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皆さんは、パリジャパンエキスポをご存知でしょうか。
日本を紹介する海外最大のイベントで、
4日間で25万を超える人々が来場します。
始まりは三名のオタクのパリジャンによるイベントでしたが、
今では、日本の地方自治体などが出展するゾーンも設けられ
日本文化の祭典的な要素があります。
しかし、やはりメインテーマは何と言ってもアニメです。
2019年、私はフランス人の手助けをいただいたおかげで、
パリジャパンエキスポのプレスの申請が通り、
プレスパスをもらって見に行くことができました。
おかげで一般立ち入り禁止のプレスルームに行けて、
宇宙戦艦ヤマトの松本零士さん、
デビルマンの永井豪さん、
ガンダムの富野由悠季さんという
そうそうたる方々のインタビューや、
戦隊ヒーローの皆さんの撮影会などにも行くことができました。
海外の人は日本のアニメが好き、とよく聞きますが本当だと思いますか。
確かにエキスポ会場にいると、
コスプレした大勢の人達が押し寄せて活気があふれてますし、
帰り道の駅前の混雑の中でも、誰かが歌い出した日本語のアニメソングを
その場に居合わせたフランスの皆が大合唱しているところなんて、
本当に驚かされました。
日本のアニメって大人気なんだと改めて思わされました。
でも、一概にそうとは言えないと知った出来事がありました。
ある時、プレスの人達が夕方からパリのカフェで
友人たちと合流するというので、ご一緒させてもらいました。
「kawaii cafe」という名前の、オタクさんが良く集まるお店という事で、
オーナーが日本人で日本メニューもありました。
10人くらいで、店先に出されたテーブルを囲んでお話したんですが、
7月のパリは、日が沈むのが夜の10時くらいなので
時間感覚がおかしくなります。夜だという事を忘れていました。
パリのカフェというと、道に並ぶテーブルをイメージする人も多いと思いますが、通りにある店の多くが道にテーブルと椅子が並んでいて
開けっぱなしで冷房なんてありません。
うっかり店内に座った店では、
こんなにおしゃれな店なのに暑くてたまらん~と思いましたが、
通りを隔てて向かいの店には「冷房あり」の貼り紙があったという(笑)
話がそれましたが、
オタクのみなさんとご一緒させてもらったんですけど、
その時、こんな事を聞かれました。
「アニメやヒーローの話をしてるこんな僕たちって、気持ち悪くない?」
「???」
聞くと、アニメやヒーローが好きというのは、
フランスでは馬鹿にされ、アイドルは見てる方が恥ずかしい
というのが一般的なんだそうです。
それで、そんな質問をしたんですね。
でも、日本のアニメが大好きな人たちもたくさんいるのも事実です。
パリのルーブル美術館の裏には、アニメ「シティーハンター」のファンのお店がたくさんあるストリートがあって、イベントも開かれるそうです。
私の前に座っていたお二人は、それで出会って結婚したと言っていました。
シティーハンター婚!(笑)
日本文化が大好きで、畳を取り寄せ、
畳と布団の生活をしているそうです。
話は変わって、二年後なんですが、今度はブース出展で
パリジャパンエキスポに参加しました。
その時、たくさんのフランス人に話しかけられました。
多分皆さんは、私がフランス語か英語が得意なのだろうと思っておられるでしょうが、恥ずかしながら両方とも駄目なんです・・(汗)
日本語で話しかけられるんですよ、パリジャパンエキスポの会場では。
そのたびに私は、なぜそんなに日本語が上手になったのか聞きました。
そうしたら、全員、ほんとに聞いた人全員が同じ答えだったんです。
それは、子どもの頃日本のアニメを見て育ち、日本に興味を持った。知っていくうち、どんどん日本文化が好きになったと皆さんそう言われてました。
日本語の勉強は、スマホのアプリでしてる人が多く、アプリを見せてくれました。日本に留学したという人も何人かいました。
なので皆、日本語が話したくてたまらないんだそうです。
フランスに来て、フランス語や英語で話しかけてこない私を見て、
ここぞとばかりに日本語で話してくるwww
日本が好きだから日本のアニメを見るのではなく、
幼少時の日本アニメ体験が日本ファンを作っているんですね。
オタクをばかにする一般的なフランス人だって、
大人になって「アニメ~万歳!」とは言わないにしても
子供の頃に日本のアニメを見て日本に興味を持った人は結構いるのでは。
これらの体験で、改めて
アニメの海外輸出は日本にとって大事だなと思います。
そして、もっといろんなビジネスがアニメとコラボすると
世界にチャンスがあるとも思います。
アニメに音楽はつきものですが、
音楽には、多ジャンルのいろんなものをくっつけられるパワーがあります。
ほんと、いろんなものと音楽は結び付く。
アニメや音楽が受け入れられるところは、民度が近しく文化的相性がいい。
私は音楽だけをやりたいのではなくて、そういったフィールドで音楽を活かせることをやりたいと思っています。