英国から大陸へ



これは、2019年1月に、書いたものである。

英国の新聞「エクスプレス」電子版、1月6日の記事によると、バーミンガムからアムステルダムへ出かけるとき、最安値の航空券が入手できるのは2月、平均価格は124ポンドだそうである。

今回は、この記事が正しいのかどうかを調べてみよう。上の124ポンドは片道か往復運賃なのか、何も記していない。

グーグルフライツで確認してみると、1月23、30日の往復運賃は、フライビーという航空会社を利用すると59ポンド。2月から7月までも、この会社の航空機なら59ポンドで英国海峡を横断できる。8月9月はヴァカンスに出かける人が多いせいか81ポンドまで、跳ね上がる。

1月17日にバーミンガムを発って23日にアムステルダムから帰ってくるなら、往復運賃は上記のように59ポンド。円換算すれば9407円。1ポンド159円ほどで計算している。この日のレートは138円なので1ポンドにつき20円近く損をしていることになる。

グーグルフライツからフライビーのウェブサイトへ飛ぶと、表示は英語なのに、なぜか料金だけは、ポンドではなく円になっている。おそらく、日本から閲覧しているのだと、人工知能が判断したためなのか。

1月17日のバーミンガム発アムステルダム便の最安値は
6201円。日付を追って見てゆくと22日は、最安値が
4734円になっている。出発時間は16時15分。帰りは1月30日の13時45分発にすると3806円。合計で8540円。所要時間は行きが1時間15分、帰りが1時間20分。

手荷物は合計で重さ10キロまで、頭上と座席の下にひとつづつ持ち込めるので1週間の旅行なら、これで間にあうのではあるまいか。

これだけ、料金が安いので飲み物も食べ物もなにも出ない。また、切符は別の便に変更できない。

グーグルフライツでは、人工知能が安いと判断した旅先を紹介する欄がある。最初はスペインのマラガ。ジブラルタル海峡から、バスで2時間ちょっと東へ走ったところ。バーミンガムからの往復運賃は、破格の4140円。普段より
5742円も安いという。

1月14日7時05分発、帰りは23日19時40分マラガ発。所要時間は約3時間。航空会社はライアンエアー。これだけ安いとロンドンへ上京するより安くつくに違いない。

「ゴーユーロ」というサイトでバーミンガムとロンドン間の電車の料金を調べてみよう。1月14日は6時54分発から9時33分発までに限ると、最安値は8時33分発の12ポンド、最高値は7時50分発の118ポンド。料金は10倍ちかく違うが、時間は50分だけ早く着くにすぎない。この区間は、どうも3つの異なる鉄道会社が運行しているようだ。

最安値と最高値の間に100ポンド以上の違いがあり、また時間によって運行している会社が異なるとは、筆者の常識を超えている。

グーグルフライツが普段より1万0911円も安いと薦めている次の旅先は、地中海のマヨルカ島。4月1日から10日までの日程。所要時間は2時間25分。これも、同じくライアンエアーを利用、往復運賃は4692円。

ヨーロッパの航空運賃は、価格破壊が極端にまで進んでいるのが、よく分かった。

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