You're my cup of tea
夏休み。かなりたくさんの人がこの時期夏休みをとっている。わたしはみんなが休んでいる時は作業真っ最中のことが多い。というよりそういう風にしている。なので、今は夏の間に仕上げないといけないいくつかの絵と日々向き合っている。
とはいっても朝から晩までいわゆる漫画家の修羅場みたいな身を削るような日々ではなく、作業しつつ、日々のことも普通にして、夏休みの読書感想文ではないけれど、夏の間の課題図書みたいなものを読み、ゆったりとしている。もともとこのお仕事は夏休み前に「夏の間に仕上げます」といって許可をもらっているので、相手が「でもなるべく早めに」と付け足されてもわたしにはなるべく早めに仕上げる気など全くない。こんなお仕事の仕方ではいけないのかなぁと思うけど、注文を自分なりに消化して、かつ相手の気に入ってもらえるような絵を描くというのはこのくらい心に余裕があった方がいいと思う。やはり自分が描いていて楽しい、完成した構図や色を考えながら手に取ってくれる人にもそのワクワクというか、心ときめくものが伝わって欲しいし、ものを作る人たちは作ってるものに対しての自分の姿勢がどんな風なのか、きちんと心がけないといけないと思うんだよね。だから、売れるからとか売れ筋の路線で作ってって言われて辟易するんだけど、それを前向き思考に切り替えて、わたしならこう!っていうものを描けるようになりたいわけだ。
そういうキラキラしたアイディア(わたしの場合は絵の構図と色になるのだが)にたどり着くにはインプットが必要だから、散歩やお買い物をしてふっと目についたものが突然作業中の絵と結びつくこともあって、作業机の前でふつふつと考え込んでいるよりも効果的でもある。そして、その発見がある時、ちょっと気分が上がったりもするんだよね。普段は目に留まらないものが良い意味でリンクしていくという、美味しいクリエイティビティの感覚は作業に戻るときも効率的に機能してくれる。ひょっとすると外に出歩く時間が3時間で、作業時間が3時間で合計6時間として、移動時間も出歩く時間も必要としていない6時間のがもっとたくさん絵を描いていたのかもしれないけれど、Amazonで本を探しているのと本屋さんにいって本を探すのと似た感じで、本屋さんでは自分の予期しない不意の出会いがある。作業机以外の浮遊するインプット時間は人それぞれだと思うけれど、わたしにとっては、絵の中の自由をプラスするものになると信じている。(自由だなって感じられる絵が好きなんです、自分では全然そういうの描けてないけれど。)
と、つい先週だかに大幅なインプットをした。テレビドラマのbinge-watch(テレビシリーズを何話もまとめ観るという意味)していました。何年か前に大ハマりしたBreaking Badというドラマのスピンオフ、わたしが特に好きだった脇役が取り上げられているというもので、この存在はもちろんドラマが始まる前から知っていた。けれど、続きが気になるようにまた上手くできているのだろうと思って、全話完結するまで観ないのが賢いだろうと思って、Better Call Saulについては一切蓋をしていたのだが、ふとした拍子に最近シーズン5が終わったらしいというのを小耳に挟み、よし!ついにこの時がきたか!と思って観始めました。そしたらやっぱり予想通り1話でやめられず、2話3話と観続け、一日につき1シーズン(10話)という日々が五日間続きました。おかげで観ながら編んでいたかぎ針編みのエコバッグがいくつも完成しましたよ。そして驚愕の事実は、なんとBetter Call Saulはシーズン6が最終章とのことで、この先一年ぐらいは続きがどうなるのかわからないということです。Breaking Badがシーズン5で終わっていたから、つい同じと思っていたんだけどね。
こんなインプットが5日間も続き、このインプットは一体わたしの作業の何にキラキラを与えてくれるのかなぁと思うんんだけど、好きなものはすきなんだ。あー、殺し屋のおじいさん、あなたはわたしのインスピレーションの源ではないと思うけれど、胸がキュンキュンさせられるのは確かです。
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