第六十四回 Ba 沙我|ノーズマウンテン・ラジオ「THE ALTERNATIVE 3rd SEASON、完結。その模様を振り返りながら、ライブのセトリ、全曲解説、MC解説にも挑戦してみた!」(後編)
今回の『ノーズマウンテン・ラジオ』は前回に続き、1年ぶりの生収録。
沙我様が行なった<THE ALTERNATIVE 3rd SEASON>のライブの模様を、会場に来られなかった読者のみなさんのために、自らその全貌を大解説。
ライブ後編となる今回は、MC解説もしてくれたので、その模様を文字ラジオ形式でお届けします。
ーーここからはライブもいよいよ終盤戦に突入です。後編はあのVOLLAND GUMPの新曲、「闇堕前夜」からの解説となります。
これは、バンドでやる予定もなく、ただ趣味で作ったんですよ。完全なる趣味ですね。そういうストック曲がいっぱいあるんです。溜めておくだけではもったいないと思って、それを小出しにしてる感じです。
ーー「闇堕前夜」も、その溜めていたストック曲の中の1曲。
そうですね。これもそうですけど、作詞も全部自分でやって。曲だけじゃなく、そこまで完成してるものがいっぱいあるんですよ。そういうものは自分から積極的にこの世に出していかないと、一生僕以外の他の人には聴かれない運命になってしまうので。
ーーええ、本当に。この「闇堕前夜」はどんな風にできていった曲だったんですか?
最初は、『フルメタルジャケット』という映画があるんですけど、その映画をたまたま観てたんですよ。
そうしたら、映画の中で軍人が走りながら歌ってる軍歌がありまして。すっごく汚い言葉を使って彼らは歌ってるんですけどね。
でも、それを聴いてたら、これをもっとカッコよくしてみようと思うのは俺ぐらいかなと思ったんですよね。映画の中の軍歌を聴いた時、「この曲、すっごい憶えやすいな」というのをまず思って。
昔、この曲をモチーフにしたようなゲームのコマーシャルがあったんで、じゃあ俺がこの曲を極限までカッコよくしたらどうなるんだろう、と。
そういうのをテーマに作っていきましたね。
フルメタルジャケット(1987)
ーーつまり、これは軍歌ということですか?
元々は。一番最初はそうなんです。
そこにもう1つの映画『シング・ストリート 未来へのうた』というアイルランドの少年、少女をテーマにした映画がありまして。その映画は80年代の曲しか出てこないんですね。
主人公の少年は学生で。彼がバンドを組んで、いかにミュージシャンになっていくかというような内容の映画なんですけど。もう、もろ80年代のブリテッシュサウンドしか流れてこないんで、めっちゃ面白くて観てたんです。
それで、この映画で使われてた曲で「いいな」と思った曲があったんですよ。その曲の“ドッタンドッタン”っていうリズムの感じで曲を作ってみたいなと思ってたんで、そのアイデアを軍歌とミックスさせて生まれたのがこの曲です。
シング・ストリート 未来へのうた(2016)
ーーつまり、2つの映画が。
僕の中で合体して、できたのがこの曲ということですね。
ーー歌詞はどんなテーマで書いていったんですか?
まず、耳に残るものを作ろうと思ったんですよ。そうしたら、たまたまこの“闇堕ち”っていうワードがツイッターのトレンドに上がってるのを見つけまして。アニメのキャラかなんかでトレンドになってたんだと思うんですけど。
「お!闇堕ち。これは面白いな」と思って、闇堕ちをテーマに歌詞を書こうと思ったんです。で、この闇堕ちを自分なりの解釈でテーマを広げたところで、歌詞を書きすすめていきました。
ーー耳に残るものという意味では、まさに沙我様の狙い通り、この曲は1番を聴いただけでサビ頭の“闇堕ちだ、闇堕ちだ~”と繰り返す部分が、やけに耳に残り続けてひっかかりを作る曲になってました。
そう!もうそこだけですから。いかに聴き手の耳にそこを残すか、みたいなのが課題でしたからね。
曲を聴いたマネージャーにも「これ、“闇堕ちだ”のところが頭から離れないんですよ」と言われたんで「よしよし」と心の中で思いました。
ーーそうして、この新曲の後、ライブの締めくくりとなるラストに演奏したのがアリス九號.の新曲「MANDARA」でした。
そうですね。
ーー本体であるアリス九號.で初パフォーマンスするよりも先にやっちゃいましたね。
ええ。THE ALTERNATIVEのライブのズルい特性として、アリス九號.の新曲を誰よりも先にやるというのがあるので、今回もやっちゃいました。
オルタナのライブに来てくれるお客さんはとにかく優しいので、こういうところもすごく理解してくれるんですよね。全員、僕の“奥さん”にしたいです。
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アリス九號.オフィシャルnote
限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…
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