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獣医師コラム:猫の慢性腎臓病【腎臓病の新薬開発される⁉】
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猫は高齢になると腎臓病になることがとても多いです。一度失われた腎機能が治療によって戻ることはありません。慢性腎臓病の治療は進行を遅らせる治療で、進行を止める治療薬はありません。
ネットニュースでは、東京大学で腎臓病治療薬の研究が行われ、近い将来猫の腎臓病の治療薬が開発され、猫が腎臓病にならずに済むかもしれないと言ことが話題になっていました。今回は猫の慢性腎臓病について詳しく解説いたします。
■ 慢性腎臓病とは
腎臓の機能・構造の異常が長期間続いた状態が慢性腎臓病です。
◎ 症状
初期:多飲多尿、軽度の食欲不振、軽度の貧血などが認められます。明らかな症状を示さなおこともあります。
中期:食欲低下、体重減少、貧血、脱水、運動性の低下、嘔吐、多尿、乏尿などが認められます。
後期:尿毒症の症状(消化管潰瘍、膵炎、腸炎などの消化器系や免疫系、血液系、循環器系、神経系などに影響を及ぼします。)、食欲廃絶、嘔吐、重度の脱水・貧血、乏尿、無尿などが認められます。
◎ 診断
血液検査:BUN、クレアチニン値、SDMA値の上昇
尿検査:尿蛋白
レントゲン検査、超音波検査:腎臓の形態・構造異常の確認
血圧測定
治療を行いながら、上記の検査を定期的に繰り返し慢性腎臓病と診断します。
◎ 治療
腎臓病の進行をステージで分類します。ステージよって治療方針が異なります。定期的に検査を行い病期に合わせて治療を行います。
ステージ1:クレアチニン値<1.6
ステージ2:クレアチニン値1.6~2.8
ステージ3:クレアチニン値2.8~5.
ステージ4:クレアチニン値>5.0
・摂水量を上げる。自宅で摂水量を増やす工夫をしても脱水症状がある場合は皮下点滴を行う。
・腎臓病の療法食を開始
・高血圧の治療
・低カリウムの治療
・高リン血症の治療
・蛋白尿の治療
・貧血の治療
・その他:嘔吐や食右翼不振に対する治療
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■ 最後に
慢性腎臓病は治ることのない病気です。治療は早期発見、定期的な検査が大切です。若いころから定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
腎臓病で苦しむ猫が減りますよう、新薬の開発、販売が期待されます。