節約したいなら、安物にロマンを感じろ
「歴史にはロマンがある」という言葉の意味が分かってきた。
日常で使っているペンやパソコン。いろいろな物に歴史があり、物語がある。
そう考えると胸がいっぱいになるし、大切に使おうと思う。
買った時の値段が安いか高いかは関係ない。
100万円を超えるロレックスにも物語があるし、ダイソーで売られている100円の時計にだって物語がある。
それぞれの物語を比較するとき、値段で優劣が決まるだろうか。
100円の時計と100万円の時計を比べて、100万円のほうが価値のある物語だろうか。
僕は物の値段で、物語の優劣はないと考えている。
100万円の腕時計を開発し、生産することは大変なことだ。
一方、100円の時計を作るのだって簡単ではない。安く作るために機械化したり、生産してくれる人を探し回ったり、頭を何度も下げたかもしれない。安く作るのだって、難しいことなのだ。
そうやって、使っているものにロマンを感じるようになると変化が起きる。
「もっといい物が欲しい」と思っていたのだが、「今使っているものは、いろいろな人が努力して作った物なんだ、悪くないな」と、大切に使いたい気持ちが芽生えてきた。
僕は社会人になったとき、初めて10万円を超える給料を手に入れて浮かれてしまった。
結果、腕時計にハマり何本も腕時計を買い替えた。3年間で100万円を超える金額を使っている。
ちなみに今、腕時計はつけていない。
(腕に何もつけていないことが、こんなに快適だとは)
10年前の私に、「安物にロマンを感じろ」と言ってやりたい。切実に。