コンタクトレスアプローチ 長尾一洋
リモートワークで不可避となった営業におけるWeb商談。
これをどうやって成功に導くかに特化したビジネス書。
著者が自身の企業で11年前から実践してきているWeb商談の導入方法、相手企業にどうやって理解してもらうか、注意すべきポイント、営業メンバーのマネジメント手法などがまとめられています。
発売されたのが昨年の7月ということでコロナで既にWeb商談が浸透してきている時期だったはずにも関わらず、今では気にする必要が無いような「Web商談を理解してもらえない企業をどう攻略していくか」というテクニックの話も多く書かれていました。そのため、コロナ以前を意識して書かれたものか、あるいはコロナでも全く営業スタイルが変わらない、変えられない業界に向けてのものに感じる部分がありました。
IT業界のようにいち早くWeb商談にアジャストしていった業界もあれば、人材や店舗向けは引き続き対面が前提という話も聞きます。
販売する価格帯によっても異なり、IT系でも年間を通じて営業を行って受注に結びつけるような数千万円から億を超えるような受注金額のものだとWeb商談で新規顧客から売上を確保するのは難しく、新規であっても数十万円から数百万円程度の価格帯であればスムーズという話も耳にします。今まで展示会でデモや不特定多数の人々にできていたプレゼンをYouTubeで公開することでリードを獲得したり認知向上につなげるなどスタイルを変えて、新しい販売の仕方を模索してきました。
リモートワークが当たり前になって約1年。この営業や働き方が既に標準になってコロナ以前と同じような受発注が既に確立されている業界もありますし、大きな変化に苦戦しながらも新しい販売体制での経験値を積上げ始めている企業もあります。
今年は、去年1年で積上げた成功ノウハウや成功体験がある程度体系化し始めてくる時期でもあるので、積極的に各社が発信をしていく新しいWeb商談時代のベストプラクティスが乱立してくるように感じます。
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