未来のミライ

細田守の映画は見る

高校3年生になる息子は
彼の作品が大好きだ。
こっそりと書いている小説は
彼のリスペクトに溢れた作風であり
息子の夢は、『おおかみこどもの雨と雪』のような
古民家に住むことらしい。

公開前から楽しみにしていた息子
その息子と一緒に映画を見ることが
楽しみだった私。

なぜなら、映画の趣味が合わないからだ。

前回一緒に行った映画はなんだったか
いつだったか、、、
毎度誘ってはフラれるため
細田守作品には感謝しかない。

小学5年生の娘と3人で観賞。
物語は一人っ子だった男の子くんちゃんに
妹が生まれるところから始まる。

母親は生まれたばかりの妹にかかりきりになり
育児に不慣れな父親には
くんちゃんの欲求を満たすことができない。

次第にくんちゃんの心には
妹への嫌悪感がうまれ、孤独感を感じるようになる。

6歳の歳の差がある我が家は
まさに、この状況である。
私の愛情全てがあった6歳の時
彼はくんちゃんになったのだ。

『くんちゃん未来ちゃん好きくない』

好きくない。かわいくない。いらない。
私はスクリーンを見ながら、10年前を思い出していた。
それは、息子も同じだった。
自分を見ているようだったと。

そうなってしまった理由は
私の一言だったと、以前に聞かされた。
そんなつもりは一切なかったが、
息子はそれから、妹に関わるのをやめたと。
家庭内別居の夫婦のように、会話もない。

高校生になったくんちゃんが
4歳のくんちゃんに諭す場面がある。
そして、無愛想だけど妹に声をかける
くんちゃんの未来の姿は、
我が家にも最近。同じ風景が見えてきた。

未来のミライ
この映画を3人で見れたこの夏。
来年からは別々に暮らすことになるかもしれない
私たちに、意味深いものを
残してくれたような
そんな平成最後の夏がくれた
思い出になりました。

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