6畳半の舞踊

誰もいない部屋の中で
僕は踊った
狂ったように踊った

けど人1人入ってくると
僕はすかさずその踊りをやめた

いつからだろう
人の目が見えるようになったのは
いつからだろう
人の口が聞こえるようになったのは

僕はいったい誰だろう
踊っていた僕は
思った

僕は僕なのに
その僕がわからない

だから誰かに委ねるのだ
その人が僕をいい人と言えば
僕はいい人だ
その人が僕を悪い人と言えば
僕は悪い人だ

空っぽだ、そんなの

何がしたいかい
何を伝えたいかい
君は今、踊りたいかい?
それなら隣の人を気にする理由なんてあるかな

君は何を抑えているのだい
君は何を恐れているのだい

離れられのが怖くて
僕になれない君は
いったい誰なんだい

踊り狂いなよ
その人が部屋から出ていけばいいだけさ

出ていった人はさよなら
でも、きっとそのうち
君の踊りを見に来る人が来る

そしてその人は拍手をするさ
笑ってくれるかもしれない
感謝するかもしれない

君が僕になる時
人は離れていくけど
離れていかない人は
僕を大切にしてくれる

怖い気持ちはわかるよ
でも、君が僕にならない限り
その恐怖は一生この部屋から出ていかないよ

踊ってごらん
誰が来ても踊り続けてごらん

気がつけば観客で溢れかえるから

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