かにチャーハンの店・渋谷に行った。以前に職場が渋谷だった時に先輩方と食べに来て以来なので、じつに10年ぶりくらい。
そのお店は渋谷の駅から向かっていくと、ハンズ手前あたりの雑居ビル3階にある。
昔はカニの量によって、カニチャーハンとカニカニチャーハンがあったと記憶していたのだが、カニカニと、カニまみれチャーハンになっていた。いや、最初からそうだったのかも知れない。
※正式なメニュー名はひらがなで「かに」ですが、文章だととても見にくいのでカタカナに置き換えています
カニバランスの崩壊
入り口で食券を購入するのだが、やたらカニカニ書かれた食券が出てくる。
食券を渡すと店員さんも調理場に向かってカニカニ言う。
お客さんも食券を買う際にはたいていカニカニチャーハンにしようか、カニミソチャーハンにしようかと、カニカニ言いながら連れと相談している。
ここには一生かかって耳にするくらいの「カニ」が溢れている。
私たちはやっと奥のカウンターに通され、カニカニチャーハンが出てくるのを待ち構えていた。待っている間も何度かエレベーターが3階に止まり、人が降りてきてはカニカニ言いながら壁沿いに券売機の行列を伸ばしていた。
この時はちょうどランチタイムだったこともあり、客はひっきりなしにやってきた。
米踊る調理場
カウンター席からは調理場がよく見える。料理人たちは、カニカニという言葉が飛び交う中、ひたすら中華鍋を振ってカニカニチャーハンを作りまくっている。
中華鍋の上で米が凄い速さで円を描くように舞い、宙に浮いた米が吸い寄せられるように鍋に戻ってはまた宙に浮く。そして最後は大きなオタマに米がシュっと吸着し、そのまま綺麗に丸くお皿に載せられる。
料理人の鍋捌きは芸術的だ、ずっと見ていられる。
米たちが綺麗に皿に整列して作られた丸い王座に、カニが鎮座する。
私たちのカニカニチャーハンが完成したようだ。湯気の立ち上る出来立てのチャーハンが目の前に運ばれてきた。
カニカニの妥当性
カニカニチャーハンは少ししっとり感もある絶妙なパラパラ具合のチャーハンで、たまに胡瓜などの歯ごたえも感じられて美味しい。カニは当然美味しいが、正直なところカニが載っていなくても食べたい。
一緒に出てくるカニの味噌汁も美味しい(これは無くなり次第終了と書いてあったので必ず付くものではないのかもしれない)
私たちは早くも、次回来たらの話を始めていた。カニカニチャーハンも良いけど、次回はカニミソチャーハンにしてみようか。
カニカニ!
※このお話はファンタジィ日記部分のみフィクションとなっております