わが子の発達障害への誤解を解く
<投稿:2024/5/6>
<改訂:2024/5/6>
発達障害っ子を育てていて、発達障害について周囲に理解してもらえずに苦しんだことはありませんか?
自分のパートナー、親・義理親、学校の先生、周囲の人たち等に「単に甘えているだけ」、「誰だって得意・苦手はある。みんな一緒だよ」等と言われて、失意にくれた経験談を、僕はたくさんのママさん達からお聞きして来ました。
また、「発達障害に生まれたらおしまいだ」、「発達障害に生んでしまってごめんなさい」と、わが子さんと自分自身の将来に絶望したケースもお聞きしてきました。
どちらのケースも、僕は「誤解です!」と叫びたいのです。
お母さんに真実を知って頂き、
周囲にご説明いただき、
お子さんもお母さんも自信を持って人生を歩んで頂きたいと思っています。
僕は以前に、発達障害っ子ママの家族会を自宅で開催していました。
月1回開催し、10名以上のご参加を頂くことも多く、計19回開催することができました。
<成瀬公式サイトより家族会の記事一覧>
そして、大学生の方が「卒論の参考にしたい」と、この家族会の様子を見学に来てくださったこともありました。
その時、彼女からこんな質問を頂きました。
「発達障害について「誤解されている」と感じるのは、どんな時ですか?」
その時に彼女にお応えした回答をご紹介する形で、「発達障害への誤解」について、書いてみたいと思います。
周囲の方々にわが子さんの発達障害を説明するうえで、参考にして頂けるとうれしいです。
発達障害というものは、まだまだ世間でメジャーではありません。
「生まれつきや生育環境の違いから本人に責任がないにも関わらず、世間で“困った人”として扱われ、生活に支障をきたすほどに未発達な部分を抱えてしまう。」という問題があまり知られていないのです。
発達障害とは、いろいろな側面からの「見えにくい」障害です。
◎他者から見えにくい
◎自分からも見えにくい(自覚を持ちにくい)
◎原因が見えにくい
◎改善方法が見えにくい
◎幸せな生活イメージが見えにくい
◎働くイメージが自分からも家族や会社からも見えにくい
でも・・・「できないこと」がたくさんあるけど、
選べば「できること」もあるんです。
そして、「苦手を避け、得意で勝負する」生き方を選べば、発達障害があっても輝く人生を送れるのです。
(そして、障害の有無に関わらず、みんながこの生き方をして「苦手を得意で支え合う」社会にすれば良いと考えています。僕の仕事の究極目標です。)
発達障害が誤解されるケースのよくあるパターンを記します。
〔1〕もっとも多くて、いちばん辛いのは「発達障害?そんなの私もだって!笑」と言われてしまうケースです。(成瀬の体験+聞いた話)
「同時に処理するのがきついんです。」→「そんなの私もだって!笑」
「記憶に問題があって、迷惑をかけたり、怒られたり、損したりするんです。」→「そんなの私もだって!笑」
「相手の話をすぐに、正しく理解するのが苦手で、よく人を怒らせてしまうんです。」→「そんなの私もだって!笑」
「身体の動かし方が下手で、鈍臭いんです。」→「そんなの私もだって!笑」
「頭がすぐに疲れて、ミスが多いんです。」→以下、エンドレス。
誰しも未発達の部分があるのは当然ですが、発達障害と診断されるくらいの人はこういった困りごとの頻度が「日常生活に大きく支障が出てしまうほど」多いのです。
単なる「苦手」とはレベルが違う困り事なのです。
〔2〕「発達障害への誤解」について、実際にあったエピソード
【成瀬談】(ネガティヴ)
前職にて、苦手な仕事を避けさせて欲しいと配慮を求めた際、上司から言われたこと。
「あなたはSNSをやっているし、趣味としてギターが弾ける。私にはできないことばかりだ。それのに、なぜこんな仕事ができないのかね?」
【発達障害当事者の友人が体験したケース】(ネガティヴ)
障害者雇用にて就職を実現。
この人の困りごと(配慮して欲しい障害特性)は「PC事務処理の遅さ」でした。(視覚過敏により、PC画面を見続けることが難しい。)そこで、PCはできるだけ少なめで、軽作業を増やして欲しいと思っていました。
しかし、就職先の受け入れ担当者は、テレビ番組で「PCプログラミングに天才的な能力を発揮する発達障害」について観ていたそうです。そのため、「発達障害者はみんなPC事務が得意」と誤解してしまいました。
その結果が影響して、友人と企業側にミスマッチが起こってしまい、数ヶ月での退職となってしまいました。
【発達障害当事者の知人が体験したケース】(ポジティヴ)
「発達障害者はコミュニケーションに問題を抱えている」という情報が一般的です。確かにその傾向は強いと思います。(僕もすごく苦労してきました。)
しかし、発達障害者の全員が「コミュニケーションが苦手」ではないのです。
僕の知人にADHD・学習障害・知的障害(知能指数70未満)の方がいます。
彼は、明るい性格、親切で好奇心旺盛な人柄、そして平均的な健常者をも上回る卓越したコミュニケーション能力を持っていました。(家庭・学校環境から良い影響を受けたようです。)
就労移行支援事業所で職業訓練を地道に重ねた彼は、インターン実習を通して相性の良い企業に出会い、障害者雇用で採用。
「入社してくれて良かった」という言葉をもらい、現在は正社員になって元気に働いています。
発達障害があっても、
わが子さんとお母さんがその特性について理解し、
周囲からの理解を得られれば、
幸せに生きていくことができます。
お母さん方ひとりひとりが、わが子さんの発達障害への誤解を解いていけるよう、これからもこのブログやYouTubeで真実をお伝えしていこうと思います。
<当noteブログの留意事項>
保護者の中でも特に「ママ・お母さん」に着目しています。母親は生命の発祥であり、また今の日本は母親にとても冷たい社会だからです。しかし、もちろん父親、祖父母、親戚、血のつながりのない保護者の方々のことも大切に思い、お役に立てるようこのブログをお送りしています。
投稿内容は、成瀬敦史が現場スタッフとして在籍する就労支援事業所とは関係のない個人的な見解です。
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