超ロジカル思考 高野 研一

7人の稀代の経営者をテーマにビジネスリーダーが意識するべきロジックと直感力を養うためのエクササイズ本。非常に刺激を受けたし体系的に書かれているため頭に残りやすい本でした。

自分が円安になると思ったら円高に投資し、円高になると思ったら円安に投資する。

自分が思った通りだったら、自分の相場観は正しいと理解をし、逆だったら相場観が誤っているということを認識し、何か重要なことを見落としているのか、正しい見方は何なのかという問を繰り返し、見えていなかったものが見えるようになる。

無意識の世界を活性化するために行ったことのない場所に行き、会ったことのない人と会うこと。これにより触れたことのない刺激が自分の中に入ってくる。

孫さんが1日1発明のためにやっていること。大きめのポストイットにキーワードをかいてペタペタ貼る。その中の2つをランダムに取ってきて並べる。その2つから新しいビジネスモデルが連想されるまで繰り返す。

アインシュタインは「地球を救うために1時間与えられたら、59分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使う」という。自分の器を超える問題に直面した時、地球が直面している危機は何で、救われる状態は何なのかを定義づけし解明することに時間の大半を使う。それができれば解決策はすぐに出てくるから。

行ったことのないところへ行き、会ったことのない人と会う。それを続けながら気になったことをノートに書き留める習慣をつける。ノートを毎日1回斜め読みする。ある日突然、あっという声とともに新しいものの見方が浮かんでくるまでこれを続ける。

市場構造、事業構造、収益構造がビジネスリーダーが考える3本の柱。

この3つを様々な角度から解明し、成長のための切り口となる成長ドライバーを見出す。次はそれを具体的な施策に落とし込む。その際自社が有利な戦いを展開できる市場のスイートスポットと成功要因を特定することが重要。これができれば想定市場規模とターゲットシェアが明確になるので経営に及ぼす売り上げインパクトを試算できる。その上で仮説検証をし裏付けとなる事実を取り、到達可能なゴールを描き出す。

検証できる仮説を立てる。量は質に転化する。100個目のアイディアは市場構造、事業構造、収益構造を誰よりも解明し尽くしたというシグナル。

静的かつ常識的な分析フレームワークが通用する領域には進出せず、不透明ではあるが、主体的な行動により、環境そのものを変えられる領域で事業を展開する。

未来を予測する最良の方法は自分で創り上げることだ。未来を自らの手で創り上げるためには、市場構造、事業構造、収益構造の在り方をゼロから練り上げる必要がある。そこを曖昧にしたまま事業を始めてしまうと、他の誰かに未来を創られてしまい、気づかないうちに負けが決まってしまうということになりかねない。

業界プラットフォームを確立することで、コンテンツやアプリなど全てを自前で開発するコストやリスクを抱え込まず切り離して品揃えを拡充することができる。

成功要因とは目利きの育成のように簡単にはできない、真似できたとしても他社がやりたがらないことが多い。

新規事業のテーマを1つ取り上げる。既に戦略がある場合にはまずそれを捨てる。その事業の市場構造とスイートスポットについて、複数の可能性を描き出してみる。スイートスポットであるターゲット顧客に感情移入し、成功要因になりそうなことをリストアップする。その中から他社が真似できることは捨てる。捨てられずに残った成功要因に基づきビジネスモデルを考える。最後に、収益構造や売り上げ増加のドライバーについて、複数の可能性を考える。

新事業のテーマを1つ選ぶ。その事業に関連する業界の常識をノートに書き出す。そこに書かれたことの中に潜む欺瞞について考えてみる。そこから顧客に提供できる新たな価値について考えてみる。商品やサービスが利用されるシーンや、それが提供されるビジネスモデルの全体像をイメージしながら、新たにどのような知見が必要になるのか考えてみる。そうした知見を持っていると思われる人、あるいはそうした人を知っていると思われる人にコンタクトを取り、自分の仮説を示し、意見交換をしてみる。

市場の変化とは、本質的に顧客の行動の変化。新しい価値をどこに見出していくのか、何が大切だと考えるようになるのか。顧客の動きを察知し、価値の再定義を急がなければなりません。こうやって顧客を分析の中心に捉えること、つまり視座を製品側から顧客側に移すことによって、顧客の行動や意思決定のあり方を変えることが可能である。

顧客を様々な切り口から分類してみる。その中から魅力的なターゲットを選ぶ。彼らの内面に感情移入し、彼らがどのように心を動かされたいのか想像する。さらに彼らの内側から世界を見ることで、何が彼らの心を動かすのかについて想像を広げる。それらを使ってどのように顧客の五感に刺激を与え、心を動かすことができるのかについて考える。

競争相手は同業他社でなく、めまぐるしく変化する顧客ニーズである。顧客の心の内側を見に行く必要がある。

仮説と検証を徹底的に繰り返す。仮説がなければ検証はできず事業の成長が期待できないことになる。仮説設定と検証力が重要。投資家が判断の拠り所にしているのは、そのアイディアが検証可能かどうかという点。検証する方法があればそれに必要となる費用を見積もることができる。それを上回るに十分な期待リターンがあると判断できれば投資対象になる。逆に起業家は、5000万円の資金を引っ張れたとしたら、何回実験が可能かを考える。1回500万円なら10回実験ができる。10回を最大限有効活用するならば、仮説をどの順番で検証していくのがいいのか。どう実験をデザインすべきかを具体化する。10回の実験を通じて仮説の一部が検証されたり、当たらな事実が発見され、仮説がバージョンアップされれば、それを提示することで第2弾の資金を引っ張ることができる。

ビジネスリーダーは、仮説を検証し、エビデンスが得られた策だけに経営資源を投下し、実行に移す必要がある。何もしていないことを恐れてエビデンスが取れていないにも関わらず部隊を動かすことはすべきではない。何もしていないという恐怖と対峙することで、無意識の世界を活性化させる。市場を歩き回り、会ったことない人に会うことで頭に思い浮かぶ仮説の数を増やすことにつながる。仮説が検証され、成功要因を解明できたら、今度はそれを徹底的に横展開しようとする。

市場や顧客を観察し、気になることが出て来たら5W1Hを具体的にした仮説を導く。仮説を検証するための実験や調査のデザインを考える。検証方法が浮かばない場合は仮説が具体化できていないため、仮説をさらに絞り込む。調査や実験で仮説を検証する。

あなたの所属している会社をどのように定義することができるか、複数の可能性を考える。会社の見方を変えることでビジネスチャンスの見え方が変わってくる。

あなたの関係している業界の構造が情報革命によってこの先どう変わっていくのかを考えてみる。価値がどこにシフトし、どこに新しい価値が生まれてくるのかについて考える。

2つの選択肢を持ち、難しい方を選択してきた。難しい方が世の中の真理に近いことが多い。うまくいかないと正しい道を見つけられていないと考え、2つの選択肢を立ててどちらが正しいかを解明しようとする。正しいという前提に立って環境や顧客のせいにしてうまくいかないやり方を変えようとしないのは真逆の考え方。今頭の中にない選択肢を手繰り寄せるために衆知を集める。積極的に対話をしていく。

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