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広島県三次市 三次町・十日市町の街並み

三次と書いて「みよし」と読む。広島県北部に位置し、「西城川」「馬洗川」「江の川」の三つの川に挟まれるように形成された街並みは、古くは三次藩の城下町として、また石見銀山街道の要所として栄えてきた。

現在でも広島県北の中心都市であり、歴史ある街並みを残しながら商業・観光の中心地として発展している。

三次市の街並み


三次の街並みは駅からほど近い「十日市」の街並みと、そこから橋を渡った中洲に広がる「三次町」の街並みの大きく二つに分けることができる。

十日市の街並みは駅から歩いて15分ほど。馬洗川堤防に沿った細長い街並みで、金物店の洋風建築を中心に戦前の街並みがわずかに残っている。

三次市 十日市の街並み

三次町は十日市町の川を渡った対岸に位置している。三次町と十日市町、二つの街を繋ぐのが赤いアーチ橋「巴橋」だ。

街並みにかかる橋というのは往々にしてそこが人の往来の集約点となる。三次も例外ではなく、この巴橋を中心にして二つの街並みが広がっている。

三次 本通りの街並み

巴橋を渡り右手に曲がると道は風情ある石畳の路地に変わり、なんとも言えない昭和感溢れる街並み「三次本通り」が姿を現す。本通りという名の通り、ここがかつての三次の中心地にあたる。

メインストリートの本通りは戦前から戦後期の街並みが保存されており、純和風の商家のほかにモルタル造の看板建築や洋館が多いのも特徴だ。

三次 本通りの街並み

かつては隙間のないほどに立ち並んでいた旧家も老朽化などから少しずつ姿を消し、残念ながら空き地や駐車場も目立つようになった。歴史的街並みとしては徐々に失われつつあるが、市内には旧銀行洋館をはじめ多くの近代建築が残り、また古民家を活用した店舗も増えてきている。
現在進行形で街並みが生きていることが伝わる、私の大好きな街だ。

旧銀行を活用した洋菓子店「風季舎」
三次の路地

街並みは川沿いの道から一段下がった場所に形成されており、表通りから一歩裏手に迷い込むと雰囲気のある細い路地が伸びている。

三次で私がよく訪れる喫茶店がある。本通りの街角に建つ古民家を改装した「mugi mugi CAFE」さんだ。通りに面した窓際の席が特にお気に入りで、街を散策した後にここを訪れ、古い木製の窓から夕暮れの往来を眺めながらゆっくりする時間なんかは最高だ。

コーヒーとプリンのセット
mugi mugi cafe にて

三次 - 広島間は芸備線でおよそ2時間。快速列車に乗れば1時間半ほどで行くことができる。県北という言葉からどうしても遠いイメージが浮かびがちだが、広島市内から日帰りで行くことができ、往復の列車の旅情も合わせて良い旅ができる街だと思う。

芸備線車窓より




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