感覚過敏の原因と改善方法(動画付き)
<投稿:2024/5/26>
<改訂:2024/6/25>
<この記事は「3つの暮らし調整」の「環境調整」です。>
【参考】発達支援コーチ©〔認定:一般社団法人ここからだ(証第1-00759号)〕
発達障害の人が持っていることが多い「感覚過敏」。
その生きづらさは大変なものです。
この感覚過敏について、
概要と原因をお伝えし、
改善方法をご説明します。
「わが子の感覚過敏は我慢させるしかない」と勘違いしているママさんへ。
お子さんが生きやすくなるよう、この記事をお役立て頂ければうれしいです。
【感覚過敏の困りごと】
◎聴覚過敏
「うるさい」と感じる音が苦手
→頭が痛くなる、いつもイライラや不安が強い、集中できない
◎視覚過敏
眩しさが苦手
→頭や眼が痛くなる、いつもイライラや不安が強い、集中できない
◎触覚過敏
衣服やマスクなどの肌感触が苦手
→着られる衣服の種類が少ない。タグを切ったり、下着を裏返しに来て縫い目を避けねばならない。
◎嗅覚過敏
「臭い」と感じる臭いが苦手
※電車の乗客が発する化学物質(後述)の臭気を含む
→電車やバスなど公共交通機関を利用できない
◎味覚過敏
許容できる味が少ない
→偏食傾向が強く、食べられる物が少ない。
◎気象過敏
雨が降るなど低気圧になると三半規管が影響を受けて前庭覚(平衡感覚)などに変調が起こる。
→これらの影響からイライラ、頭痛、圧迫感、不安、易疲労などが起こる。
◎化学物質過敏
シャンプー、せっけん、洗剤、柔軟剤、消臭剤、整髪料、香水、不織布マスク、消毒用アルコール、食品添加物、野菜の農薬などが鼻や口、皮膚などから体内に入る。
→これらの影響からイライラ、頭痛、圧迫感、不安などを感じ、
・他の感覚過敏を誘発する
・職場や学校に居られない
・自宅などプライベートでも辛い
・周りの人が気になってイライラ、ビクビク
※HSP(後述)と勘違いされやすい。
◎電磁波過敏
Wi-Fiルーターや大型モーター(電車やバス、電気自動車など)
→これらの影響からイライラ、頭痛、圧迫感、不安などを感じ、
・他の感覚過敏を誘発する
・職場や学校に居られない
・自宅などプライベートでも辛い
・周りの人が気になってイライラ、ビクビク
※HSP(後述)と勘違いされやすい。
◎HSP
(Highly Sensitive Person)
病気や障害の名前ではなく、心理学者エレイン・アーロン博士(米)が提唱した心理学的概念。「神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人」の総称。
→いわゆる「神経質」や「気にし過ぎ」が、どこに行っても健康を保てず、うつ病などの精神障害を発症するレベルにまで過酷であるケース。
【そもそも感覚過敏とは】
・精神疾患の診断基準『DSM』(アメリカ発)において、「発達障害」に分類されている自閉症スペクトラム障害者が持つ特性のひとつとして挙げられている感覚異常(≠悪い)のこと。
・発達障害者(自閉症スペクトラム以外も含めて)のかなりに、感覚過敏を併発しているケースが多い。
・「眼が良い(利く)」、「耳がいい」、「鼻が利く」、「気が利く」などとは別次元の生きづらさを抱える。(特性と共存してコントロールに成功したり、仕事などに活かしているケースもあり)
【感覚過敏の原因】※ミニ動画つき
<引用:発達支援コーチ(一般社団法人ここからだ)>
人間は、生まれて以降、身体の各部位が順を追って「発達」していく。
(赤ちゃんが「寝返り」、「はいはい」、「四つん這い歩き」を経て「二足歩行」を始める。)
そうして、「生きやすい身体と心」を段階的に作り上げていく。
(背中、足、手、口、眼、耳などが連動しながら発達していく)
その「発達の段階」ごとに「諸々の事情」(後述:感覚過敏の原因にも)から発達の遅れがあると、眼、耳、鼻、舌、皮膚、三半規管などの感覚器官が「発達途上」になる。
(そのため、例えば「不快な音や匂い、感触など」を「切り離す」、「気にしない」ことが苦手になる。)
【困りごとへの対処】
①避ける
例えば・・・
・電車ではなく自転車や徒歩に
・うるさい(と感じる)職場から静かな職場へ
・照明がゆるい職場へ
・食べ物や洗剤を安全なものに(無添加、天然、オーガニックで検索)
・マスクは感染症の自覚症状はある場合を除いて、しない。(後述)
②和らげる
◎特に聴覚過敏
・耳栓、ノイズキャンセル(ただし、使い過ぎると発達の妨げになる。)
◎特に視覚過敏
・スマホ、PCにブルーライト(電磁波)カットフィルム
・液晶テレビ、スマホ、PCの光度を下げる。
(スマホとPCは画面をダークモードにする)
・部屋の明かりを弱める
(光量「中」、電球を1個ゆるめる、LED電球を白熱球に、白色球を昼光色球に)
・発達障害対応眼鏡(イノチグラス)
(他の過敏にも効果あり)
◎特に触覚過敏
・着心地のよい衣服
綿100%〔オーガニックコットン〕、縫い目の少ない感覚過敏対応下着など
・マスクは感染症の自覚症状がある時以外はしない。(マスクに感染症の予防効果は「ほぼ無い」というエビデンスが、「効果あり」というエビデンスよりも優位に立っている。また、慢性酸素欠乏症により免疫力が下がってしまう危険がある。)素顔を晒すのが怖い場合は、綿や竹布製のマスクにする。
◎特に気象過敏
・薄い服を重ね着して、こまめに調節する。
(薄手のカーディガン、ネックウォーマー、レッグウォーマー、ナイロンコート等は、不要時にカバンにしまえて便利。)
◎特に電磁波過敏
・ブレーカーに電磁波低減シートを被せる
・冷蔵庫、洗濯機のアースを取る(火災の防止にも)
・Wi-Fiルーターに電磁波低減カバーを被せる、寝る時は電源を切る。
・枕元でスマホを充電せず、「機内モード」で寝る
◎特にHSP
・自己理解できるHSP書籍
※「わたしは繊細さん〜まんがでわかる! HSPが自分らしく生きる方法〜」
(著:武 嶌波 ほか)
③納得する
・「好き」を優先するために「不快」を我慢する。
(例:マスクの肌ざわりや化学物質は不快だが、この会社の仕事と社員が好きだから我慢できる。)
※心身の不調チェックには特に気を付けておき、決して無理はしない。
【根本改善法】
①感覚器の発達を促す
(そのために、まず全身をバランスよく発達させる。)
・素足で歩くようにする。
(足の土踏まずが浅い人は特に)
※5本指シューズや足袋シューズ
・よく噛んで食べる、固いものを食べる(口が発達すると、感覚器も発達する)
・家事をする
(「生きる」という目的を達成するために、全身を使って作業をすると、全身がバランスよく発達する。)
※スポーツジムで一部の筋肉だけを鍛えるのは、発達(感覚過敏の改善)にはあまり効果はない。
②緊張をゆるめる
(転じて、必要な所に力を入れられて、不快を遮断できるようになる)
・歯の食い縛りをゆるめる(食い縛らないよう意識する、顎関節のマッサージ)
・お風呂で湯船につかる
(サウナの場合は我慢して入らず、気持ち良い範囲に留める)
・眼、お腹(へそ)、胸、首、関節(足首)など各所を蒸しタオルや「あずきの力」等で温める。
③許容できる刺激の範囲を拡げる
(「苦手な刺激に耐えて慣れる」とは真逆の発想)
・心地良く感じる音(自然の音)、景色、香り、肌ざわり(綿100%や竹布のタオル・ハンカチ等)、味などに振れ、徐々に範囲を広げていく
(出来る範囲でいろいろ味わっていく)
<当noteブログの留意事項>
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