第四十二回 Gt 虎 ｜MOVIE TORAVIA「バイオハザード」

自粛期間中、ゲーム配信( YouTube内でTORASHITch【虎のゲーム実況部屋】で毎日ゲーム実況をライブ配信)ばっかやってたでしょ？
あれね、普通にバンドやってるよりも忙しくて大変だったんすよ（笑）
だから、最近あんま映画観てないの。ヤバいでしょ？

でも、今回はそのゲームの流れで、「バイオハザード」の話をしようと思ったんで、このために１からファイナルまで全部観直してきたんです！
１日で一気に観た。そうしたら、いろいろ分かったことがありましたね。

僕が「バイオハザード」のゲームをやってたのって子供の頃なんです。
なので、ゲームの内容までしっかり読み取るような年齢でもなかったんで、ストーリーとかあんまり憶えてなかったんですよ。

そのまま大人になるにつれてゲームはやらなくなり、いつしか僕の「バイオハザード」の記憶は、映画のほうの記憶に切り替わっちゃってたんです。
だから、自分の中のバイオハザード＝映画の「バイオハザード」になってたんですね。

それで、大人になったこのタイミングで「バイオハザード」シリーズをゲーム配信でやった時に
「あれ？全然僕の記憶と違うぞ」と思ってびっくりしました（微笑）

「バイオハザード」のゲームって、ストーリーはざっくりなんです。
警察官が怪しいと思って近づいたら、ゾンビみたいな犬２匹に襲われる。
そんなところから始まるんだけど、始まり方からしてざっくりですよね。

最初は、落ちてるメモとかを読んでいくと、何かに感染してしまったようだ、ぐらいの規模感なんです。
決して世の中全体がT-ウイルスに感染している、ヤバイぞ、ゾンビだらけだ、みたいな感じではないんです。

それまで世の中にあったゾンビ映画といえば、死人が蘇ったようなゾンビがうようよ出てきて、そいつらがガンガンに襲ってくるというのが多かったんですけど。
それとは明らかに違うんですよね、「バイオハザード」のゾンビ感は。

それを象徴しているのが、ゲームの方の、最初は少人数が感染していて、それに襲われるというミニマムな始まり方で。
自分の記憶では、映画の影響で「バイオハザード」はゾンビとガンガンに戦ってる印象になってたから、改めてゲームと映画を観て、すごく自分の記憶とのギャップを感じましたね。

映画もゲームも、後々にはゾンビがガンガンに襲ってくるんですけど、俺はその始まりの感じこそ「バイオハザード」の大事な部分だから、映画でも忠実に描いてほしかったなと思いました。

「バイオハザード」（2002年）

まず、映画の「バイオハザード」シリーズを観直して気づいたことから話していきましょうか。
第１作目の「バイオハザード」は、思ってた以上にB級でした（笑）
お金をかけてないなっていう感じがしちゃいましたね。
とりあえずゾンビ映画作りました、っていう感じ。

みんなが（T-ウイルスに感染し、アンデッド化した）ゾンビに襲われるだけなんで、観ててもいまいちピンとこないんですよ。
ゾンビ１体１体を大事に描いてないから、このドアを開けたら隣にゾンビがいるかもしれない…みたいな、そういう怖さが一切ないんです。

ゲームのほうはすごく日本っぽくて。
ゾンビが忍び寄ってくる“空気感”の怖さを大事にしたゲームだったのに、「映画だとそこが無いんだ」と思っちゃいました。

（映画だけに出てくる主人公、アリスを演じる）ミラ・ジョヴォヴィッチに助けられた映画ですね、あれは。

あのアリスが見た目のパンチもあって、キャラクター性もあるから（映画として）観れるは観れるんですよ。
でも、かといってミラ・ジョヴォヴィッチがそれまで有名な女優だったのかっていうと、そんなことはなく。
この映画でバズった訳ですからね。
だから、よくよく考えたら相当なB級映画ですよ、第１作は。
CGとかもほとんど使ってなくて。

ちょうど他の映画でいったら「ハリー・ポッターと賢者の石」と同じぐらいに作られてるんですけど、見比べてみるとすっごい差を感じて。
あまりに「バイオハザード」がチープに見えたんで制作費をちょっと調べてみたんですね。
そうしたら、やっぱり思った以上にお金がかかってなくて。
この先、これをシリーズ化しようなんて、当時は誰も考えてなかったんだと思いますよ。

「バイオハザードⅡ アポカリスプス」（2004）

次に制作されたのが「バイオハザードⅡ アポカリプス」なんですけど。
こっちは（ゲームの）ストーリーを追ってる感が少なからずあるんです。
それにプラスして、１作目から始めちゃった主人公・アリスのストーリーもあるんで、その両方を無理やりくっつけたんだなという印象です。

今までずっと気づかなかったんですけど、ゲームの「バイオハザード」シリーズをやってみたら、「バイオハザード」の主人公って、レオンという警官なんじゃないかっていうぐらい、ほとんどの作品にメインで彼は出てくるんですね。