですか?

は)知った日の翌月から、3年10ヵ月。。。

面)そんなには待ってくれないよね(笑)

は)失礼いたしました。10ヵ月です。

面)ですね。特例承継計画はこの場合、8ヵ月以内の提出となります。

は)ありがとうございます。

面)おっしゃっていただいた、金庫株の活用も考えられますかね。
金庫株の場合、個人の課税関係はどうなりますか。

は)資本金等の額を超える部分はみなし配当として、最大55%の税率となります。申告期限の翌日以後3年以内に売却すれば、譲渡所得として20.315%となります。

面)ん、なので今回は20.315%ということですよね?

は)はい、そうです。

面)わかりました。相続税額の引き下げは、どのような対応が考えられますか。

は)まず、相続税の配偶者控除の利用が考えられます。

面)いくらまで控除できますか?

は)1億6千万円、または法定相続分までです。

面)法定相続分はいくらですか?

は)2分の1です。

面)なので、1億6千万より多いですよね?

は)そうですね。3億3,500万までが、対象となります。

面)はい、そうですね。他には考えられますか?

は)自社株評価額を下げれば、相続税の引き下げになると思います。
※ミスです

面)相続発生前は有効ですが、今回はもう相続発生していますよね。

は)失礼しました。他には、小規模宅地の評価減が考えられます。

面)そうですね。適用のためにはどのように相続しますか?

は)X社に賃貸する1階部分は、役員であるBさんもしくはCさんが相続すれば、特定同族会社事業用宅地等として適用されます。
Cさん家族が居住する2階部分は、区分所有登記がされているため、適用できません。
Bさんが居住する3階部分は、Bさんが相続すれば特定居住用宅地等として適用されます。

面)1階と3階は、面積全体に適用できますか?

は)はい。1階は限度面積400㎡に対し250㎡、3階は限度面積330㎡に対し125㎡ですので、適用可能です。

面)うん、記載されているその面積は土地ではなく建物の面積ですけどね。でも、おっしゃるとおり適用は可能そうですね。

は)あ、失礼いたしました。

面)減額割合を教えてください。

は)いずれも80%です。

面)はい、ありがとうございます。
それでは、次に、遺産分割についてお伺いしますね。
二男Dさんの要望に対応するには、どうしたらよいでしょう?

は)Dさんは経営権も不動産も望まないとおっしゃっているので、やはり端的には現金がご要望かと思います。
まずは相続財産のうち現金を多めに相続することが考えられます。
また、妻Bさんの二次相続時にはDさんに多めに相続するなど。。。

面)うん?今はAさんの相続についてですよね?

は)失礼いたしました。
※Bさんも70歳近いので、二次相続にも考えを向けて包括的に考える、というようなことが言いたかった

面)Dさんの法定相続分は何分の1でしょうか?

は)4分の1です。

面)ということは、現金は4分の1もないから、足りないですよね?

は)そうですね。

面)どうしましょうか?

は)先ほど話に出た金庫株を活用し、Bさんの株を現金化のうえで代償分割することが考えられます。

面)そうですね!その方法が良さそうですね。
※恐らく代償分割がキーワードでした

面)それでは最後に、FPと職業倫理について教えてください。

は)顧客利益の優先、コンプライアンスの遵守、顧客への説明義務、インフォームドコンセント、守秘義務の遵守、自身の能力の啓発です。

面)貴方が一番重視するのは何ですか?

は)この場合は、インフォームドコンセントです。

面)その理由は?

は)今回は事業承継・資産承継において複数の制度の選択肢があり、一つ一つのメリット・デメリットをご理解いただいたうえで、ご提案を進めていく必要があると考えるためです。

面)ありがとうございました。

■感想

PartⅠは非常にオーソドックスで、面接官の方も優しくやりやすかったです。
それでも緊張から一部回答をミスしてしまいましたが、概ねしっかり話せていたのではないかと思います。

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