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群発頭痛と共に生きるとか無理 - 史上最悪の群発期到来 -



群発頭痛とは

英語ではCluster Headache、別名Suicide Headache (自殺頭痛)とも言われている、頭痛の中でも特に痛みが耐えがたい種類だと言われているのが群発頭痛。
症状としては、一定の周期で、一定期間毎日同じような時間に激痛が発生し、鼻づまりやめまい、視覚過敏などを時には伴う。一般の鎮痛剤は一切効果がなく、男性に多いのが特徴の病気。

私が初めてこの群発頭痛を経験したのが2010年~2011年ごろ、ちょうど大学卒業後、就職してしばらく経ってからだった。
仕事中に我慢できない片側の目の奥の痛みに襲われ、早退を余儀なくされた。
それから大体3年の周期で痛みの周期(群発期)がやってきて、大体1日2時間程度、前後の違和感も含めると半日くらいは調子が悪く、そんな日が1カ月半程度続くという感じだ。

私の場合はいつも右側で、本格的な痛みのピークに達するまでに必ず「あ、このあと来そうだな」という何とも言えない違和感と確信がある。その予感は100%的中するのだが、天気に左右されるのかと聞かれるとそうではないこともあるし、とにかく群発期が一旦始まると仕事も勉強も家事も何も手につかないくらい、横になっても痛みでのたうち回ることしかできないような激痛をひたすら耐えるしかできないのである。

目の奥、頭の痛みに加え、涙も出てくるし、明るいものを見ることも刺激になるので電気も消さなければ辛い。吐き気もあるので、とにかく何もできない。

3年ぶりの群発期到来

以前の投稿で、オーストラリアに移住してからの生活は決して幸せなことばかりではなく、どちらかというとふさぎこんだりストレスがたまったりすることも多かった、と書いた。
そして去年の秋からは鬱っぽい自覚症状があったのだが、そんな状況の中で今年の3月から3年ぶりの群発期がやってきてしまった。

大体朝10:00くらいが痛みのピーク、そして8:00過ぎくらいからは「あ、今日は絶対に痛くなる日だ。もう逃げられない。」という鈍痛が襲う。
ピークの痛み自体の持続時間は1時間半から2時間、時には3時間以上続くこともあった。結局3月から5月までまるまる3カ月くらい、収まらなかった。

今回はこれまでのどの群発期より症状が重く、期間も長く続き、1回の発作も止まるまでに時間がかかった。しかも大学院の授業や教育実習と重なる時期だったので、精神的にもかなり参ってしまった。

治療と日常で気を付けること

初めての群発期が到来したのは10年以上前のことになるが、その時は頭痛外来にも行かず、ひたすらに我慢しながら耐えるということをしてきた。

さすがに同じような痛みが繰り返されるのでおかしい、と思い頭痛外来に行ったのが2021年。MRI検査も念のために実施したが脳に異常はなく、症状の特徴から群発頭痛だとみて間違いないだろうと診断を受けた。

そのときは皮下注射を処方してもらい、大きな副作用もなく、すぐに効果を発揮してくれたので何とか事なきをえた。

そして始まった今回の群発期。日本から皮下注射を持ってきていたのだが、使いきってしまったうえに、これまでよりも強い痛みがあり藁にも縋る思いで治療してくれる病院を探した。また、皮下注射ではあくまで発生した痛みに対しての治療しかできず、根本的な原因を見つけたり、痛みを予防したりする知識がなかったため、そういうアドバイスもほしかった。

オーストラリアでも群発頭痛に悩んでいる人は少なくないようで、幸い自宅から通えるところに頭痛専門の理学療法士がいるクリニックを見つけたので行ってみることにした。

これはあくまで個人的な経験なのだが、担当してくれた理学療法士によると首の骨の位置が本来あるべき場所からずれてしまっているせいで、神経が刺激されて痛みが発生してしまっているという見立てだった。それでも、なぜ一定の周期で痛みが発生したり、何も痛みを感じないときがあるのかというメカニズムについてはわかっていないという話だった。

実は、首の歪みについては自覚症状があった。

いつも同じ方に顔を向けたうつぶせ寝が癖になってしまっていたので、長年の習慣のせいで自分ではまっすぐにしているつもりでも、首が傾いてしまっていた。若干なので普段気にすることはないが、証明写真を写真館で撮ってもらうようなときにはいつも指摘されていた。加えて長時間のスマホやPCの利用で姿勢も悪くなっていたと思う。

オーストラリアでの治療では、顔の部分に穴が開いているベッド(マッサージを受けるときに使うようなもの)にうつ伏せになった状態で、首の骨のズレを直してもらうことを数回行った。そして、日常生活でできるトレーニング(顎を引いて首の位置を正常な状態に近づける)を教えてもらって毎日実施した。

治療1回で160ドルくらいは払っているので、長期間通える金額では到底ない。それでも、その時の私は少しでも痛みが和らぐなら、そして次の発作を遅らせたり、これ以上ひどくならないように予防できるなら、という本当に必死な思いで5回ほど通院した。

治療を受けているときに痛みがあった場合、皮下注射のようにすぐ痛みが取り除かれることはなく、むしろ長引いたときもあって、「本当に効果があるのか?」と不安になったこともあった。今回の群発期は前述のようにこれまでよりも長かったのだが、それでも終わりに近づくにつれて痛みの発生する頻度が少しずつ減っていき、今は全く痛みがない安定期を過ごしている。

今日常生活で気を付けていることは、

①寝るときの枕を首をサポートできるようにタオルに変えた
→くるくると巻いてロール枕をつくっていたが、これに関してはタオルを平たく何枚も重ねるだけの方が首の神経を圧迫しなくてよいという意見もあるので、もう少し研究したい。

②PCとスマホ使用中の姿勢を悪くしないようにした

③うつ伏せ寝をやめた

もちろん、群発期の最中はアルコールは厳禁。

これからどう向き合っていくのか

他にも群発頭痛を患っている人がいたら、「本当につらいですよね、よくがんばって生きていますよね、私たち・・・」と声をかけあいたい。
それくらい、おそらく一般的に想像される頭痛の100倍は痛いのが群発頭痛。そして、一旦群発期が始まるとしばらくは逃げられないのが精神的にも本当にこたえるのだ。

私の場合は、首の骨のズレが原因説を一旦信じて、できることをやってみてはいるが、また数年後に群発期が来るかもしれない。

日本よりは何をしても数倍高価になってしまうオーストラリアでは気軽には治療を受けられないし、日本であれば同じような理学療法も受けられる場所の数が多いと思うので、ますます日本に帰りたい気持ちは強くなる。

これからもっと医学の研究が進んで、新しい治療法の開発や原因究明が進んで、世界中の群発頭痛で苦しんでいる人たちが救われることを心の底から願っている。

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