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旅の記憶 聖地やアートや

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旅先の体験や景色の記憶を掘り起こして整理中です。一期一会の場所、再訪したい場所、まだ見ていないあの場所など。
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2024年10月の記事一覧

「待庵」を写した 杉本博司 茶室「雨聴天」

千利休の茶室「待庵」を本歌取りした杉本博司の茶室です。 2013年「HOUSE VISION」で発表されました。 新素材研究所(杉本博司×榊田倫之)設計、住友林業と水澤工務店の施工による「数寄の家」と茶室「雨聴天」です。 「雨聴天」は2017年から江之浦測候所に移築されました。 杉本博司が暗くなるまで外で遊んでいた幼少の頃、ある日俄かに大粒の雨が降って来て友達と近くのトタン屋根の小屋に逃げ込んだという。 トタン屋根を叩く大粒の雨に音に・・・ 江之浦にあった蜜柑小屋のトタ

アンドリュー・ワイエス展(大山崎山荘)

アメリカの国民画家といわれるワイエス(1917ー2009)の作品を「オルソン・ハウス」を通して見ることのできる展覧会です。 代表作《クリスティーナの世界》が有名ですが、美術の通史の解説はアメリカン・シーンの次に抽象表現主義の説明に移ることが多く説明が少なめなのが残念ですが、とても静謐な世界を描く素晴らしい画家です。 アンドリュー・ワイエス展  追憶のオルソン・ハウス 丸沼芸術の森所蔵 アサヒグループ大山崎山荘美術館 前期:2024年9月14日(土)ー10月27日(日) 後期

天岩戸神社から高千穂神社へ(宮崎県)

日本列島の古い地層の周辺には、不思議と多くの聖地が置かれていることが知られています。 神社形式が成立するよりずっと昔の太古から、ここは聖地であったのだろうと思える場所があります。 高千穂もそのひとつなのです。 最近ではアニメ「推しの子」※ にも登場し、こちらの聖地として訪れるひとも増えるかもしれません。 ※第2期放送(2024.7.3〜2024.10.6) 宮崎県の高千穂町には、日本神話に登場する場所と伝えられている聖地が点在しています。「古事記」の物語も踏まえながら、お

由布院の杉本博司 COMICO ART MUSEUM YUFIN

COMICO由布院は2017年にオープンしました。 世界的評価の高い日本人アーティスト作品を常設展示しています。 とりわけ杉本博司と村上隆の作品という世界観が異なる作品を対面展示することが話題となりました。 実は、杉本博司が展示構成に関わってオープンしたのです。 2017年オープン当初の展示 ギャラリー1は村上隆作品、 ギャラリー2には杉本博司の《海景》シリーズをガラス越しに水盤を挟んで、お互いが向かい合う配置になっていました。 オープン前、館側は多くの村上作品を展示し

聖地へ|出雲大社

いづものおおやしろ 縁結びの神様として有名。 神無月には日本中の神様が集合するという。 みんな大好き出雲大社への旅行記です。 神楽殿は日本最大級のしめ縄で約13メートル、約5トンもあるそうです。 2礼4拍手1礼と違いがあり、国譲りの物語など、伊勢系の神社とは異なる系統、異なる歴史があったのだろうことを想像させてくれます。 1.  かつての巨大本殿 古くは杵築大社や杵築明神、出雲社とも呼ばれ、明治になって出雲大社の名称となったそうです。 🔳現在の社殿は高さ24m(8丈)