DLDイベント2019/十代起業家
2019年9月16日から19までテルアビブではDLD (Digital Life Design) という毎年恒例のノベーションの祭典が行われました。
この期間は街のいたるところでカンファレンスやミートアップが行われ、世界中の投資家や企業が一堂に集まり中東のシリコンバレーと呼ばれるイスラエルのハイテクスタートアップ企業とネットワークを広げていきます。
日本からもDLDを目的に沢山の日本企業が視察に訪れています。街中で日本語がよく聞こえました。
無料のDLD関連ミートアップやイベントの中で、結局個人的に一番面白かったのはテルアビブの目抜き通り、ロスチャイルドストリートで行われていた野外ストリートイベントでした。
20以上のミートアップとレクチャーを気軽に体験できてアート作品も展示しています。ジャンルはゲーム、モビリティ、AR、スマートシティ、UXなど。
興味があるブースに立ち止まって実際に話しをしたり発明に触れることができます。なにより子供を連れた家族から学生、旅行者、お年寄りの方まで誰でも参加できる気軽なスタイルがフレンドリーでいいです。テクノロジー屋台が並んでいる夏祭りみたいです。
ゲーム系の展示が多かった。
人の動きが光のアニメーションに変わるパネル。みんなもちろん、はしゃぎます。
アーケードゲームも多くて懐かしい気分。
モビリティ関係も多かった。
これは少し不思議なアート。。。
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また同じ通りで、自分の発明をちゃんと製品化してブースで紹介している10代の少年少女を見かけました。その子たちがヘブライ語と英語で自分たちのアイディアやプロダクトを一般の人に説明してコミュニケーションをとっている姿をみてとても感動しました。
ちゃんとビジネスカードも用意してアピールしていたのが素晴らしかったです。これは説明力とソーシャルスキルが断然に上がる貴重な学びの場だなと感じました。
気になって調べたところ、とても興味深いプロジェクトが行われている事がわかりました。
Unistreamという機関が、経済的に恵まれない子や若者を「起業家」としてビジネスの世界へ導き将来の経営者を育成し、それによってイスラエルの社会と経済を活性化しようというプロジェクトのようです。
子供たちは社会のためになるアイディアを出し、実際にスタートアップ企業を立ち上げます。それを卒業生や経営者たちがメンターとなり過程をサポート。そこで得たリーダーシップと、実際に経営者として培った経験を生かして卒業した後も自分たちの生き方を広い視野で決められる。そして自分たちがしてもらったように次の若者たちをサポートしていく。
ドネーションスタイルで費用も限られているだろうし、若者もサポートする側も労力がかかると思います。それでもその経験を得ることと、それが将来社会にどれだけ影響をおよぼすか計り知れない所が面白いところであり、素晴らしい発想だと思いました。
立場関係なく何でも知識と経験をシェアして助け合うところがイスラエルの強さだと最近思います。
以下は写真とともにいくつかイベントで見かけた10代の起業家たちの活動をご紹介。
1.HearMeNow
難聴の人のために手話を音声に、話を手話に変換してくれるアイディア。発明者は15歳の女の子。親戚の中に難聴の人がいるためそこからアイディアが生まれたらしい。
後ろの男の子は流暢な英語を話していました。ちゃんとビジネストークしてて感心してしまいました。大人顔負け。
残念ながらウェブサイトはないようです。
2.EZ wear
イスラエルには約220,000人の障害をもった子供達がおり、服を着るのに5分〜15分ほどかかってしまう。それなら簡単に着れる服を作ろうという発想。しかもかわいいデザインです。
これも英語が得意じゃないのと言いながらあきらめずに説明してくれた女の子が紹介してくれました。将来は大人や軍人さん、お年寄りも対象に作りたいとのこと。
3.Paper Airplane folding machine(紙飛行機製造機)
これにはウケました(笑)コピー機から出てきた紙を折りたたんで紙飛行機を製造し飛ばす機械です。ちなみに結構力強く飛びます。一緒に見ていたお兄さんが「今まで見てきた中で一番クールな発明だww」と言いながら撮影していました。紹介している側のおじさんと男の子はいたって真面目にマシーンをメンテナンスしていました。彼らは人を楽しませることに真剣です。
Unistreamの活動は子供たちの未来と、国の未来にも役立つ、とても有意義なプロジェクトだと思いました。
※この記事は2019年9月に書かれました。
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