曇天なる空虚感に讃美歌を

世界は灰色だ
見渡す限りそうだろう

極彩色なんてのは目に悪いだけだ
結局灰色が一番心地がよい

子供の頃は好きな色がみんなそれぞれにあったよな
でも結局みんなモノトーンが好きなんだ
落ち着くんだ
いや、もしかしたら
諦めてるのかもしれない

黄色になったり、緑になったり、赤になったり、青になったり
そんなことしてないで
白や黒
もはやそんな明白にもならずに
灰色でいることの方が楽なんだ

人間そんなものなのかもしれない

なんてセンチメンタルなことを綴りながらも
灰色の鉄に囲まれて灰色の鉄の街を灰色の鉄の線路に辿って灰色の綿の服を着た人たち溢れて進む

いつだろう
灰色を心地よく感じ始めたのは

いつだろう
どれだけ極彩色に近づこうとしても
気がついたらそっと灰色になろうとし始めたのは

僕らは灰色で居ていいのだろうか
僕らはもっと何か違う色をしてないのか

ちがう
ちがう
何かが違う

でもわからない
分かりたくないのかもしれない

胸を掻きむしって
足を引っ掛けて
両腕で口を塞いで

答えの無い問いをひとつ

雲の切れ目から光が射すうちに

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