システム化を依頼する前に準備すること
業務効率化のために「システム化」を検討している企業や個人が増えています。
しかし、IT部門やITコンサルタントに依頼するとき、「自動化したい」「今の作業を楽にしてほしい」とざっくばらんに伝えていませんか?
みなさんが業務効率化したいと願っているのと同様に、IT担当者も効率化したいのです!
お互いがWin-Winになれるように、この記事では、システム導入の効果を最大限に引き出すための「依頼前に考えておくべきポイント」をご紹介します。
構築1割・整理9割
システム化の依頼を受けたIT担当者が最も時間をかけるのは、「システム構築」ではなく「業務の整理と把握」です。
暴れたルールを理解し、整理することから始めなければ乖離したシステムができあがり、運用・保守に対応できません。
実際に開発に取り掛かる前に多くの時間が必要となり、結果的にコストが増えてしまうこともあります。
依頼前に整えるべきは、「希望条件」ではなく、「業務ルール」です。
ルールが明確であれば、打ち合わせもスムーズに進み、システム開発のコストも削減できるのです。
では、ルールを正確に伝えるための準備をお伝えします。それは、
「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「なんのために」「どうやって」行う業務なのかを言語化する
システム依頼前の準備:5W1Hで業務を言語化する
業務の流れを整理して相手に伝えるには、「5W1H」を使うのが効果的です。
「5W1H」は情報を明確にするためのフレームワークで、具体的には以下の6つの要素で構成されています。
When(いつ) - その業務は「いつ」行われるのか
Who(誰が) - その業務を行うのは「誰」なのか
Where(どこで) - その業務は「どこで」行われるのか
What(何を) - 具体的に「何」を行うのか
Why(なぜ) - 「なぜ」その業務を行うのか
How(どのように) - どの手段や方法で行われるのか
具体例:工事業の場合の5W1H
例えば、工事業の「工事完了報告」のプロセスをシステム化依頼する場合、現行の業務を5W1Hに基づいて整理してみましょう。
When(いつ): 工事が完了した日
Who(誰が): 工事業者
Where(どこで): 工事業者の事務所
What(何を): 工事完了日を報告
Why(なぜ): 工事完了日を基準に依頼元へ請求するため
How(どのように): FAX
このように具体的ば「ルール」があると、IT担当者は
「では、工事現場から工事完了日が報告できるように、WEBフォームを作成しましょう」
というように、仕組みの提案をすることが容易になります。
システム化に必要な要件整理の工程にかかる時間とコストが大幅にカットできます。
効果的なシステム依頼のためのチェックリスト
以下のチェックリストをもとに、システム依頼前の準備を行いましょう。
・目的が明確か? システム化の「目的」や「期待する効果」を明確にしておきましょう。
・業務の流れを5W1Hで整理できているか? 業務内容を具体的に説明できるようにしておきましょう。
・既存ルールの確認 現状のルールやプロセスを見直し、不要なフローがないかも確認しておきましょう。
これらの準備が整うと、システム開発がスムーズに進み、結果として高いコストパフォーマンスでの実現が期待できます。
まとめ
システム化を依頼する前には、「目的」と「業務内容」を具体的に整理し、相手に分かりやすく伝えることが重要です。
5W1Hを活用して業務を見える化し、理想のシステムを構築できるようにしましょう。