ネクスト・ソサエティ ピーター・ドラッカー

2週間後に実施される役員研修の課題図書という学校みたいな指示があり、手元にはあったが読めていなかったネクスト・ソサエティを読む。

以前から「ドラッカーと会計の話をしよう」は読んでおり、会計に対する考え方の土台にもなっている。その中でもところどころでネクスト・ソサエティの引用はでてきていた。

https://www.amazon.co.jp/ドラッカーと会計の話をしよう-林-總/dp/4806138401


時間もあまりなかったので、走り読みではあったが、17年以上も前の書籍が、その後の17年の経済、企業、そして社会の推移をことごとく当てているように読みながら感じた点は素晴らしい先見性だと感じた。


明日のトップが果たすべき5つの課題

・新しいコーポレート・ガバナンスへの対応

・外の世界で起こることへの理解、会計システム、情報システムからのみでは手に入らない

・命令や管理の時代は終わり、権力の範囲内での管理は終わりを迎える。いつ命令し、いつパートナーになるかをしらなければならない

・CEOが真剣に取り組まなければならない課題は知識労働の生産性の向上である

・みながともに精算的に働けるようにすることを考えなければならない

これらは大前提として、

・多くの国で人口減少が起こり、若年労働者人口の減少

・農業の衰退、製造業の衰退と推移し、次なる産業のシフトへの対抗と準備をしなくてはらならい

という点にもとづいている。

・今後のトップはもっとも複雑な仕事、オペラの総監督の仕事に似たものとなる。スターがいる。命令はできない・共演歌手が大勢いてオーケストラがいる。裏方、聴衆がいて、すべて異質の人たち。総監督は楽譜がある。皆が同じ楽譜を持っている。楽譜を使い再考の結果を出すことがトップが取り組むべき仕事になる。重要なことの意味が変わるということ。

起業家精神の4つの罠として、ベンチャー企業が陥る典型的な間違いに関しても述べられている。

1. 想定していなかったところでの成功時に生ずる。市場よりも自分を信じたために消えてしまうこと。成功する兆しが見えているのに、目論んでいなかったためそれを見なおフリをする、拒否してしまうこと。

2. 利益が第一だと考えてしまう。利益は第二であり、第一はキャッシュフローである。

3. 事業が成長してくると多忙を極め様々な問題が生じ生産が間に合わず、マネジメントが追いつかない。起業家自身が全てを行わなければならない。助手はいても同僚はいない。そして突然何もかもうまくいかなくなる。チャンスが来た時に大変だと感じるなら既にマネジメント能力を超えている。マネジメントチームを作ること。マネジメント能力を発揮している社員を集めて「この週末、このメンバー全員について考えてほしい。自分のことは考えなくて良い。他の人が得意なものは何かを考えてきてほしい。」次に事業にとって重要な活動をリストアップする。いわゆるコア・コンピタンスの洗い出しをする。月に1度このメンバーで集まる。土曜日でも良い。1年後にはマネジメントチームが出来上がる。チームができるには最低1年、たいてい1年半かかる。

4. 起業家が自分を中心に考えているとき。自分は何をしたいのか、自分の役割は?と考えてしまうこと。考えるべきことは「この段階で事業に必要なことは何か」、「自分はそれをできるか」を考える。事業に必要なことからスタートしなくてはいけない。そのようなとき、外の人間が助けになる。

肝に銘じておきたいと思います。

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