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Intelアイデア大会

イスラエルにはIntelやGoogle, IBM, Microsoftなどのアメリカ大手企業のR&Dがあります。

IntelI(インテル)のイスラエル工場では次世代プロセッサが開発されていて、現在までに10億個以上のチップが生産されていてその輸出高は350億ドルに達しているそうです。

そんなインテルの小話ですが先週、DLDイノベーションフェスティバルの野外イベントで、インテルのTシャツを着た人達がテルアビブの目抜き通りロスチャイルド大通りでブースを構えて道行く人に何かを説明していました。

聞いてみるとどうやら、開発メンバーの人達が、昨年発売されたNeural Compute Stick 2というUSB型AIデバイスを使って”何か”を作って発表しろと言われ、そこで各自考え作ったものをDLDの野外イベントで一般人に紹介し、面白いと思うアイデアに投票してもらい順位を競うという企画だそうです。

Neural Compute Stick 2はUSBスティック型のディープラーニング用デバイスでRaspberryPiやLinux搭載のPCに挿入して使います。AIプログラミングの演算装置として取り外して扱うことができます。ローカル環境で画像処理やディープラーニング開発ができるのでクラウドが必要ありません。


インテルの開発者かラボ関係の人が、路上で通りすがりの人や子ども連れの家族にアイデアを説明してくれます。テクノロジーとの距離感が近いイスラエルらしいところかもしれません。

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すこし見てきたものを以下にご紹介。

1.Smart Traffic

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【問題】
テルアビブの交通渋滞がひどい、または人通りが少なく待つ必要がないのに信号で止まる時間がもったいない
【アイデア】
信号機を効率よく操作し無駄な時間を減らしたらどうか
【方法】
横断歩道にカメラを設置して「歩行者」や「車両」などをAIが画像解析し、信号機と同期して効率よく操作する

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★カメラから見て人がいる、車がない場合
→歩行者信号は青、車両信号は赤
★カメラから見てどちらもいる場合は
→バランスを見て車を少し優先的に青にするなど、プログラミングします。

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歩行者がトランプ大統領というユーモア付き。


2.Robotic Arm (前) / 3.AI Style Transfer (後)

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Robotic Arm は手の動きをカメラが捉え、AIが画像解析した動きをロボットに反映する。これもRaspberryPiとNeural Compute Stickで作れます。
AI Style Transferはカメラで撮った人や物の形をAIが記憶して、その物体を絵の中に色を合わせて組み込む技術。

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左のRaspberryPiにNeural Compute Stick(右・手の中)、カメラ、キーボード、モニター、諸々接続している。


4.Stop Sign Camera

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ストップの表示かある交差点カメラを設置
→車が止まるか止まらないかAIが判断
→止まらなかったら車を認識している枠が赤くなる。止まったら黄色。
「これで警察に報告するの?」と聞いたら、そこまで考えてないと言われました(笑)

5.Parking Scan (右)

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【問題】
テルアビブはだいたい道の端に車を縦列駐車するのですが、スペースを見つけるのにいつも大変
【アイデア】
AIが変わりに場所を見つけてくれる
【方法】
車にカメラを付けて、AIの画像解析で現在の駐車スペースの混み具合を地図に反映

6.題名不明 (左)

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カメラで捉えた物体を解析する。申し訳ないことに説明が聞き取れなかったので詳細は不明。しかしカメラに男女やペットボトル、椅子などを写すと、文字でそのまま”Pet bottle”, “Chair” など画面に出してくれます。典型的な物体認識技術。


7.Object Tracking Car

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これは透明な容器の中にRaspberry Piが入って車のように動きます。

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真ん中の黄色い点線に沿って走行するようにプログラミングすると、フロントカメラから解析した画像をAIが認識。点線を追ってまっすぐ前に進みます。自動運転の簡単な物のようです。

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若い人もいたのでもしかしたらインテルが大学と研究パートナーシップを取っているのでそこから来ている学生さんもいたかもしれません。

話をしながら動かしながら、見ても触っても楽しいイベントでした。

※この記事は2019年9月に書かれました。




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