オーストラリア流に年を越しました。
忙しくしていたら新年明けてしまいました。
明確な抱負を抱けないまま2022年のスタートを切りつつも、「家事や子育てに追われている上に抱負にまで追いかけられるのは御免」というのが本心です。
2021年は間違いなく、人生史上一番クレイジーな年でした。
出産、その直後2回の引っ越し、初めての育児、民事裁判、永住権獲得、退職、・・思い出すだけで感情がこみ上げます。
そんな一年の終わりもオーストラリア流に、近くの(車で3分)ビーチで過ごしました。
こちらではクリスマスも大晦日も真夏のイベント、何度経験しても慣れません。
大晦日、手巻き寿司を食べた後ビーチへ向かったのは午後5時半過ぎ。
遅いと思うかもしれませんが、その方が陽の照り具合と気温が丁度良いのです。
ビーチに着くと穏やかで澄んだ海がオレンジの空を映し出し、美しい絵画のようでした。
荷物を整理している隙に娘はいてもたってもいられなかったのか、海へ向かって高速ハイハイして行きました。
私たちが目を上げる頃には水際まで約半分のところにいてびっくり。
両親慌てて追いかけるという、面白い家族の図。
子供がいる前は好き勝手泳いでいましたが、今では順番制です。
娘を抱く夫の横で私が全力で泳ぎ、交代して夫が泳ぎます。
娘が嬉しそうに水を蹴っては笑い声をあげていると、数メートル先の水面に大きなペリカンが降り立ちました。
波の無い海にあおむけで浮遊していると、次第に黄金色がかっていく雲間を2羽のカモメが神々しく飛んでいくのが見えました。
浸水した耳がノイズキャンセリングの効果を発揮したおかげで私の体は外の世界から遮断され、まるで偉大な自然と宇宙の一部になったようでした。
「なんて私は小さい存在なんだろう」
太陽が地平線に姿を隠す頃、浜辺の人々は思い思いに一年最後の光を楽しんでいました。
ワイン片手にチーズを楽しむ年配のカップル、水際でワイワイはしゃぐ家族連れ、犬と散歩する人、寝そべって本を読む人。
私達はクーラーボックスに入れた飲み物と果物を楽しみながら赤い空が紫色に変わるまで空を見つめていました。
時に自分の力だけではどうすることもできない事実と背後にある大いなるものの支配を認めること。
「謙遜を与えてください」
静かに心動かされた時間でした。
家に帰り娘を寝かせたあと時計の針が夜12時を指すと、ご近所さんたちの「Happy New Year!!」と叫ぶ声が聞こえ、裏庭へ出ていくと目の前で花火が上がりました。
約一時間後、日本にいればNHKの「よく年くる年」を見るのが習慣だったなぁと思い、半信半疑でyoutubeに行ってみたら…誰かがあげてくれている!
夫も横に座らせて同時通訳しながら見ているとついに年越しのタイミングになり、「2021年、あけましておめでとうございます!」と、アナウンサー。
去年のものだということにやっと気づき、二人でがっかりしました。
気を取り直し、夫婦で祈りあう時間を持って何とか終えた、オーストラリア流の年越しでした。