【VR作品紹介】第24回 モノガタリ交流会【テーマ:幽霊】
◆「モノガタリ交流会」とは?
皆さんこんにちは、A-Literary Works.(エーリテラリー・ワークス)です。今回は第24回 モノガタリ交流会の発表の様子について紹介したいと思います。第24回の内容に入る前に、企画の概要についておさらいしましょう。
「モノガタリ交流会」とは毎週日曜21時VRChatにて開催中の創作PR会になります。特定のテーマを踏まえて毎回2名が作品を発表し、交互に感想を伝える進化形読み合い企画になります。発表・コメント共に5分と気軽に参加できるので、評価を求めるクリエイターや、VR上の物語に興味のある方々は是非ご参加、ご観覧ください。
作品は小説・詩、演劇、映像、漫画、ゲーム・ワールドなど、物語性を含む一次創作であれば紹介OK、ただしなるべくシナリオを強調するようお願いしています。作品内容や発表内容は基本的に自由、ただし他者の作品や二次創作はNG、パロディ・オマージュ作品はOKとします。
……という訳で、第24回の発表者、テーマは以下のようになりました。
◇第24回 モノガタリ交流会【テーマ:幽霊】
【No.47】Wizzさん「幽玄怪異 其の参」
一人目の発表者はWizzさん(https://x.com/Wizz_VRC)になります。Wizzさんが代表を務める制作集団「WRT Image Production」の作品「幽玄怪異 其の参」は、都市伝説「犬鳴村」をVRChat上で撮影した短編映像作品となります。ある日主人公の妹・リンが失踪し、「2月19日に犬鳴村に来て欲しい」というリンからのメールに従い村へと向かう中、道中の電話ボックスに現れる白服の集団、白骨遺体に紛れたリンの携帯電話、トンネルの行く手を阻む小面の怪物などの怪異に見舞われ、遂に……といったお話になります。Wizzさんの作品創りには「その土地独自の文化に焦点を当てたい」という狙いがあるようで、斉木さんの能面の類型やご当地怪談の解説も相俟って世界観を深掘ることが出来ました。斉木さんからは映像の演出面やファウンド・フッテージを含む構成を評価して頂き、沈黙は元ネタの都市伝説が如何にアレンジされるかに注目しつつ、毎回最後に挿入されるカットシーンのある種の怖さに肩の力を抜きました。特に「其の壱 くねくね」では人間側の叔父も化け物のような容姿をしているので、思わず沈黙もくねくねしました。また犬鳴村終盤で少年のスマホに映る二つのURLは、実際に入力すると何かが起こるかもしれませんし、起こらないかもしれません。是非その眼で確かめてみてください。
◇作品リンク:https://youtu.be/8AM7fPg3YSY?si=jJeREF89I6O-Mz9V
【No.48】斉木京さんの作品「湖岸の刀」
二人目の発表者は斉木京さん(https://x.com/kyo_saiki13)になります。斉木京さんの作品「湖岸の刀」は福島県会津地方を舞台としたご当地怪談集『会津怪談』(煙鳥・吉田悠軌・斉木京著、竹書房怪談文庫)(https://www.takeshobo.co.jp/book/b10079699.html)の一節であり、noteで試し読みが出来る形となっております。斉木先生自身も福島県出身であり、土着の歴史や民俗が絡む怪異譚を専門的に蒐集されており、他にも『贄怪談 長男が死ぬ家』『奥羽怪談』『恐怖箱 霊山』『投稿 瞬殺怪談』(竹書房)といった単行本の執筆に関わられています。今回の「湖岸の刀」は末永さんという女性からの伝聞として、亨君という男の子が崖上の刀に触れようとしたところ、不幸な運命に見舞われるという内容になります。このお話は昭和十一年の説話集『会津怪談集』にも系譜があり、会津は豊富な砂鉄による作刀が盛んだった為、領主に献上する刀などが掘り出され、それが守護あるいは災厄の象徴になるという歴史があるようです。Wizzさんは豊富な経験に基づく実話怪談に感動しつつ、「~だったのだろうか」という含みを持たせた章末にも惹かれており、沈黙は会津怪談集→会津怪談という民話の継承を目の当たりにし、実地を確かめるフィールドワークの重要性に気付かされました。また他の一節「滝沢峠の怪」「燐光」なども沈黙のお気に入りなので、これらは是非購入してゆっくり読んでみては如何でしょう。
◇作品リンク:https://note.com/takeshobo/n/n27a9084c40ce
以上、第24回 モノガタリ交流会のお二人の紹介作品となりました。皆さん如何でしたでしょうか?興味を惹かれたものについては、是非リンク先から作品を鑑賞してみてください。また発表者の方は常時募集しています。興味のある方はDiscordサーバー(https://discord.com/invite/UkYn7ZrY8t)に是非ご参加ください。それでは、また。
文責:沈黙静寂(A-Literary Works.代表)