FP1級実技試験2024年6月8日 面接体験記(PartⅡ)
■前段
私はPartⅡからの受験でした。
順番はPartⅡ組の中で3番目。
トップバッターにならず、少し落ち着いて受けることができました。
2024年6月8日PartⅡの設例は、(少なくとも過去3年分ぐらいでは)初めての論点もありました。
しかし、全体としてあまり突飛な質問事項はない印象で、そこまで難題ではないのかな?という印象でした。
■面接
面接官は40前半ぐらいの男性。圧迫とまではいきませんが、やや淡泊・冷たい印象でした。
以下、私(はんなり)=「は」、面接官=「面」で記載します。
※記憶に基づくため、内容は必ずしも正確ではありません
※文中に記載の回答が正解とは限りませんので、ご了承ください
面)早速ですが、Aさんから直接聞いて確認する内容と、ご自身で調べて回答する内容を端的に教えてください。
は)はい。直接聞いて確認する内容が5点、調べる内容が4点あります。
直接聞いて確認する内容について、
1点目は、甲土地・建物の取得費・取得日がわかる資料があるかです。
2点目は、乙ー1土地の賃貸借契約内容が、実際にどのようになっているかです。
面)契約内容は問題に記載されていますが、実際にAさんから契約書などを見せてもらって、確認するということですね。
は)はい、そうです。
面)わかりました。続けてください。
は)3点目は、乙-1土地は元々購入も検討されていたとのことで、今後どのように活用していきたいのか。
4点目は、Aさんのご家族構成とご家族の意向。
5点目は、Aさんの他の資産や収入について。
調べる内容については、
1点目は現地確認として、実際に現地に赴き、土地・建物の状況や交通など、物理的状況を確認します。
2点目は権利確認として、法務局で登記事項証明書や公図を取得し、問題に記載されている事項以外にも権利関係の問題等がないか、Aさんご自身がご存じない情報があるかもしれないので、必ず確認します。
3点目は自治体の都市計画課で用土地域・都市計画等を確認し、今後の開発計画や周辺の環境変化を把握します。
4点目は市場調査として、地代相場等を確認します。
※最初は詳しく話していますが、「直接聞いて確認する5点」に比べて長くなり過ぎた気がしてきて、4点目に近づくほど回答が端的になっています。
面)はい、わかりました。
Aさんの資産なども確認すると仰っていましたが、それを聞いてどうしますか?
は)将来の相続の方針や想いなどがあるか、確認いたします。
面)この方結構資産がありそうですので、その辺りの確認は必要ですね。わかりました。
今回、土地の相続税評価額について言及されていますが、相続税評価額は確認しなくて大丈夫ですか?
は)仰る通り、相手方の税理士さんが算定されているということでしたので、こちらでも正式に確認が必要です。
面)そうですよね。
では二つ目の問題ですが、乙-1土地と乙-2土地の賃料単価が違う理由はなんだと思いますか?
は)乙-1土地の路線価は14.5万円で、乙-2土地は20万円となるため、差異が生じているのだと思います。
面)路線価が違うので、賃料は当然違ってくるということですね。
固定資産税の面から、言えることはありませんか?
は)固定資産税、ですか…
面)この2つの土地の固定資産税評価額の単価って同じですか?
は)違う……?
面)違うんですよね、理由は?
は)えと…(ち⚫︎かわ化)
面)乙-1は住宅用地で、乙-2は店舗ですよね?
は)あ、住宅用地は固定資産税評価額が下がりま…す?
面)下がりますね。なので、その面からも土地の評価額が低いので、賃料も低くなると考えられますね。
は)ありがとうございます。
面)では、次にいきます。乙-1を相続税評価額の2倍なら売っても良いと言う発言に対し、どう考えますか?
は)仮に公示価格ベースでも、相続税評価額の1.25倍ですので、割高であると考えます。
面)FPの立場としてお客さんにおすすめできないと?
は)はい。
面)乙-1土地って、細長いですよね?
は)はい。
面)こういう土地って、相続税評価額下がりませんか?
は)そう。。。ですね。
面)補正がかかりますよね。なので、相続税評価額の2倍と言っても、そこまで大きな負担ではないかもしれませんね。
※この辺り、他にも何か言われたかもしれませんが、忘れてしまいました。「2倍だから高額、とは限らない」という論旨であってのは確かです
面)では、次にいきます。Cさんの発言ですが、契約の効力って無効になってますかね?
は)いえ、相続後も継続して賃料を受け取っている中で、急遽契約の効力が無効という主張は、難しいのではないかと思います。
面)Cさんって前の地主の息子ですよね?
は)そうですね。
面)問題の土地は相続で取得してるわけですよね?相続の時に土地の賃貸借契約の貸主の地位も引き継いでいるわけなので、当然契約は有効ですね。
は)そうですね。
面)それでは最後に、本事案に関係する専門職業化を教えてください。
は)相続税評価額の計算や、税務の計算は税理士、不動産の売買に発展した場合は宅地建物取引士、土地の測量は土地家屋調査士、測量結果に基づく不動産価格の算定は不動産鑑定士、不動産の権利に関する登記は司法書士、加えて、本事案でもしトラブルが解決しない場合は、弁護士が関係します。
面)もし具体的な税額計算などを求められたらどうしますか?
は)税理士の独占業務に抵触するので、丁寧にお断りします。
面)それは何によって定められていますか?
は)税理士法です。
面)はい。以上です。ありがとうございました。
■感想
終わってみると、かなりの部分を誘導してもらいました。
所謂「持ち帰り」を使わずに済んだ点は、自分的には満足でした。
巷での噂で、「PartⅠ・Ⅱのうちどちらかは難問・どちらかは圧迫気味」という覚悟で臨んでいましたが、これが圧迫気味なのか、難問なのかもイマイチ良くわからなかったです。
ともあれ、ある程度の手ごたえは持って、PartⅠに臨むこととなりました。