優れたリーダーはみな小心者である 荒川詔四
一般的にリーダーは小心者とは真逆のような人であることが語られることが多いのだが、あまりにもストレートに正直なところに興味を持ちました。
小心な楽観主義者が最強である。トラブル解決はリーダーの重要な役割の1つ。トラブル報告を受けたら「これこそ自分の出番だ」とむしろ喜ぶべきもの。
小心者は何にも動じない仙人のようになれないので、「順調にトラブルは起きるもの。トラブルが起きているから順調なのだ」と自分に言い聞かせる。
世の中は自分を中心に回っているわけではないので、どんなに完璧を期したとしても、こちらの見込み通りに進むとは限らない。順調に行くことが例外なのである。だから「トラブルを気に病まない。やっぱり起きたか、順調だなと思え」。
取り乱したり、言い訳したり、誰かを責めたり、わめきたてても周囲の信頼を損ねて時間が無駄にすぎるだけ。トラブルシューティングはスピードが命。「順調にトラブルは起きるもの。落ち着け。」と自分に言い聞か、冷静に解決策を考え一刻も早く行動に移すべき。
トラブルは必ず解決できる。ビジネスは人と人の営みなので、利害の対立で人間関係に亀裂が入ったとしても、逃げること無くまっすぐ向き合うことで信頼関係を結び直すことができればお互い譲り合ったり知恵を出し合うことでトラブルを解決する糸口を見出すことができる。
絶対に逃げないこと。逃げるから問題が大きくなり、相手は不信感を一層募らせる。信頼がトラブル解決の最大のポイント。信頼関係が傷ついているので骨が折れることですが、ここで逃げたら終わり。まっすぐに向き合う。繊細さが大切。相手のことを考えず一方的にこちらの主張を押し通そうとするのは最悪。相手には相手の事情や考えがあるので真摯に受け止めなければ対話は成立しません。無理を通そうとしても反感を買います。信頼を生み出すどころか不毛な争いを生み出す結果になります。
相手の立場、利害、感情を細やかに察知する繊細さこそが武器となります。相手の言い分に真摯に耳を傾け、真意を正確に理解する。相手は怒っているので厳しい対応を取られることもありますが、それに感情的に反応するのではなく、まずは相手の真意をしっかりと受け取めることが重要。その上で相手に対するリスペクトを持って、謝罪すべきは謝罪し、譲れない点があればそれを率直に伝える。お互いが納得できる解決策を見出すために、誠実に努力する姿勢を徹底すれば必ず「人間として信頼できそう」と思ってもらえます。そして信頼関係さえ取り戻すことができれば、自然と問題は解決に向かうのです。
トラブルを経験する度に自分の中に楽観主義が育ってくる。トラブルがきても、恐れることはない、逃げること無く真正面から取り組めばあらゆるトラブルは解決することができる。トラブルをきっかけに信頼関係を築けば、思いも寄らないギフトまで与えてくれる。トラブルはチャンスですらあるのだと。
トラブルが来ても、「順調にトラブルは起きるんだ、任せろ」と腹を据えて対応ができ、逃げずに誠実に対応する経験をつむことで身につけることができる。むしろトラブル処理は小心で繊細な人のほうが得意。
仕事を任せても、権限を移譲しても所有権(オーナーシップ)は手放さず、主導権を握る。
リーダーにとって臆病は美徳である。
目先の利益より実力を養うことを優先する。
気前がよいリーダーではなく戦略的なケチであれ。
リーダーの評価はその座を去ってから定まる。
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