占星術のサインは私達の成長物語
こんばんは、アレクサンドリアです。
占星術を学び始めたころ、各サイン(星座)の主な性質はこういうもの、という風に大枠で捉えていました。
もっとも、小学生の頃から占い好きで、雑誌などに載っている「星占い=太陽星座占い」をよく読んでいましたので、大体の性質は知っていました。
ですが、今、チャートを読むに当たっては、天体のサインを一括りにせず、「そのサインの何度か」というのが、とても大事に感じられます。
サインは「魂の成長物語」であるので、各サインの0度から29度、そして次のサインの0度から29度・・・というのは一連の流れであり、また同じサインでも0度・・15度・・29度では、細かくみると意味合いがかなり変わってきます。
その意味合いは、サビアンシンボル360個(12サイン×30度)に表されており、1度ずつ、成長のために必要な要素が加わってきます。
具体的には、牡羊座0度から始まり、魚座29度で終わる成長物語となります。
それを1度ずつ解説するのは省くとして、〝やはり宇宙は私達の成長のために、完璧なシナリオを用意してくれているのだな〟と思わされることが幾つかあります。
一つめに、サインは中間度数、サビアンシンボルで言えば16度で、真向いのサインの影響を受け、その視点を取り入れ、自分に足りない性質を補完し統合することで、より成熟した力を持つサインになっていきます。
そして17度以降は、その力を持って体験していき、29度が終わると次のサインに入っていきます。
例えば対人軸の牡羊座と天秤座なら、牡羊座の「自分」に、天秤座の「相手」の視点が入ってきて、それを統合することで、より完成された牡羊座になっていくというわけです。
サインの前半では本来の性質を強めていき、半ばで向かいのサインの性質が入ってきて、やがて次のサインに向かうような性質になっていく。
これらの違いは、それぞれ個性として表れるので、どの辺りの度数が良いとか悪いとかはありません。
二つめは、では最初にある牡羊座が稚拙で、最後にある魚座の方が進化しているのかという点です。
これは成長過程が1サイクルしかないのならば、そうかも知れませんが、サインは螺旋階段を昇るが如く上昇し、2サイクル目、3サイクル目と成長しているので、魚座29度は終わりではなく、牡羊座0度に続くのです。
ですので、単純に牡羊座の方が稚拙とは言い切れません。
例えば、牡羊座と蟹座の場合だとすると、まず牡羊座で、「自分らしさ」を大事にしますが、成長していくと、蟹座の「事家族や日常」が大事という価値観がやってきます。
これはトランジットやプログレス、ソーラーアークなど動く天体が、出生図の天体に対してアスペクトを取り刺激を与えたときに、出生図の天体のエネルギーが発揮されるイメージです。
1サイクルだけですと、この蟹座までの成長で、牡羊座は自分だけの情熱を断念するかも知れません。
しかし、2サイクル、3サイクル・・・と成長を続ける中で、蟹座の家族や日常よりも、牡羊座の熱意が優先されるときが来る場合があります。
それは、何サイクルもの成長の過程で、例えば家族や日常に関して、ある程度、安心できる状況になったからかも知れないし、あるいは、自分の情熱に向かう方が家族や日常のためになると分かったからかも知れません。
このように、サインは成長の旅路を続けるので、どのサインや度数が優れているとかは、やはり本来的にないと思います。
こうした、1度ずつ着実に歩みながら、成長していく物語が占星術だというのは、人生は長い道程を一歩ずつ歩んでいく物語であることに似ているような気がしました。
また、長い人生の中で、人はときに後退したり、休んだりすることもありますが、それは天体が逆行したり、留になったりするのと似ているような気もしました。
改めて占星術は奥が深いなと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。