見出し画像

Google Pixel 月例アップデートのPCによる手動更新について

 2023年1月から、所持してるGoogle Pixel 7の月例ソフトウェアアップデートについて、設定メニューから更新確認しても、最新と表示されて自動更新できないことが続いていました。
 しかし、現在においても自動更新が降りてくる気配みせないこと、下記の影響範囲が大きい深刻なセキュリティ脆弱性が発生していることや初期化を避けたいことから、PC環境からadbコマンドによるsideload手動更新を試みることにしました。
 次からも困らないように手順を個人的な備忘録として残しますが、一定の知識が必要であり、スマートフォンが使えなくなる可能性もありますので、実行する人は自己責任でお願いします。

Pixel 6/7採用のSamsung製モデムに脆弱性。対策までLTE/Wi-Fi通話オフを推奨

PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1486620.html

1.Google Pixel の公式更新イメージの入手

Pixel 7 のイメージファイル一覧


上記URLリンクから「Full OTA Images」を選び、右側にある該当するPixelの種類を選ぶとアップデートに必要なイメージファイルをダウンロードすることができます。
私のPixelの場合は、Pixel 7の「13.0.0 (TQ2A.230305.008, Mar 2023)」が最新のソフトウェアアップデートファイルになります。
イメージファイルをダウンロード後、PCの管理しやすいフォルダーに保存します。
なお、上記のURLリンクに注意事項があります。ページの右上上方に言語を選べるメニューありますが、必ず「English」英語を選択してください。
日本語を選択しても、最新のイメージファイルが追加されていない可能性があり、現時点においても、日本語ページは2月までのイメージファイルしか反映されていません。


2.Android SDK Platform-Toolsの入手

PCによるsideload手動更新は、adbコマンドといわれるものを実行できる環境が必要です。そのためのソフトウェアが「Android SDK Platform-Tools」となります。

Android SDK Platform-Tools
https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools?hl=ja

上記URLから、該当するOSのものをダウンロードし、PCの管理しやすいフォルダーに保存します。
私の場合はWindows環境であり、今後の作業内容は全てWindows環境での作業になりますので、ご注意ください。


3.Android SDK Platform-Toolsのファイル展開

Android SDK Platform-Toolsはzip圧縮ファイル形式でダウンロードされますので、これを解凍展開する必要があります(現在のWindowsはzip解凍機能が標準であり、それ以外の場合はインターネット検索で解凍の仕方が見つかると思います)。
ファイルを展開する場所はどこでも良いのですが、私の場合、作業しやすいように「C:」ドライブ直下に「adb」というフォルダーをつくり、そこにzipファイルの中身をすべて展開しました。
注意点として、「adb」フォルダーの中にまた別のフォルダーがあるというような、2重フォルダー内にファイルが展開される状況をなるべく避けてください。


4.PixelのUSBデバッグモードを有効にする

今後の作業内容について、全てPixel 7 での説明ですので、ご注意ください。
Pixelの設定メニューを開き、デバイス情報を選びます。ビルド番号部分を連続してタッチすると、開発者向けオプションが有効になるまであと○○回というような表示がでます。
最後まで連続タッチすると、開発者向けオプションが有効になりましたというような表示がでます。
続いて、Pixelの設定メニューにあるシステムを選ぶと、開発者向けオプションがありますので、その中の「USBデバッグ」を有効にします。


5.PCからadbコマンドでPixelを更新をする

1.USBケーブルでPixelとPCを接続します。また、念のため、作業前に適宜端末のバックアップを行ってください。
※この前後のPixelの画面に、このパソコンを許可しますかのようなメッセージが表示されますので、必ず許可を選択してください。

2.Windowsのコマンドプロンプト(CMD)を管理者権限(管理者権限なくとも動くと思います)で起動します。コマンドプロンプトの起動の仕方は、WindowsのVerを指定してインターネット検索していただければ見つかると思います。

3.コマンドプロンプトにてAndroid SDK Platform-Toolsを展開したファイルの場所を指定します。私の場合は「C:¥adb」になりますので、以下の場所となります。
※下記において” / "は、"¥"に読み替えてください。

cd C:/adb

上記コマンドを入力し、Enterキーを押して実行後、次のコマンドを実行してください。

adb devices

下記のようなメッセージが表示されます。
ここで「unauthorized」などが表示されている場合は、うまく接続出来ていませんので、ご注意ください。

List of devices attached
○○○○○○○○○○ device

次のコマンドを実行し、Pixelをリカバリーモードで再起動させます。

adb reboot recovery

再起動後、Pixel画面上に「アンドロイド」のロボットキャラクターが倒れた状態で「No command」と表示されます。
Pixel の場合は、この状態で電源ボタンを長押しながら、音量大ボタンを1回押し、Recoveryメニュー選択画面に入ります(それ以外の端末の押すボタンは、インターネット検索で見つかるはずです)。

5.Recoveryメニュー選択画面で表示されている「Apply update from ADB」を実行し、下記のメッセージが表示されます。
※メニュー選択は音量ボタン、決定は電源ボタン

Now send the package you want to apply
to the device with "adb sideload <filename>"...

6.WindowsのコマンドプロンプトにてダウンロードしたGoogle Pixel の公式更新イメージの場所を指定し、実行します。一例となりますが、最初に作成したadbフォルダーに置いてある場合は以下の通りとなります。
※” / "は、"¥"に読み替えてください。

adb sideload C:/adb/panther-ota-tq2a.230305.008-d573ab70.zip

7.Pixelにて更新作業が開始され、PCとPixelに更新進行中のメッセージが表示されます。以下のようなメッセージ表示されましたら、更新完了となります。

  Install from ADB completed with status 0.

8.Recoveryメニュー選択画面にて「Reboot system now」を選択し、Pixel再起動して完了です。


6.Pixelの現在のバージョンを確認する

Pixelの設定メニューから、デバイス情報→Android バージョンを確認するとAndroid セキュリティアップデートが2023年3月5日になっていれば問題ありません。
ビルド番号もTQ2A.230305.008 となります。
また、開発者向けオプションの「USBデバッグ」を無効にし、必要に応じて、開発者向けオプションモードも無効にします。

以上となります。


いいなと思ったら応援しよう!

alicetale
記事を気に入ってくださったら、サポートいただけると励みになります。記事があなたにとっても有意義なものであれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。