第八十三回 Gt ヒロト|『月刊少年HRT』vol.5

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<特集>
コロナ禍、ヒロトが見つけた様々な新しい形の“つながり”を語る

<付録動画>
HIROTO Guitar Channel⑥
「DEAD SCHOOL SCREAMING」を弾いてみた

常にアンテナをはりめぐらせ、メンバーのなかでも新しいものには敏感な反応を示すヒロト。今回はそんなヒロトが続けてきたVoicyや、コロナ禍のなかで行なったライブハウスツアー、アリス九號.として初めてオンラインのみの配信ライブに挑んだWOWOWのオンラインフェス『音楽諸島』。これらを通して、見えてきた様々な新しい形の人との“つながり”について語ってくれた。


<付録動画 Sample>

※アリス九號.オフィシャルnote定期購読者様はノーカットにて記事下部よりお楽しみください。


ーー最近はヒロトさん、頻繁にVoicyを配信してらっしゃいますが。

そうなんですよ。じゃあちょっとここでVoicyの話をしてもいいですか?

ーーええ。どうぞどうぞ。

海外のファンの方のお話なんですけど。その方は、今までずっと自分のために音楽をやっていたそうなんですね。それで「君の歌はいいから一緒にやってみないか?」と声をかけられ、周りの人の薦めもあってプロダクションに入ったそうなんです。だけど「自分の歌が果たして世間に受け入れられるのかどうか。受け入れてもらえなかったらって考えると、とても怖いんです。」とおっしゃってて。それで「ヒロトさんは過去にそういう思いを抱いたことはありましたか?」というような相談をもらったんですよ。

ーーなるほど。

そう聞かれて「自分は自分のために音楽をやってたっけ?」というのをまず考えてみたんですけど。僕の場合、誰かにこの想いを伝えたいとか、誰かに元気になってもらいたいとか。自分というよりも、そっちのほうが強いよなって思ってたんです。だから、そのときのVoicyの放送でもそういう話をしたんですけど。だけど、改めてじっくり考えてみたら、僕俺は自分のために音楽をやってるのかなって思ったんですよ。

ーーほほぉ。

だから、最終的に(前号話した)「REPLICA」も、今後の冬の時代に備えて。自分がしんどかったり辛くなったときに、こういう曲を作っておけば「ああ。またちゃんと春の風は吹くんだ。」と自分自身が思えるから作ったとも考えられるし。

ーーなんだ、自分も、自分のために作ってるんじゃないかと。

そう思っちゃったんですよね。順番的に考えると、そうやって自分のために作ったものが、誰かのためになればとっても嬉しいよねということだから。結局は、自分のために作ってるのかなと。

ーーなるほど。

この相談してくれたファンの方、僕も音楽をやっていますけど、音楽をやってるやってないは関係なく、自分のためにやってることが、その延長線上で誰かのためになるというのは、他のお仕事をされている方でも感じることはあると思うんですよね。

ーーそうですね。ヒロトさんの場合、音楽とおおまかにいっても、ステージに立ってパフォーマンスしたりしているときは、そのなかでも誰かに届けばという想いの方が強いんじゃないかなと思うんです。だけども、曲を作るという行為は、結局のところは自分と対峙しながらやっていく創作作業なので。

そうですね。

ーーそう考えると、精神的なところでいうと、自分のためにという色合いが強いかもしれないですよね。根っこの部分は。

そうかそうか。でも、あれですよ。ステージに立ってパフォーマンスするのも、人を元気にしたいと思ってても、結局はそれが自分のためになるから、自分のために立ってるともいえますよね。

ーーああ、そうか。では、曲作りというところに限定しての質問なんですけど。ヒロトさんは、これまで誰かのために作ろうという動機からスタートして曲を作った経験はありますか?

うわー、そこの線引きも難しいですよね。例えば、この曲はみんなに楽しんでもらおうと思って作ったものですといっても、ライブでみんながその曲で盛り上がるところを観て、一番嬉しいのは自分だから。となると、自分のために作った曲ということにもなるじゃないですか。だから、難しいです。

ーーなるほど。

自分が先なのか、届けたい“誰か”が先なのか。なんか、自分でいっておきながら禅問答みたいになってきちゃいましたけど。面白いですよね。

ーーそうですね。誰かに届けるといえば、昨年後半以降、バンドとしてはいよいよ地方のライブハウスを回るツアーを再開しましたけれども。久しぶりに地方を回ってみて、どうでしたか?

ステージに出て、一瞬で思いました。“みんな、ライブハウスが好きなんだな”っていうことを。すっごいそれを感じたんですよね。メンバーもスタッフもファンの人も、みんなライブハウスが本当に好きなんだなという感覚をピュアに感じとったんですよ。照明さんは現地の方でしたけど、帯同してもらったPAさん、ローディーも含め、みんなライブハウス好きやん!っていうのをひしひしと感じて。「ライブハウス、いいよね」って口々にいったりしてる人もいましたし。

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限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…

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