コンサルティングとは何か 堀紘一

仕事でコンサルティングをすることも増えているのですが、今まで自分がやってきた自分なりの手法で実践をしているため、標準的な考え方やセオリーを一度頭に入れておきたいと思って手に取りました。

当初の予定通り、基本的な考え方やアプローチがまとまっていて、何を重要に考えて顧客に接するべきかなど見直す機会をいただきました。

コンサルティングとはプロの傭兵を必要な期間のみ雇う考え方で、餅は餅屋の考え方が浸透している欧米企業にとっては当たり前。一方で自前主義の日本にとってはなかなか発想がしづらいものでもある。それが徐々に日本企業も海外企業と戦う必要になり、対抗する手段の1つとしてプロの経営戦略コンサルタントに依頼をするようになってきた。

企業は往々にして顧客を把握できていない。過去の成功体験が発展を阻害している。因果関係を徹底的に追求できる。戦略立案には技術と経験が必要。この4つがコンサルタントの存在意義なのである。

売れている商品と売れていない商品をいくつかみせてもら。トップセールスとダメセールスを書く2人紹介してもらう。この因果関係を分析し売れる商品の共通点、売れない商品の共通点、売れるセールスの共通点、売れないセールスの共通点を分析する。

経営者とコンサルタントの関係は選手とコーチの関係。タイガー・ウッズにもコーチは当然いる。コーチだからといってタイガー・ウッズよりゴルフがうまいとは限らない、ほとんどの場合そんなことはない。理論に対する深い理解と客観的な視点がある人が優れたコーチになりうる。

コンサルティングに答えはない。答えを教えるのではなく、考えることが大切。何が問題なのかを突き止め、その答えを考えること。知っていることを教えるのではなく考えることこそがコンサルタントの仕事の価値なのである。知っていることを教えることでお金をいただくのはコンサルタントとして邪道。高い対価をいただき提供するのが知識だけでは見合わない。知っていることはタダ、またはタダ同様。お金をもらうのは考えることに対する対価であると認識する。

コンサルティングはまずインタビューから始まる。インタビューをしてその情報を元にして経営状況を分析することがスタート。経営者、幹部、ミドル、現場様々な人に話を聞く。話も正しくないかもと常に疑って話を聞く。各階層や部門間での現状認識のズレが解決のヒントになる。ズレを探し出すことがヒアリングの第一歩。

ズレを掴んだら事実関係を把握する。認識にずれがあったとしても、事実はたった1つであるので。客観的データを集めて事実を確認する。1つの事実がどこでどのようにして違う見方をされてトップとミドルと現場で認識のズレが発生してしまったかが見えてくる。

会社の中が見えてきたら会社の外に目を向ける。サプライヤー、卸業者、小売業者、ユーザーそれぞれがその会社をどうみているか。こうした情報から現状を多面的に把握することがコンサルタントの最初の仕事である。

限られた時間で最大の情報を引き出すには仮設を事前に立てておく。何が問題になっているか事前準備で仮設を立てておく。そうなるとこの仮設を検証するには誰に話を聞けば良いのか、これで時間短縮ができる。私はこう考えているのですが、いかがですか?とインタビューで聞くこともできる。そうして得られた情報からまた仮設をたてインタビューをする。この繰返しで徐々に真の問題が明らかになってくる。

得た情報は整理分析したあとグラフにする。x, yの因果関係を突き止める。これを探り出すことがコンサルティングの本質である。本来の論理に則さないデータが有れば貴重。ここから次の思考、仮設を立てていくことで大きな発見ができる。グラフを元に現場に話を聞くと答えを持っていることも多い。

コンサルタントの論理は事実に基づいている必要がある。こうあるべきです、という哲学で語ることは絶対にNG。あくまでも事実に基づいて論理に落としていくこと。

どれだけ事前に入念なインタビュと分析ができているか、その分析結果をどこまで論理に落とし込めているか、それをどうわかりやすく伝えるストーリーが描けているか、それをどう説明できるか、これがコンサルタントのしごと。1スライド5行まで、1行15文字までに留める。13分を1コマとする。人はテレビCMの間隔同様に13分ぐらいしか集中が持たない。11分で山場を作り、13分でダレ場を作る。スライド1枚2分が無理なく頭に入るスピード。聞き手の反応をみて調整できれば最高。

コンサルタントは伸びしろで採用する。地頭の良さ、素直さ、努力かどうか、打たれ強さ、運、この5つが重要な要素。中でも論理的に考えられる地頭の良さは必須。

プロ意識、実践で経験を積ませ、治すべきところはすぐにフィードバック、メモを取って徹底的に頭に入れさせる。

コンサルタントの時間単価=年収/年間労働時間

年間労働時間=8時間 x 週5日 x 52週 = 2080時間

マルチプライヤーで販管費や将来への投資、利益を乗せる

マルチプライヤーが3倍以下だと維持ができなくなる

値切りはできない

お試し契約では深い考察をすることができず結果を出せない。

コンサルを受ける場合、最低でもコンサル料の10倍の利益増かコスト提言は実現したいと考えて受ける10倍ルール。

人と違うことをやって、得意技で勝負する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?