見出し画像

大人になってブランコに乗ってみたら怖かった

2歳の甥っ子と公園へでかけた。
とてもシンプルな公園で、あるのは砂場と小さなジャングルジムとブランコだけ。
砂場で穴を掘って遊ぶ甥っ子を見守りながら、私は「懐かしいなあ」とかおばさんみたいなことを言いつつ何となくブランコに座ってひと漕ぎした。

…驚いた。

久しぶり(何十年ぶり)に乗ったブランコは、めちゃくちゃ怖かった。
ひと漕ぎする度に内臓の浮遊感が酷く、酔うってほどではないけど、漕いでいると頭がくらくらした。
ぶつかるはずないと分かってはいるのに、前にある低い柵に脚が当たってしまいそうで、身体を縮こませてしまう。
「こえー!こええー!!」と笑いながらブランコを漕ぐおばさんを、甥っ子は穴掘りの手を止めて、不思議そうに一瞥した。

ブランコには、1分も乗っていられなかった。

子供の頃、あんなに一日中飽きもせず乗っていたのって、実は超すごいことなのでは…
調べると、子供は遊んでる時とか体育の時間で知らず知らずのうちに三半規管を鍛えている、らしい

なるほど…ということは…老化みたいなもんか……え…めっちゃ怖い話じゃん…

大人になったらフィジカル的にも法的にもできることは増えているはずなのに、できなくなってしまうことも少なからずあるんだなあ、と気づいてしまった。

どこまで振り幅大きく漕げるかの競争したり、
立ち漕ぎで履いてた靴を投げて天気占いをしたり、
2人乗りをしてみたり、
おなかを下にして、地面スレスレを「スーパーマン!」なんて笑いながら乗ったり、

三半規管が弱い強いとかそういうんじゃなくても、「落ちちゃうかも」「ケガしちゃうかも」なんて余計なこと考えずに、あんな無邪気にブランコに乗っていたなんて、今考えたらすごいよなあ、やっぱり大人にはできないや。

じっとしていられないので、甥っ子はまだブランコには乗せられないのだけど、彼がブランコに乗れるようになった日には、めちゃくちゃ褒めてあげようと心に決めた。

あとでこっそり三半規管の鍛え方を検索した。
老化は、いやだな。