南フランスに暮らす
これは、2018年9月に、書いたものである。
先日、図書館の旅行ガイドを扱っている棚で「女2人旅、プロヴァンス 30日30万円の極上暮らし」という本を見つけた。表紙には、独りの自由、2人で広がる愉しみと謳っている。
写真が文章を圧倒していて、ページをめくるたびに、南仏の風が匂い立つ。著者ふたりが、たちまち恋に落ちたアパルトマンは、現在も賃貸物件になっているのか調べてみたが、見当たらない。
仕方がないから、プロヴァンス暮らし10日目に出てくる、お茶を飲みに出かけたホテル「ヴィラ ガリシ」について調べよう。ミニェ通りにある、ふたりの住まいから、わずか歩いて10分足らずである。
4月1日から朝食、3コースの夕食付きで3泊すると、部屋は一番狭くて、たったの25平方メートルしかなくても、31万6358円。料金はユーロだけでなく円でも表示される。日本のJCBのクレジットカードが使える。
もっと広い部屋に泊まりたいなら、1階がバスルームと居間、2階が寝室になった60平方メートル、61万3426円はいかが。狭い部屋にも、ここにも庭園を見下ろせるテラスがついている。
旅行記の著者ふたりは、ヴィラ ガレシのレストランのお茶代として28ユーロ払ったと記してある。コーヒーや紅茶がいくらするのか、メニューにないので、わからない。
ここの昼間のメニューを見ると、チョコレート・ムースやキャベツを使ったデザート、チーズの取り合わせがそれぞれ20ユーロ。きっとチーズとワインは相性がいいのであろう。
15日目に通った中華レストラン、李園も覗いてみよう。こちらは、ふたりのアパルトマンから、わずか徒歩5分。
餃子は牛肉のが2種類、豚肉のが3種類、あとベジタリアンには、エビを使ったのが1種類あり、6個で5ユーロ、12個で9ユーロ、24個で16ユーロ。
広東風チャーハンは7.5ユーロ。フランス語は分からないが、画面で見る限り、材料は、サラミ、人参、長ネギ、生卵、グリーンピース、コーン、それに長粒米である。
4月19日には、パティスリ・ヴェベルという店で、ふたりはケーキとマンゴティーを満喫している。歩いて4分。ここは本当におすすめ、と記して。
トリップアドバイザーによると、エクサンプロヴァンスで一番人気の店である。美味しそうなケーキの写真があまたある中で、1枚の領収書が写っている。
チョコレートパン1.2ユーロ、センチャ4.4ユーロ、アマーム茶3.9ユーロ。アマームは垢すりという観念があるので、この名称にはぞっとする。
アマーム茶とは、中国の緑茶にイチゴの香り、それに赤いバラ、ひまわりの花びらを混ぜ合わせたものらしい。香りも素晴らしく、飲んでたいそう気に入ったという評価が、米国アマゾンに寄せられている。
ヴァイオリン、チェロ、フルート、それにチェンバロの四重奏を、ふたりが楽しんだサン・ジャン・ド・マルト教会を訪ねて、この回を終わりにしよう。
なぜか、グーグルマップでは、ふたりのアパルトマンから教会まで歩いて何分かかるか計算できなかった。
12世紀の終わりに建てられた、ローマン・カトリックのゴシック様式の教会では、よくコンサートが開かれるのであろう。12月14日、モスクワ合唱団の公演。料金は16ユーロから21ユーロ。
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