第百二十五回 Gt ヒロト|『月刊少年HRT』vol.11

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<特集>
「ツアー『the Forbidden Medley』で起きた様々な変化を語る」

<特別付録>
「ヒロト寫眞館『TOUR中に観た景色』」


ーー昨年末に行ったワンマンツアー「the Forbidden Medley」はいかがでしたか?

やはりバンドはツアーだなと思いました。以前と比較すると本数は少なかったんですけど、昨年上半期にメンバー生誕祭として毎回違うライブをやってきた後に、こうしてツアーでライブを続けてやれること、同じコンセプトのライブを積み上げていける喜びは、ひとしおでした。高田馬場AREA、札幌PENNY LANE24と周って、郡山HIPSHOT JAPANをやる前かな?久々にメンバーみんなで反省会をしたんですよ。

ーー生誕祭のように一本だけで完結してしまうものだと、反省会をやったとしてもそれを反映させる“次”が無いですからね。

そうなんですよ。それで今回反省会をやったら問題点が改善されて、次のライブが劇的に良くなりまして。それができないストレスがこれまでずっとあったんで、嬉しかったですね。一本だけだと「ここをこうすればもっとよくなる」って気づいてるのにできない、それがストレスでしたから。

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ーー2021年の上半期は一発勝負のライブばかりでしたからね。

そういう形でずっとライブをやっている方々もいらっしゃいますけど、我々はそれができるほど器用ではなくて。

ーーアリス九號.は一見器用そうに見えますけど、実は器用ではないんですよね。

そうです。このバンドを始めた頃、僕らは仕事を選ばず、「オファーが来たものはすべてやるよ」というスタイルで自分たちもそれを楽しんでやってはいたんですけど。それもね、本当に器用な人たちだったら必要無いものはちゃんと断ってたと思うんです。でも僕らは器用じゃないから色々やりまくって。活動が軌道に乗ってきた時もメディアに出まくってたから、ハタから見たら「アイツら器用にやってるな」って思われてた部分があったと思うんですね。けど、あれは不器用が故の結果かな。

ーー器用じゃないからコツコツと色々なことを積み上げていくしかない。そういう努力系バンドだと。

そうそう。見た目は華やかに見えても、土臭いバンドですよ(微笑)。最近はミーティングも、「これは膝を付き合わせて顔を見て話さないといかんよね」ってことがあると対面でやったりしてますし。

ーーそんなアリス九號.が、結成当初からお世話になっていたのが高田馬場AREA。閉店前のラストライブはいかがでしたか?

僕はファンクラブのブログにも書いたんですけど、別に想い入れは無いんですよ。Naoさんと出会った場所はAREAだし、「名前は、未だ無ひ。」をレコーディングしたのもAREAだし、5人揃っての初ライブもAREAだし、色々思い出はあるんですけど。当時を思い返したら「早くこんなところは出たい」という想いが真っ先に出てくるんですよ。AREAは地下にある狭い場所で、楽屋口の横はゴミ捨て場なんですね。「僕らは華やかなことをやろうとしてるのになんでこんなところにいるんだ」って。「絶対ここには戻らない。一刻も早くここを抜け出して上がっていかなきゃ」ってことしか思ってなかったんですよ。

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ーーそれぐらい、ハングリー精神の塊だった訳ですね。

ええ。AREAに行くといつもそれを思い出すんですよ。「タイムマシン」の歌詞で“もしも時が戻るならば願いますか?”ってありますけど、「絶対ここには戻りたくねぇよ」って、そういう誓いを立てるような場所でもあったので。当時は、兄弟で残った唐揚げを取り合うような感じで、AREAに集まったお客さんを色々なバンドで取り合ってた訳ですけど。でもその環境こそが僕らをタフに育ててくれたのは間違い無いんです。だから、戻りたくない実家みたいな存在です(笑)。

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限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…

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