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ゼロから理解するゼロボATとアクセルATの仕組み
1.記事の概要
この記事でこんなことがわかります。
・AT機の仕組みとは?
・ゼロボとは?
・アクセルATとは?
2.そもそもATとは
![](https://assets.st-note.com/img/1704924418343-NGCQ0GUNsf.jpg)
スロッターなら日常的に「AT機」という言葉を使っていると思います。
ではそもそもAT機の「AT」についてご存じでしょうか。
ATとはアシストタイムと呼ばれる小役ナビ区間のことです。
押し順等ナビを出すことにより、通常時高確率で成立している小役を取得します。
4号機から5.5号機中期まではATは基本的にサブ基板で抽選。
初代モンキーターンや十字架Ⅱなど、
一部機種ではメイン基板を使っているものもありましたが…
![](https://assets.st-note.com/img/1704924848601-5B8Gd6lHB9.png?width=1200)
5.5号機後期以降は全てメイン基板での抽選となりました。
また以降は性能にかかわるナビをセグ等に表示する必要があります。
このことからもメイン基板で抽選していることがわかります。
2.5号機以降のATの歴史
この章では5号機ATが登場するまでの歴史を記載します。
興味ねーよって方は、3章まで飛ばしてください。
2-1.4号機から5号機ATへ
4号機での爆裂ATやストック機などを規制するため、
5号機では型式試験(俗にいう検定)が変更されました。
AT機関連に絞ると、
「成立役をすべて取得する」
という試験方法が追加されました。(以下検定神と呼称)
通常時高確率で小役が成立すると、この試験方法により
常時AT状態という異常な状態となり、当然型式試験には落ちるということが起きました。
5号機初期では「餓狼伝説」など、
ATを取り入れたゲーム性も開発されましたが、
当然検定神は全て取得するため、減るATにせざるを得ず人気はそこまで…
(とは言え5号機初期にしてはかなり健闘した方かも)
![](https://assets.st-note.com/img/1704924965032-85nLt6qwtd.jpg)
リプパン外しや封じ込めART機の登場などについては脱線するのでここでは触れません。
4-2.AT機の歴史が再び動き出す
ここでJPSから意欲作が、
知ってる方も多いと思いますが「2027(JPS)」が登場します。
![](https://assets.st-note.com/img/1704925045981-HUCv68ALqD.jpg)
この機種は通常時3択ベルが成立しており、
また約1/100で純増28枚のRBが成立します。
RB成立時の状態を参照しARTを抽選しますが、RBの入賞を回避しながら、
ボーナス成立後RTを使ってコインを増やしていく機種となります。
当時の人は「ジャックイーーーン!」で悲しい思いをした人も多いでしょう。
この機種の肝はもちろん
「ボーナス成立後RTを使って」
というところ。
検定神は成立した役はすべて取得するため、
ボーナスが成立すると、作動可能タイミングで揃えてしまいます。
これで検定神を封じ込めることができたのです。
AT機を語るにはこの機種は外せません。
なぜなら5号機以降のAT機は、ボーナス成立後RTを使っているものがほとんどだからです。
これはゼロボの章で後述します。
4-3.ネオストック機の登場
皆さんはネオストック機というジャンルはご存じでしょうか。
5号機に移行した際にストック機は禁止されたはずでは?という方も多いでしょう。
これもAT機の登場に深くかかわっています。
ネオストック機の初出はネットの「ドラキュラ」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1708107734427-UvrbxW2M8e.jpg)
通常時はMB(14枚を超える払い出しで終了)が高確率で成立しています。
このMBは左押しであれば無条件で作動します。
減らすところがないじゃんと思ったあなた。
実はこのMBは大きく分けて2種類あります。
・ドラキュララッシュ(DR)
・ドラキュラゾーン(DZ)
このうちDRは単独成立しており、左押しで作動します。
しかしDZはリプレイと同時成立するため、成立Gで作動させることができません。
しかもDZ成立後は、ボーナス成立後RTを使ってDRの分のハズレを埋めます。
これで出玉の波を作っています。
そして純ハズレを引くことで再びDR高確率状態に復帰するということです。
リノをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
リノはまさにネオストック機の進化系なわけですね。
話が逸れました。
これがAT機とつながる部分は
「ボーナス成立後RTでボーナスフラグを埋めて作動させないようにする」
という点です。
5号機のAT機はこのようなところから着想を得ているわけですね。
3.ゼロボの登場
これだけ長々としゃべってようやく本題です。
ゼロボが登場します。
ゼロボが搭載される前はART機が主流で多くて2.2枚/Gとかだったでしょうか。
そんな2011年9月、純増3枚を謳う機種が登場します。
それが
「エージェントクライシス(エレコ)」
です。
![](https://assets.st-note.com/img/1704925292242-umg4MO0EWk.jpg)
エージェントクライシスは「ゼロボ」を通常時、常に保持していました。
3-1.ゼロボとは
この機種を説明する前にまず「ゼロボ」とは何かを説明します。
ゼロボ=ゼロボーナスとはその名の通り獲得枚数が0枚となるMB(第2種特別役物。作動時の掛け枚数考慮で-3枚)のことです。
当時一般に2in2outを10数G続けるボーナスが使われていました。
ここで皆さん思い出してください。
検定神は「成立した役はすべて取得する」
つまりこの増えないボーナスも成立したら取得するのです。
取得するとどうなるか。増えない区間ができ、通常時が間延びします。
通常時の純増が高くてもゼロボが成立するたびに10数G虚無の時間を過ごすことになります。
すると通常時だけ見れば機械割300%の機械が、ゼロボを組み合わせることで120%以内に収まる。
といった感じです。
これにより検定神を全く無意味なものに封殺できます。
型式試験についての記事は、また気が向いたら書きます。
3-2.エージェントクライシスとその後の機種
エージェントクライシスはこのゼロボを通常時、常に保持していました。
しかし液晶指示以外のゼロボ作動でペナルティ=通常時も目押し必須、
小役も色ナビと問題を抱えていました。
この問題と出玉性能がマイルドという致命的な欠陥性能であったためにクソ台の烙印を押され消えていきました。
この後釜を狙ったのが2機種
ねぇ~ねぇ~島娘(オリンピア)とパチスロ鉄拳デビルVer.(山佐)です。
![](https://assets.st-note.com/img/1704925619428-jrf1O3lclh.png?width=1200)
これらはエージェントクライシスの問題を全て解決しました。
ゼロボをボーナス成立後RTで隠す
押し順小役
爆発力
特に1番上の「ゼロボをボーナス成立後RTで隠す」はネオストック機から継承されています。
出た最初はリプレイばかりで間延びしている感覚さえありましたが、
次第になれていき気にならなくなりました。
スロッターの適応力はすごいですね。
これ以降ゼロボATが猛威を振るう時代となります。
4.アクセルATの登場
2014年1月には5号機ATの完成形とも言えるシステムが登場します。
それは、「激闘!西遊記(KPE)」のアクセルATですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1704925789711-jLxZrWO7Qk.jpg)
このシステムで通常時のベースをかなり抑えることができました。
これには1種BB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)が
採用されましたが、この辺は置いておきましょう。
4-1.アクセルATの仕組み
アクセルATで採用されたのは「減るボ」です。
減るボーナスなんですよ。
理屈としてはこうです。
例えば1/5で押し順7枚役が成立しているとします。
それを1/9で成立させます。その代わり押し順正解が2/5になります。
そのため1Gあたりの期待値は高くなりますよね。
という話です。
正直めちゃくちゃなこと言ってますが、しれっと出したら通ってしまいました。
…ボーナスって増やさなきゃいけないんじゃないの?
そう思われていた時代もありました。
でも通ってしまったものは仕方ありません。
これでリプレイ確率を上げる必要がなくなりました。
スロットは出玉+コイン持ち+当たり確率の三すくみで成り立っています。
コイン持ちが削れたらその分出玉や当たり確率に回せる枚数が増えます。
これがアクセルATの全貌です。
これが登場するまではンゴロポポスややじきた道中記乙のようなシステムが考案されていました。先にはスラッシュATとかもありましたね。
6号機初期ではやじきた方式と言って頻繁に利用されていたものです。
この辺も追々まとめたいな。
5.まとめ
・AT機は通常時高確率で成立している小役をナビで取得するよ
・そのために検定神を欺く必要がありゼロボ=ゼロボーナスが採用されているよ
・AT全盛期後期には減るボを使ったアクセルATが使われているよ。
5号機からですが、AT機の基礎となった部分を振り返るとかなり文字数が多くなりましたね。
ここまで読んでくださった方はスロットのシステムに魅了されていると思います。
今後もこのようなシステムに関するnoteを上げていこうと思うのでよろしくお願いします。