第百八十三回 Ba 沙我|ノーズマウンテン・ラジオ ツアー先から番組収録
アリス九號.は現在、「Graced The Beautiful Story」ep.2〝Farewell Flowers〟ツアーの真っ只中。今回はリモートで「ノーズマウンテン・ラジオ」を収録。
ツアーにまつわるトピックにフォーカスしてトークを展開してもらいました。
ーー現在は広島にいらっしゃるということですが、体調はもう大丈夫なんでしょうか?
沙我:そうですね。今は全然元気です。
ーーよかったです。インフルエンザにかかったのが、青森公演の前でしたっけ?
沙我:そうですね。これで、「仙台から青森」という流れがアリス九號.の中で呪われた行程だというのが完全に確定してしまいましたね。
ーーどうしてですか?
沙我:今回で2回目なんですよ。この行程の中で公演を中止してしまったというのが。1回目は虎が首を痛めたので中止になったんですけど。
ーーでも、なぜピンポイントで青森Quarterばかりなんですかね。
沙我:いや〜、そこは本当に謎なんですよ。今回の僕の場合は、仙台darwinから青森Quarterという流れだったんですけど。仙台に着いた日が、とにかくめちゃくちゃ寒くて。気温が4℃ぐらいしかない日だったんですよ。「うわっ、これは寒いな」という感じで。そうしたら、そのあたりから身体が重いというか怠い感じがしてきて、「あれ?体調がおかしいな」と思いだしたんですね。でも、熱を測ったら発熱はしてなかったんですね。だからスタッフに頼んでユンケルを買ってきてもらったんですよ。ユンケル、僕はあの日だけで3本ぐらい飲んでるんですよね。ライブを演る前に1本飲んで、でも元気にならないからもう1本追加で飲んで。ライブは、始まってお客さんの前に立つとスイッチが自然と入るので、楽しくは演れたんですよ。で、念のために終わった後ももう1本、ユンケルを飲んでおいたんですよ。だけど、ライブが終わるとスイッチが切れたように5倍ぐらい身体が重くなって。とてつもない疲労感と倦怠感に襲われたんですね。それで青森のホテルに着いたら速攻で寝たんですよ。そうしたら夜中に、「身体は尋常じゃない熱さなんだけど寒気がする」という感じになってきて目が醒めて。「この感覚はインフルエンザだな」という記憶が自分の中にあったんで。
ーーコロナではなく、これはインフルエンザだぞ、と。
沙我:ええ。咳は出なかったし、寒気がするのに身体が超熱いというのは過去のインフル体験で記憶があったので、これは絶対インフルだなと思って。夜中だったんですけど、そこですぐに連絡しまして。「ヤバいと思う。明日病院に行くけど、多分インフルだと思う」というのを夜中のうちにスタッフに伝えて。「インフルだった場合の今後の対処、対応を今から考えて、しっかり準備をしておいて欲しい」というのを伝えてから、なんとか寝たんですよ。それで翌朝起きて青森で病院に行ったら、すっごい青森弁の看護師のおばちゃんに鼻の奥の方まで長い綿棒みたいなのを突っ込まれて。「あー、これはインフルエンザだね」とニヤニヤしながら言われちゃって。それで、青森公演は延期になってしまったんですけど。延期が決まった時は悔しかったですね。
ーーインフルだから仕方がないと頭では理解はしていても。
沙我:はい。やっぱり演りたかったですからね。非常に残念でした。
ーー公演が延期になってしまったことが。
沙我:ええ、そうですね。青森Quarterと函館club COCOA、2本延期になってしまったので、早くリベンジしたいという想いが今は強くありますね。特に青森Quarterは今回で2回目じゃないですか。本当に申し訳なさすぎて。僕、無理を承知の上で「4人でできないのか」って交渉してみたんですよ。それぐらい、「中止にはしたくない」という想いが強くあったので、言ってはみたんですけど「いや、無理です」ときっぱり言われまして。まあ、そうなりますよね。それで中止になってしまったんですけど。何よりもこれで、お客さんのスケジュールを乱してしまった訳じゃないですか?そのことが自分としてはすごく申し訳なくて。でも、こうなってしまったのはどうしようもないことなので、いかにリベンジ公演で素晴らしいものを見せられるかってことですかね。今僕ができることは。
ーーそうして、ツアーは水戸LIGHT HOUSEから再開。日々の体調管理などについて、新たに心がけるようになったことなどはありますか?
沙我:なんかやっておこうと思って。「R-1 (明治プロビオヨーグルトR-1)」、「身体にすごくいいですよ」「R-1飲んでるとめちゃめちゃ体調いいよ」と周りの人が言ってたんで、「じゃあ俺もR-1飲もう」と思って、今は毎日飲んでます。そのR-1効果なのかどうかは分からないですけど、インフルになる前よりも元気な感じではあります。
ーーでは、現在進行中のツアーの手応えについて沙我さん自身はどう感じてらっしゃいますか?
沙我:本数が多いので、いかにその中で緊張感やテンションを保ちつつ、だらけずに新鮮な気持ちで最後までやれるのか。簡単に言うと、「ビシッとしたライブを全公演でやるためにはどうしたらいいのかな」というのをまず考えまして。最初に2パターン、違うセットリストを考えたんですね。それは、アルバム曲以外はほぼ被らないようなセットリストだったんですよ。それを持ってツアーをまわることにしたんですけど。今(広島公演の前日)の時点で、公演数は…。
ーー延期になってしまった2公演を除くと、8公演終わってますね。
沙我:最初はいい意味で演奏に緊張感があって。「ここから作り上げていかなきゃ」という緊迫感。そういうのがあって、いい感じだったんですよ。2パターンあるセットリストは、完成度という意味でいったら、どちらかが本命みたいなものになっていて、もう一方は未完成というのかな。
ーー本命があるが故に。
沙我:ええ。ツアーを演りながら足りないところを補ってよくしていく、という感じを敢えて残したんです。
ーー意識的にそうしたんですか?
沙我:ええ。最初から作り込まない感じにしたんです。今までは僕が演りたいものの中で、セットリストの流れとかアレンジを決めてたんですけど。今回はそうではなくて。本数があるからこそ、全員で色々足りないところを補いながら積み重ねていくような、全員参加型のものをやろうと。
ーー沙我さんが全部決めるのではなくて。
沙我:最終的なまとめは僕がやってるんですけど、どういう曲を演りたいとか、どの曲とどの曲を繋げて演りたいとか、そのアイデアはみんなが出してくれ、って。
ーー他のメンバーにそう言ったんですか?
沙我:はい、言いました。そういうフラッシュアイデア。サプライズや閃きから出てきたアイデアは、一本のライブの流れとして見るとちょっと不格好かもしれないけど、「これがやりたい」というメンバーの気持ちの方が大事かなと思って。今回はそういう感じでいこうと。
ーーセットリストの流れよりも今回は、「これをやりたいんだ」というメンバーの感情を最優先しようと。
沙我:そうですね。そのやりとりをしていく中で、ヒロトは一番「俺はこうしたい」というのを分かりやすく出す人間なので、日によってはヒロトに全任せしたりしてますね。
ーーそうなんですか?
沙我:はい。ベーシックな流れはあるんですけど。その中で「ここの候補曲は替えていいから」「ここには演りたい曲を組み込んでいいから」って言って、2本ぐらい、これまで彼に任せて演りました。「俺はこれをやりたい」っていう気持ちが大事って言ったじゃないですか?「俺はこれがやりたい」というのが出てくることによって、曲同士がぶつかって喧嘩をしちゃったり、トータルで見たら流れが悪いかもってなるかもしれないけど、それはそれで別にいいやって。とにかく、メンバーから出てくる「演りたい」っていう部分を大事にしようと。それが僕の中のコンセプトでもあったので。
ーー今回のツアーに対しての、沙我さんの裏テーマでしょうか。
沙我:そうですね。それで、その演りたいっていう気持ちが一番強かったヒロトに任せてみたら、「僕だったら絶対にこうしない」というものが出てくるんですよ。それがいいなと思って。
ーー実際に任せてみてどうでしたか?
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アリス九號.オフィシャルnote
限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…
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