2060未来創造の白地図 川口信明
特許DBサービスを運営されているアスターミューゼ社による2060年にはこんな世界になっているのでという指南書。
特許を扱っている企業だけあって、新しい技術やトレンドが形になってから一般に浸透するまで、どのフェーズでどの程度時間がかかるかという視点が書かれているところが面白い。
特許がほとんど無く、グラントの中にテーマ単体での採択が無く、上位概念の大プロジェクトの課題に含まれている基礎技術の場合は応用展開まで20-30年かかる。
特許がほぼ無くてもグラントの採択件数や配分総額が伸びている研究テーマは技術シーズも研究人材も育っている分野であり成長市場になる可能性があるが、社会実装まで10-20年必要。
特許が増えつつありベンチャー企業の設立が10件以上認められる分野は5-10年以内に事業化が進む可能性がある。
そういった視点でライブ(リアル生活、エンタテインメント、スポーツ、トイ)、食、農業、交通、都市、知覚、身体性拡張、医療、ヘルスケア、資源、エネルギー環境、知の進化といったテーマについての未来が描かれている視点は非常に面白いし、他の未来予測本と比較しても、一歩先を見ている視界であり、そういった世界のための準備を高い視座ですべきという気づきをあたえてくれます。
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